• BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • これは、俺たちスケーターのリアルな物語――「即興のラップシーンは隠し撮り(笑)」『STAND STRONG』

これは、俺たちスケーターのリアルな物語――「即興のラップシーンは隠し撮り(笑)」『STAND STRONG』

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#BANGER!!! 編集部
これは、俺たちスケーターのリアルな物語――「即興のラップシーンは隠し撮り(笑)」『STAND STRONG』

東京オリンピックにおける正式種目採用により、近年ますます注目が高まりつつあったスケートボード。そこへコロナ禍によって一斉休校となった学生年代を中心に爆発的なブームにもなっており、全国どこのショップへ行っても品薄になるほど大きな盛り上がりを見せている。そんなスケートボードに人生を捧げる若者たちのリアルライフを描いた映画が『STAND STRONG』だ。

『STAND STRONG』©2020 Team STAND STRONG

監督は国内外のCMやミュージックビデオなどの演出を手掛ける菊池久志、そしてプロデューサーは日本人として初めてアメリカのスケートカンパニーにフックアップされ世界デビューを果たしたプロスケートボーダー・岡田晋という最強タッグである。

オールロケにて敢行された本作には、ストリートカルチャーの中心である東京をはじめ、数々の有名スケートスポットが随所に登場。さらにコンテストシーンでは日本スケートボード協会、ARK LEAGUE、ムラサキスポーツの協力によって臨場感あふれる空気を見事に表現している。

そこで、本作で主演を務めた中田海斗佐川涼松本崇日高大作レイの4名に、映画の見どころをざっくばらんに語っていただいた。まさに“いま”を生きる若きスケートボーダーたちの、ありのままの声をどうぞ。

『STAND STRONG』©2020 Team STAND STRONG

「めちゃくちゃいろんな人にイジられますね(笑)」

―まず無事に作品を撮り終えて、試写会も終わり公開を待つのみという現在の率直な感想から聞かせてください。

佐川:メインの撮影は2019年の夏だったんですけど、すごく楽しい撮影だったなって、いまでも思い出しちゃいますね。もっと撮りたかった、じゃないですけど制作期間はいままでにない面白い時間を過ごすことができたので。すごく緊張したし恥ずかしかったんですけど、本当に良い思い出になりました。ただ、いまはめちゃくちゃいろんな人にイジられますね(笑)。

松本:自分は無事に終わってホッとしたという感じですかね。撮影期間は真夏だったので本当に暑すぎて、35度以上の中での撮影だったし、そこそこハードなスケジュールだったので、それこそ熱中症で倒れる人が出てもおかしくないなと思ってました。個人の話で言うと、映画撮影は初めてでしたけど、気取らずいつものままで楽しくできたかなと思います。

『STAND STRONG』©2020 Team STAND STRONG

日高:そう言われると、正直に言って何も考えてないです……しか出てきません(笑)。撮影自体は2019年の夏だったので、いまは他にもやっていることもあるし、ただ「公開されるな~」くらいの気持ちですね。初めての映画出演だからどうとか、特別に気取るようなこともなくて。ただ、それ以上にイジられるのが怖いです(笑)。すでにかなりイジられてるのに、この先公開されたらもっと周りからイジられるのかと思うと、勘弁してくれって感じです。スケーターはみんな確実にイジってくると思いますね(笑)。

中田:ただ「終わったな」って感じです。映画だからといって特別な感情があるとか、もうじき公開されるからどうとか、そういった緊張みたいなものはビックリするくらいないんですよ。でも完成した作品を見るまでは映画館に映る自分を見たことがなかったので、そういう意味での緊張というか楽しみはありましたね。

中田海斗

―映画出演のオファーを受けた時はどんな気持ちでしたか?

中田:単純に「アツい!」って思いました。でも、それと同時にスケートボードの映画なんてできる人いるのかなとも思いましたね。ただ、原作を聞いたら晋くん(岡田晋)が以前自身のブログで書いて話題になった「プロになりたいAくんと、スポンサーが欲しいBくん」を元にして、監督と2人で今回のキャストのキャラクターに合うようにアレンジしてくれたと聞いたので、みんな自然に演技できたんじゃないかと思ってます。そのブログがまだ読めるのかはわからないですけど、それをどこかで読んでから観たら、また違った見方ができるんじゃないかなって思いますね。

松本:純粋に「めっちゃ面白いじゃん!」って思いましたね。まさか自分に映画出演のチャンスが来るとは思ってなかったので、撮影に入るのがすごく楽しみでした。

松本崇

―主要キャストの4名を聞いた時はどう思いましたか? 本作での役どころは、制作側が普段のキャラクターを知っているからこその人選だったようにも思えます。

松本:そうですね。みんなもともと仲が良いし、キャラクターも似てるからやりやすかったですよ。それに海斗は<PSCN>(原作者の岡田晋がプロデュースするアパレルブランド)の撮影のモデルも一緒にやった事もあるし。海斗以外は映画出演は初めてだったんですけど、このメンツなら絶対おもしろくなるっしょ! って思ってました。

『STAND STRONG』©2020 Team STAND STRONG

「即興でラップしたりするシーン、あれ実は隠し撮りなんですよ(笑)」

―映画撮影に慣れていない方が多いぶん、NGカットが多くなったりといったことはなかったですか? おもしろいNGエピソードや、逆にアドリブでOKになったシーンなどもあれば教えてください。

日高:NGは涼がヤバかったね(笑)。

佐川:確かに、俺が一番ヤバかったかな(笑)。映画で一番最初に出てくるタコス屋さん(Wahoo’s Tacos&More)で撮影した時なんですけど、あの時は序盤だったからみんな“くらって”ましたね。演技が終わって「ヨシ、きたな!」と思っても、「もう一回!」っていうのが多かったので、演技って大変だなと思いました。みんなもともと役者じゃなくてスケーターだから仕方ない部分ではあると思いますけど、それから徐々に慣れていったっていう感じですね。

でも、みんなで滑るシーンはすごく自然にできましたよ。まあそこは普段からやってることですし、ビデオパートの撮影に比べるとトリックの難易度を下げて絵面を重視した撮影だったので、苦労はなかったですね。それでも自分はコンテストのシーンがあるので、そこでは自分ができる最高の滑りをしてます。あれは本当にコンテストで滑ってる時の映像を使ってるので当たり前なんですけど、そういうリアルな雰囲気もぜひ味わってほしいですね。

『STAND STRONG』©2020 Team STAND STRONG

日高:あとは、しっかりカメラを回している時じゃなくて、ユルいお遊び感覚の時のちょっとした寸劇じゃないですけど、そういうのが使われてたのがおもしろかったですね。適当にユルい感じで、即興でラップしたり太鼓叩いたりってシーンがあるんですけど、実はほぼ盗撮なんですよ、あれ(笑)。できあがったものを初めて観たときは「ウソ~!?」って感じだったんですけど、いま思うと映画出演が初めてで慣れてない僕らの素の部分を出そうっていう、監督の配慮だったのかもしれないですね。台本にもなかったところので、まさか本当に使われるとは思ってもいませんでした。

佐川:ただ、そういうのって実はみんなあるんですよ。映画だからもちろん台本やセリフがあるんですけど、そのままキッチリ読むっていう感じじゃなかったんですよね。自分の言葉に言い換えたり、喋り口調を普段の自分らしくしても良くて。自由な感じだったので、あまり深く考えすぎることなくそのまま役に入り込めたというのはありますね。みんなそんな感じだったと思います。

佐川涼

「本当にスケートボーダーのリアルが詰まってる」

―では最後に、それぞれが思う“本作の見どころ”を教えてください。

松本:本当にスケートボーダーのリアルが詰まってるので、そこは絶対に見て欲しいなと思います。あとは一般の人が見てもK(中田)が堕ちていくシーンとかは感情移入できる内容に仕上がっているので、チェックして欲しいですね。

日高:もう普通に観てほしい。それだけです。スケートボードに興味がある人もない人も、誰か知り合いが出てるからでもいいですけど、一回観てもらえればスケートボードの本当の魅力やカッコよさ、楽しさがわかってもらえると思うので。あと個人的にオススメなのが、RYO(佐川)に<Element>からの荷物が届くシーンですね。何も知らずに観たら普通のワンシーンなんですけど、そのカット、実は配達員が監督なんですよ(笑)。それを知って観ると、また違ったおもしろさが味わえるんじゃないかと思います。あとは俺が頑者ラーメンを食べられなかったところですかね(笑)。

日高大作レイ

中田:こいつ、その時の撮影バックレましたからね(笑)。

日高:いやバックレてないって! 普通に寝坊しただけだから(笑)。

佐川:でも大作はめちゃくちゃ遅刻するんですよ。最初はみんな「マジか!?」ってなってたんですけど、後半はそれが当たり前になっちゃって逆に面白くなってきたというか。むしろ遅刻がみんなの楽しみになってました(笑)。頑者ラーメンが食べられなかったのもその中のひとつで、本来は全員で食べる予定だったんですよ。でも来ないから待たずに食べちゃったっていう(笑)。だからコイツだけ、慌てて走るシーンにふざけたラップを加えた映像になってるんです。当初の予定とは全然違った内容になりましたけど、自分としてはむしろおもしろくなったんじゃないかなって思ってます。そんな部分でも他の映画とは一線を画す内容になってるので、スケーターというかストリートカルチャーのノリも感じてもらいたいですね。

『STAND STRONG』は2020年7月24日(金)よりTOHOシネマズ池袋ほか全国ロードショー

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『STAND STRONG』

物語は、スケーターの溜まり場(タコス屋)から始まる。

「俺たちでさ、スケートチーム作らね!」「名前つけてさ」「THRASHERってあんじゃん」「俺らは世界をぶっ壊す!CRASHERだ!」

4人のたわいもない会話から、CRASHER(クラッシャー)というスケートチームが生まれる。各地のスケートスポットやイベントに繰り出すCRASHER。 勢いある4人の活動はSNSを通じて、 スケーターたちの間で徐々に広まっていった。 しかし、当たり前のように一緒だった彼らの歯車は、リョウとケイが憧れのスケートブランド「ELEMENT」から勧誘された事をきっかけに脆く崩れ始める。

スポンサーがついた事に最初は一緒に喜んでいた2人だったが、 周囲からの注目が集まっても 純粋にスケートと向き合い徐々にチャンスを掴んでいくリョウに対して、 ケイは、夜の街へと繰り出すようになる。 父親からの暴力、SNSの炎上、仲間たちからも離れ、ケイは一人暗闇へと追い詰められて行く。 まるで光と影のように別々の道へと進んでいくリョウとケイ。

世界戦への切符を決める大会が開催される中、それぞれが抱える切なる思いが明らかになっていく──。

制作年: 2020
監督:
出演: