立ったら即爆発!! 車爆破予告のスリルと絶望に白目必至のサスペンス!『タイムリミット 見知らぬ影』

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ライター:BANGER!!! 編集部
立ったら即爆発!! 車爆破予告のスリルと絶望に白目必至のサスペンス!『タイムリミット 見知らぬ影』
『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

「え、この車に爆弾が!?」なワンシチュエーション映画といえば『スピード』(1994年)が有名だが、ドイツ発の『タイムリミット 見知らぬ影』はあんなアッパーなアクション映画ではない。超ざっくり説明すると、2人の我が子を乗せて車を走らせていた男性が、唐突に「車内に爆弾を仕掛けた」と何者かの電話を受けて……という、なかなかの狭小空間で繰り広げられるストレスフルなサスペンス・スリラーだ。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

爆破予告のスリルと狭小空間のストレスに白目!

なんとなくズレた空気が漂う家庭内シーンから、主人公カールと娘ヨゼフィーネ&息子マリウスは、早々にメイン舞台となる車へ。妻シモーヌとの気持ちのすれ違いは後々ストーリーに効いてくるのだが、さり気なさ皆無で伏線匂わせまくりという親切設計だ。ちなみに映画冒頭、カールが飛行機恐怖症であることをベタに提示するシーンも、このあと車内に閉じ込められることになる本編へのめちゃくちゃわかりやすい伏線になっている。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

そして開始から10分過ぎには、もう犯人の「お前は最低な人間だ」と猛烈ディスからはじまる電話が。「車に起爆装置を仕掛けた」という犯人いわく、立ち上がったら即爆発、遠隔で起爆もできるという。ここで厄介になるのが多感な年ごろの(デジタルネイティブな)子どもたちの存在で、駄々をこねたりしてヘタに動かれたらドカンじゃん! という戦々恐々なシチュエーションが構築される(特にお子さんがいる人は気が気じゃないだろう)。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

犯人は「助かりたければ45万ユーロ(約5400万円)払え」と言うが、なぜカールがターゲットになったのか? なにか恨みがあるのか? カネだけが目的なのか? というミステリー要素も募っていく。我々からすると見慣れた俳優が出ていないため、誰がいつ死んでもおかしくない緊張感とも付き合わなくてはならず、ある意味お得とも言えるがめちゃくちゃ心臓に悪い。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

同じ脅迫を受けた同僚夫婦の存在や、カールの家族に関わる犯人の意味深な発言、大金を動かすための会社との交渉などなど、あらゆるハラハラ展開を序盤に詰め込んで緊張感をキープし続ける、スタートダッシュ的な脚本は拍手モノ。さらに中盤以降も「もう勘弁して……」「オワタ……」みたいな絶望的な展開が山盛り用意してあるのだが、あまり説明すると驚きと楽しみが削がれてしまうのでこのあたりにしておこう。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

スリリング展開の連続による心労に要注意! 究極の絶望を味わいたい人は必見

『ニック/NICK』シリーズ(2013年~)で知られる監督のクリスティアン・アルヴァルトは、2020年最初の“めっけもん映画”だった『カット/オフ』を手掛けた人。本作もほぼ同時期に製作されたようだが、移動しまくり電話しまくりという遠隔設定こそ共通するものの、ワンシチュエーションの緊張感をメインに据えた本作のほうがスリルの純度は高い。登場人物が疑心暗鬼に陥ったり、意外な人物が活躍したりするのもアルヴァルト作品の特徴だろうか(両作共通のキャストも)。

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『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

実は本作、スペインの『El Desconocido(原題)』 (2015年)という作品のリメイクらしく、内容も大きく異る部分はない模様。そういえば同じく車内に閉じ込められる遠隔拷問映画『4×4 殺人四駆』(2018年)もスペイン映画だったが、ラテン系の陽気な性格には密室・監禁的なシチュエーションは想像以上にキツいものなのかもしれない。カトリック信者の国だけに、人間の過ちに対する“贖罪”の物語になっているところも共通項だ。

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『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

ともかく、これでもか! とサスペンス要素を詰め込んだ本作は、サクサク展開のわりに上映時間100分超えというボリューム。それでも時間はアッという間に過ぎていくので、映画館のシートにどっしり座ったまま心臓にノミを突き立てられるような拷問的なスリルを味わいたい人は、ぜひ鑑賞に挑んでいただきたい快作である。

『タイムリミット 見知らぬ影』©2017 SYRREAL ENTERTAINMENT / TELEPOL / ZDF / TRAUMFABRIK BABELSBERG / SECHSUNDZWANZIGSTE BABELSBERG FILM

『タイムリミット 見知らぬ影』は2020年6月26日(金)よりアップリンク京都、6月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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『タイムリミット 見知らぬ影』

ベルリンの不動産会社で大規模な建築プロジェクトを手がけているカールの人生は、ある日突然一変した。月曜日の朝、娘ヨゼフィーネと息子マリウスを車の後部座席に乗せ、学校に送り届けようとしている最中、正体不明の男からの脅迫電話を受けたのだ。その脅迫者はカールらが座席を離れると爆発する特殊な爆弾を車に仕掛け、巨額のカネを支払うよう要求してくる。同じ犯人に脅迫された上司とその妻が無残に爆死させられるのを目の当たりにしたカールはやむなく理不尽な要求に従おうとするが、爆発の際に破片を浴びたマリウスが重傷を負った揚げ句、広場で警官隊に包囲されてしまう。しかも捜査の指揮を執るドラッヘ警部は、不仲の妻への復讐に走ったカールが子供たちを人質にとり、破れかぶれの行動に走ったと断定していた。やがて爆弾処理班が到着し、現場周辺に狙撃部隊も配置されるなか、もはや八方塞がりのカールの前に、大胆にも脅迫者が姿を表した……。

制作年: 2018
監督:
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