ひさしぶりの戦場だぜ! 最強の退役軍人じいさんたちが麻薬組織と全面対決!!『VETERAN ヴェテラン』

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ライター:市川力夫
ひさしぶりの戦場だぜ! 最強の退役軍人じいさんたちが麻薬組織と全面対決!!『VETERAN ヴェテラン』
『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

退役軍人じいさんたちの憩いの場が戦場と化す!

『ランボー ラスト・ブラッド』に続き、往年のアクション・スターが出演する退役軍人アクション映画が到着! その名も『VETERAN ヴェテラン』!!

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

ときは、ちょっとだけ近未来のアメリカ。危険なドラッグが蔓延し、若者たちはみんなジャンキー。警察はまともに機能せず、町はスラムっぽく荒廃していた……。なんてことをオープニングの字幕でササっと処理し、場面は本作の舞台となる小汚い場末のバー、VFWへ。本作の原題でもある「VFW」とは“Veterans Foreign Wars”の略。訳すと「海外戦役従軍軍人クラブ」。これは実際に存在するもので、海外の戦争に参加したアメリカ退役軍人の団体。会員数は200万人ほどとも言われているのだとか。

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

なので、バーVFWに集まっているのは退役軍人ばかり。今日もバーの常連であるジイさんたちが酒をあおりながら昔話(武勇伝)とエロ話に花を咲かしている。と、そのとき、明らかに場違いな若い娘っ子がバーに駆け込んできて、彼女を追う大男も乱入。老人たちの憩いの場が一気に戦場と化する! というわけで、凶暴なジャンキーたちにバーを囲まれてしまった老人たちだったが、なんといっても彼らは百戦錬磨の元軍人。長生きして蓄えた知識をフル活用し、武器をDIYして戦いに挑むのだった……。

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

あの名作からパチモン映画まで! 歴々の名“脇役”陣が結集

ジョン・カーペンター『要塞警察』(1976年)や、ジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』(1978年)などのゾンビ映画を彷彿とさせる立てこもり映画となっている本作。そんなもんいくらでもあるよ! という声も聞こえてきそうですが、本作の決定的な魅力は老人メンバーの豪華キャスト。まず主役は、『アバター』(2009年)の悪役・マイルズ・クオリッチ大佐役や『ドンド・ブリーズ』(2016年)で盲目最狂退役軍人を演じたスティーヴン・ラング。そして、『ランボー/怒りの脱出』(1985年)でヘラヘラしているところをランボーにぶっ飛ばされ、その後『ランボー者』(1987年)なる酷い邦題のベトナム帰還兵アクションにも出演し、『ベスト・キッド』(1984年)の続編で最近YouTubeからNetflixに移籍することがきまった『コブラ会(Cobra Kai:原題)』のマーティン・コーヴ

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

『ダイ・ハード2』(1990年)で元アメリカ陸軍特殊部隊所属の凶悪テロリスト役だったり、『ビルとテッドの地獄旅行』(1991年)の死神では爆笑をかっさらい、近々公開予定の「ビルとテッド」シリーズ最新作『Bill & Ted Face the Music(原題)』にも死神続投で出演予定のウィリアム・サドラー。さらには、『ブラック・シーザー』(1973年)などブラック・エクスプロイテーション映画のレジェンドで、『未来帝国ローマ』(1983年)や『マッド・ファイター』(1983年)など、“パチモン『マッドマックス2』作品”の常連でもあったフレッド・ウィリアムソン。おまけに『ウォリアーズ』 (1979年)や『コマンドー』(1985年)での小物悪役、近年では『ジョン・ウィック』シリーズ(2014年~)にも出演しているデヴィッド・パトリック・ケリー! 平均年齢73歳という驚異的にお年を召した方々が総出演!

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

老体アクションながらゴア描写は盛りだくさん!“らしい”シンセ音楽も必聴

しかしまぁこうやって名前を並べると、主人公であるスティーヴン・ラングがキャリア的にも若干浮いているんですよね。でも、そこはあくまでアクション映画というわけで、見た目はジジイ、でもそこそこアクションができる人として採用されたのではないでしょうか。もちろん老人ばかりなので目を見張るようなアクションは皆無に等しいわけですが、その代わりにゴア描写は満載。老人たちの餌食となるジャンキーたちはゾンビのように人体やわやわ系なので、頭を蹴られりゃ脳味噌撒き散らしながら破裂するし、ショットガンで撃たれれば木っ端微塵ですのでお楽しみに!

『VETERAN ヴェテラン』© 2019 Cinestate VFW, LLC

そんな本作ですが、筆者的に注目してほしいのは実は音楽。ジョン・カーペンターやゴブリンを彷彿させる、ひっきりなしにシンセがピロピロ鳴りまくるものなのですが、担当したのはスティーヴ・ムーア。この人、ホラー映画音楽とイタロ・ディスコに影響を受けまくったプログレ・ユニットZOMBIのメンバーとしても有名で、かのゴブリンともツアーをともにしたことがある人なんです。『ザ・ゲスト』(2014年)、『マインズ・アイ』(2015年)、『Z Inc. ゼット・インク』(2017年)などでも音楽を担当してきたのですが、本作の音楽もかなり趣味に走ってて最高なのでお聴き逃しなく!

文:市川力夫

2019年『VETERAN ヴェテラン』はヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦」で2020年7月3日(金)より公開

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『VETERAN ヴェテラン』

麻薬系鎮痛剤オピオイド危機により、薬物常用者は俗称“ハイプ”と呼ばれるドラッグに溺れるようになった。ハイプを巡り都市は交戦地帯となり、警察の機能も停止。そんな無政府状態の街で、かつてベトナム戦争で鬼軍曹として怖れられたフレッドは、VFW(海外派兵退役軍人会)の支部を改装してバーを営んでいた。常連客は、共に戦地を潜り抜けた戦友たち。ある夜、皆が集まりいつもの昔話で盛り上がる中、突然ひとりの少女が逃げ込んでくる。その後、続けざまに凶暴な男たちが店に乱入。フレッドたちは返り討ちにするが、店の外にはまだ大勢の気配が漂っていた。少女を問いただすと、彼女は組織から大量のハイプを奪ってきたというが……。

制作年: 2019
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