女たちの戦いを斜め45度から描き出す!『女王陛下のお気に入り』

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ライター:大倉眞一郎
女たちの戦いを斜め45度から描き出す!『女王陛下のお気に入り』
『女王陛下のお気に入り』2019年2月15日(金)全国ロードショー ©2018 Twentieth Century Fox
第91回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞をはじめ9部門最多10ノミネートを果たした本作は、18世紀初頭、17人の子供に先立たれた孤独なアン女王と、女王の寵愛を奪い合う2人の女による宮廷絵巻!

女子会の秘め事

「私は太陽の沈まぬ国、大英帝国のオリヴィア・コールマン、じゃなくてアン女王。私を楽しませて、心の底から笑わせて」

「女王さま、私がこちらに。いつもお側に張り付いているではありませんか」

「おお、そうであった、レイチェル・ワイズ、じゃなくてサラ。でも、忌々しい痛風ってなに?足の骨が折れてるんじゃないの?痛くて歩けないの」

「私の女王陛下、それはプリン体というわけのわからないものが、意地悪をしているのです」

「原因がわかってんのなら、治してよ。できないの?医者を呼んでも役に立たないじゃない」

「あの医者はあとで私が始末しておきますから、とりあえずそれで笑っていただけません」

「ん、もう。仕方ないわね。くっそ、サラ以外は役立たずばっかり」

「私が御御足を優しく撫でて差し上げます。ほら、これでいかが」

「あら、うふふ、相変わらず痛いけど、気分はいいわ。ずっとこうしていてね、私のサラ」

「私は女王さまだけのもの、女王さまは私だけのもの。誰にも触らせることはありません」

「そうだわ、あなたにプレゼントがあるの」

「私は女王さまのそばにいられるだけで幸せですのよ」

「いいから、ほら、これを見て」

「まあ、これは…、もしかして新しく作る宮殿のモデル…」

「本物はすべてあなたのもの」

「ああ、女王さま、ブスだけど、可愛らしいそのお気持ち」

「なに?なにか言った?」

「ブスの男どもはどうしてあんな変なカツラかぶっているのでしょう。ハゲている方がマシ、と申し上げました」

「ねえ、あのトーリー党の連中もホイッグ党の連中も最近私を舐めてんじゃないかしら。一度締めておかないとね」

「仰せの通りでございます」

「無駄遣いするなとか言ったりするのよ、あのカツラ男ども」

「フランスと戦争中でございますからね」

「あら、そうだったかしら」

「そうそう、一人、新しく召使いを入れました。私の従妹、没落貴族の娘、エマ・ストーン、じゃなくてアビゲイルでございます」

「心からお仕えさせていただきます。お綺麗な女王陛下」

「お綺麗はいらないけど、可愛らしい娘ね」

「申し訳ありません。心の声が口に出てしまいました」

「あら、本当のことは黙っておくものよ」

「心得ました」

「なんだか、体の奥が熱くなってきたみたいだわ。一緒にお風呂に入る?」

「喜んで」

「女王さま!」

「なに?あなた妬いているの」

というわけで、英国王室を舞台にあの『ロブスター』を撮ったヨルゴス・ランティモスが女の闘いを斜め45度の角度からこれでもかと描きます。
今回は実話がベースなので、今どこにいるのかしらという怪奇現象は起こりません。
登場する女3人がすでに怪奇現象だからだわ。
3大女優の激突よ。
見逃せないでしょ。

どうなるんでしょうねアカデミー賞。
私はすでに予想済みだけど、ここでは言えないわ。
この作品もノミネートされてるから贔屓しないことにしてんの。

『女王陛下のお気に入り』は2019年2月15日(金)より全国ロードショー

文:大倉眞一郎

【特集:第91回アカデミー賞】

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『女王陛下のお気に入り』

18世紀初頭、フランスと交戦中のイングランド。揺れる国家と女王アンを、彼女の幼馴染で女官長を務めるサラが操っていた。そこに、サラの従妹・アビゲイルが召使として働くことになる。サラに気に入られ、侍女に昇格したアビゲイルだったが、彼女の中にある野望が芽生え始める。夫が総指揮を執る戦争の継続をめぐる争いにサラが没頭しているうちに、アビゲイルは少しずつアン女王の心をつかんでゆくのだが……。

制作年: 2018
監督:
出演:
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