まさかの続編にしてシリーズ完結作『ランボー ラスト・ブラッド』! 鬼神が最期の“怒り”を解き放つ

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ライター:てらさわホーク
まさかの続編にしてシリーズ完結作『ランボー ラスト・ブラッド』! 鬼神が最期の“怒り”を解き放つ
『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

我らがランボーの戦いはまだ終わっていなかった!

ジョン・ランボーは今年で73歳になる。1966年、18歳で米陸軍に入隊。3年後の1969年にはグリーンベレーの一員となった。ベトナムの最前線で戦い、1971年11月から約半年の間、捕虜収容所で過酷な拷問に耐えている。1972年に収容所を脱出、その2年後に除隊。27歳になっていた。しかし、ようやく帰り着いた祖国はランボーに冷淡で、それどころか戦争狂の人非人として石を投げた。34歳で仕事もなく、歩いているだけで逮捕されるその鬱屈がとうとう爆発したのが映画シリーズ第1作『ランボー』(1981年)だった。

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それからベトナムに舞い戻ったり(1985年『怒りの脱出』)、アフガンに殴り込んだり(1988年『怒りのアフガン』)、本人の望むと望まざるとに関わらず、ジョン・ランボーはひたすら戦いを続けた。ずいぶん時間の経った2008年、すべてに背を向けて暮らしていたランボーがもう一度地獄に呼び戻された『最後の戦場』。還暦を超え、もはや自分には暴力を振るうことしかないのだと自覚して、鬼神のごとき大殺戮を見せた。

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You should see the other guy. #Rambo

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何もかもが終わり、おそらく20数年ぶりに祖国へ帰るランボー。殺ししかできない自分を受け入れつつ、もう殺さなくてもよい人生を迎えることが、やっとできるようになった。その生家に向かって延々と歩いていく主人公の背中を捉えた『最後の戦場』の長い長いエンディングを観ながら、これでシリーズもようやく完結するのだと安堵したものだ。

ところがそうは問屋が卸さなかった。最後にその姿を見てから11年。最新作『ランボー ラスト・ブラッド』は、ジョン・ランボーが70を過ぎても、結局は暴力の真っ只なかに引き戻される様を描き出す。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

ランボー73歳、許しがたい“悪”が再び彼を暴力の世界へ呼び戻す!

物心ついた時から家族もなく(酒浸りだったという父親と主人公が、長らくまるでうまく行かなかったことを思い出したい)、人生のほとんどを戦争のなかで過ごしてきた男が、それでも手にしたささやかな生活。いまは身寄りのない少女の面倒を父親代わりに見ている。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

このまま日々が平穏に過ぎればよかったのだが、少女は麻薬カルテルに攫われ、人身売買の犠牲になってしまう。ようやく得た、と思った人間らしい暮らしが奪われる。そうなればランボーにできることはただひとつだ。人並み以上にうまくやれること、つまり暴力。復讐からは何も生まれない、暴力の連鎖は止めなければいけない……世のなかで説かれる道徳にはもちろん頷かざるを得ないが、しかし人間は奪われたままでいられるのだろうか。自分には暴力しかないと腹を括った人間を、誰が止められるのだろうか。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

ネタバレも何もないので書いてしまえばランボーは娘を奪われ、そして許せぬ悪に牙を剥く。かくして『最後の戦場』を超えるヴァイオレンスが展開する。溜めに溜めて炸裂する、明らかにやり過ぎの地獄絵図には、そろそろ自分が何を観ているのか分からなくなるような酩酊感さえあるほどだ。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

激しい怒りに満たされたランボーの眼に映るものとは……?

さんざん酷い目に遭わされた主人公が耐えて耐えて、とうとう逆襲に転じるという話運びは、実はシリーズ第1作とほとんど同じものだ。あえて似た物語を持ってくることで『ファースト・ブラッド(原題)』と対をなす『ラスト・ブラッド』。なるほどよく考えたものだと思う。しかし第1作と決定的に異なるのはランボーの目つきだ。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

かつては戦いに傷ついて、悲しみを湛えていた目。『最後の戦場』でもそれはまだ見られたように思うが、ここに至って悲しみは消えた。というかあらゆる感情が消え去って、もはやそこに残っているのはあまりに激しい怒りだけだ。瞳孔が完全に開いたランボーが、弓矢と馬鹿でかいナイフを手にこちらに迫ってくる。こうなったら悪党たちも、観ているこちらも死ぬしかない。老いたヒーローはその最終章で、またしてもこちらの予想を超えてきた。いい話ではまったくないし、実を言うとシリーズの大団円感もない。だが終わってみれば謎の感慨がある。スタローンも最後の最後にもの凄いやつを持ってきたものだと思う。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

前4作品を未見の方は、できればこれまでの映画をすべてご覧になってから『ラスト・ブラッド』を観ていただきたい。そうすれば必ずジョン・ランボーという男の生きてきた人生の壮絶さ、そして『ランボー』シリーズの言葉にしがたい異常性を実感できるのではないかと思う。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

以上どうにもまとまらないことをつらつら書いてきたが、安易にまとめることを拒否するかのような映画なのだから仕方がない。この何とも形容できない感情を早く皆さんと共有したいので、どうか劇場に足を運んでくださいませ。

『ランボー ラスト・ブラッド』© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

文:てらさわホーク

Presented by GAGA

『ランボー ラスト・ブラッド』は2020年6月26日(金)より公開

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『ランボー ラスト・ブラッド』

いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれる元グリーンベレー、ジョン・ランボー。孤独な戦いを経て、祖国アメリカへと戻ったランボーは、故郷アリゾナの牧場で古い友人のマリアとその孫娘ガブリエラと共に、“家族”として穏やかな生活を送っていた。しかしガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致され、事態は急転する。愛する“娘”を救出するため、ランボーは元グリーンベレーのスキルを総動員し、想像を絶する戦闘準備を始めるのだった――。

制作年: 2019
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