ミニシアター全盛時代の傑作! タバコ屋のオヤジの“やさしい嘘”がしんみり感動的な余韻を残す『スモーク』

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ライター:BANGER!!! 編集部
ミニシアター全盛時代の傑作! タバコ屋のオヤジの“やさしい嘘”がしんみり感動的な余韻を残す『スモーク』
『スモーク』©1995 Miramax/NDF/Euro Space

いわゆるミニシアター系を代表するインディペンデント映画のひとつであり、ニューヨークのほろ苦くもやさしい人間関係を描いた『スモーク』(1995年)。家族や友人を含め人と人との距離感や働き方まで変えざるを得なくなった2020年、改めて人間同士の関わり方を考えるために観返しておきたい群像会話劇の傑作だ。

大切な誰かと一緒に観たくなる“いい塩梅”の群像会話劇

物語の主な舞台となるのは1990年のNY・ブルックリン、人種を問わずボンクラ連中のたまり場になっているオーギー(ハーヴェイ・カイテル)のタバコ屋。野球の話に白熱したり急にタバコうんちくがはじまったりと、常連はいるようだが正直だいぶシケた雰囲気の路面店だ。

『スモーク』©1995 Miramax/NDF/Euro Space

このエリアはプロスペクト・パークにほど近く豊かな緑に囲まれており、なかなかの高級住宅街ながら2020年現在も小規模な個人店が並ぶ、古き良き地域である(タバコ屋だった場所は2020年現在、超おいしそうなパイ屋さんになっている)。

オーギーのほかメイン登場人物は、タバコ屋の常連であり絶賛スランプ中の作家ポールに、親のいない黒人少年ラシード、そしてオーギーの元を去った元カノやラシードの蒸発した父など、なんとも複雑な関係性の人間ばかり。やがて大小様々な事件が重なり合い、それと同時に絡み合った各々の人生が解きほぐされていく……といった塩梅だ。

『スモーク』©1995 Miramax/NDF/Euro Space

原作である「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」を執筆したポール・オースターが脚本も手掛け、プロデューサーを務めた堀越謙三氏(ユーロスペース代表)らが香港出身のウェイン・ワンを監督に起用し、ミラマックスが製作した日米合作映画でもある本作は、日本のミニシアター全盛期を彩った傑作のひとつとして多くの映画ファンに愛されている。

『スモーク デジタルリマスター版』
発売元・販売元:ポニーキャニオン
価格:Blu-ray¥3,800+税
©1995 Miramax/NDF/Euro Space

メインストーリー進行中にところどころ挿入される落語のような“小話”がいちいちグッとくるものばかりで、鑑賞後の満腹度が半端じゃないのでぜひこの機会にご覧いただきたい。

『スモーク』©1995 Miramax/NDF/Euro Space

なお、ジム・ジャームッシュにルー・リード、マドンナ、マイケル・J・フォックス、ル・ポールなど異様に豪華なキャストが出演する、本編のヨタ部分だけを豪快に膨らませたような続編……というか身内の“打ち上げ”的な作品『ブルー・イン・ザ・フェイス』(1995年)も製作されている。しんみりした気持ちをいい感じにスッ飛ばしてくれるので、ぜひ併せて観てみては。

『スモーク』はAmazon Prime Video他でレンタル配信中/ブルーレイ発売中

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『スモーク』

1990年ブルックリン。14年間毎日、同じ時間に同じ場所で写真を撮り続けるタバコ屋の店主オーギー・レン。最愛の妻を事故で亡くして以来、書けなくなった作家ポール。18年間前にオーギーを裏切り、別の男と結婚した恋人ルビー。強盗が落とした大金を拾ったために命を狙われる黒人少年ラシード。それぞれの人生が織りなす糸のように絡み合い、感動のクライマックスへと向かっていく……。

制作年: 1995
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