大ヒット作『バンブ◯ビー』に躊躇なく便乗! なのにPOVホラー!?『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』

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ライター:知的風ハット
大ヒット作『バンブ◯ビー』に躊躇なく便乗! なのにPOVホラー!?『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』
『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』
発売中
価格:¥4,800+税
発売:アルバトロス

あの大ヒット超人気シリーズのスピンオフ作に便乗!

かの実写映画版トランスフォーマーシリーズのスピンオフ作品『バンブルビー』が2018年に公開された。痛快ロボットアクションはそのままにドラマ性の部分を底上げし、“少女と機械の友情”を描いた『バンブルビー』は、これがめでたく大評判。今までのような良い意味での馬鹿馬鹿しさはいくらか薄まったものの、全体的な完成度はむしろシリーズ最高傑作と言っても過言ではないだろう。例のポーズを決めつつ颯爽と現れるコンボイ(オプティマスプライム)や、チョイ役ながら初代アニメ準拠のデザイン/カラーリングで登場するデストロン(ディセプティコン)の存在も嬉しい限りだ。特に冒頭、オートボットの前に立ちはだかり陣頭指揮を執るサウンドウェーブの姿には、それだけで胸を躍らせた方も少なくないのではないだろうか。

それはさておき、低予算映画業界のニューリーダーとしておなじみアサイラム社も、当然この『バンブルビー』に便乗したSFロボット映画を同時期に公開している。その名も『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』(2018年)だ。本家の『Bumblebee』に対して原題は『Hornet』と、例によってまた際どいラインを攻めている作品だが、「宇宙由来の黄色いロボットが登場する」以上の共通点はほぼないため安心していただきたい。というより、この『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』、その題材やタイトルのイメージに反して内容的には、まさかの“半POVホラー風映画”である。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

若きロボット工学者たちが謎の宇宙船に襲われる! 謎成分多めのSFホラー

とある大学でロボット工学に打ち込んでいた、ルーク、ヘレン、クロエの三人。彼らは師事している教授の目を盗んで山に向かうと、自分たちだけでこっそり新型ロボットの性能テストを行おうとしていた。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

「ホーネット」と呼ばれるその災害救助用ロボットは起動するやいなや、その驚くべき高性能ぶりを遺憾なく発揮。無邪気に喜ぶ三人だったが、ちょうどその頃、山では不可解な失踪事件が多発しており、巨大宇宙船の目撃情報まで寄せられていた。さらには、どうもおかしな様子の人間たちが山のあちこちから続々と現れ、三人に危害を加えようと追いまわし始めるのであった。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

早速ホーネットの力を借りて、窮地を切り抜けたルークにヘレン、そしてクロエ。だが得体の知れない宇宙船と人間たちの追跡はしつこく、ついには謎のテクノロジーによってホーネットのプログラムを強制的に書き換えられ、コントロール権を奪われてしまう。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

唯一の頼みであったホーネットまでもが敵の手に渡り、絶望的な状況に追い詰められてしまった三人。が、そもそもあのホーネット。たかだか学生数名と一介の教授が数ヶ月で開発するのはまず不可能なレベル、というより地球人の技術力を超えたレベルで高い性能を持っていた。果たしてホーネットは本当にこの三人がゼロから作り上げたのか? それとも……。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

テンポは悪いが展開には意外性アリ! このテのアレが過剰に好きなら観ておくべし

繰り返しになるが、この『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』は半POVホラー風映画である。時々三人称視点のショットが挟まるものの、基本的には主要人物の構えるカメラやホーネットの目を通した一人称視点の映像によって話は進んでいく。もちろんこの手の映画のお約束とも言える、“ヒロインがカメラの前で色々懺悔したり、遺言めいた言葉を残したりするシーン”も完備。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

構成面はやや独特で、“主人公たち三人とロボットが山で異常事態に巻き込まれるPOVパート”と、“それより先、未来の時系列において何者かに捕らえられた主人公たちが、尋問を受け事の詳細を告白するパート”に別れている。今の時代、POV物自体はありふれているにしろ、「あの『バンブルビー』の模倣ロボット映画という題材で、あえてその手法を用いた」という点については少しばかり意外性を感じなくもなかった。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

だが本作、とにもかくにもテンポが悪いのが難点だ。それが「ちょっとした日常の風景描写や、登場人物同士のいさかいを長めに映してある」程度のものならPOV物にはありがちなこととして受け入れられるが、目玉のロボットを差し置いてひたすら尋問シーンでダラダラ結論を先延ばしにしたやり取りを続けたり、まずそんな尋問シーンが頻繁に挿し込まれてくるせいでなかなか本筋が進まなかったり、そのくせ物語の謎は最後までいまいちはっきりしなかったりと、なかなかまどろっこしい。その他そう派手な見所もなく、基本的に低空飛行で進行していくため、こう、どうにも特筆すべき点がないのが惜しいところである。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

言ってしまえば、よくあるPOV物の一本になるだろう。この手のジャンル、この手のホラー、この手のアサイラム映画にこだわりのある方にのみ、本作をオススメする。さもなくば、トリプルチェンジャーの反乱を見たダージのような感想を漏らすことになるだろう。「やれやれ、まったく呆れたもんだ」。

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』© 2018 GLOBAL ASYLUM, INC.

文:知的風ハット

『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2020年9月放送

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『ザ・トランスフォーム 地球外機械生命体』

20XX年、世界各地でUFOが目撃され、人々の失踪が相次いでいた。ロボット工学科の学生ヘレン、クロエ、ルークの3人は高性能人型ロボット“ホーネット”を完成させ、実験のため山奥に向かう。だが、そこで巨大UFOに遭遇。その光線を浴びたホーネットは、突如ヘレンたちに襲い掛かってくる。

制作年: 2018
監督:
出演:
  • BANGER!!!
  • 映画
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