ベッソン監督の“あの殺し屋映画”が進化した! KGBの狂犬美女が覚醒!!『ANNA/アナ』

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ライター:市川力夫
ベッソン監督の“あの殺し屋映画”が進化した! KGBの狂犬美女が覚醒!!『ANNA/アナ』
『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

昼はモデル、夜は殺し屋! 華麗なる“二足の草鞋”暗殺ライフ

映画は1990年、モスクワの地からスタート。露天で観光客向けにマトリョーシカを売っていた大学生のアナは、パリを拠点とするモデル事務所のスカウトマンに声をかけられ、パリに飛んで速攻モデルデビュー。光の速さで売れっ子となり、モデル事務所の共同経営者であるオッサンとも付き合っちゃったりして、なんとも煌びやかなモデルライフを送っておりました。

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

と、思っていたらアナはいきなりオッサン彼氏を射殺! どうして!? っつーことで遡ること3年前。アナはモスクワでアウトローDV彼氏とクスリ漬け生活であった。そんな中、彼氏の悪事に付き合わされて散々な目に遭って満身創痍で帰路に着くと、家にはソ連の諜報機関であるKGBの男、アレクセイ(ルーク・エヴァンス)が! そして突如KGBにスカウトされたのだった。

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

なので、モスクワの露店でスカウトされたのも、パリでモデルデビューを飾ったのも、オッサン彼氏を殺したのも、すべてはアナのKGB仕事の一環。昼はモデル業、夜は暗殺者として、全人類が羨む二足の草鞋を履いたアナの、華麗なる暗殺ライフが幕を開ける!

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バレエ仕込の優雅なアクションを披露する新人女優と百戦錬磨のベテラン陣!

主演は、本作が映画初主演となるサッシャ・ルス。178cmという長身で、これまでシャネル、クリスチャン・ディオールなど多数のブランドのショーで活躍してきたロシア出身の元トップモデルさん。1年間も役作りに勤しみ、アクションに関しては週5回1日6時間のトレーニングを2ヶ月やったんだとか。バレエの経験もあったとのことで、荒々しいファイト・スタイルでありながら、どこか優雅なアクションを披露してくれております。

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

主演が新人さんということで、いっぽうガッチリ脇を固めるのはベテラン俳優たち。アナに近づくCIA職員役にはキリアン・マーフィ。そして、アナの直属の上司で恋仲にも発展しちゃうアレクセイを演じるのはルーク・エヴァンスで、さらにアレクセイの上司であり、アナを色んな意味で可愛がるオルガ役にはヘレン・ミレン。ルーク・エヴァンスとヘレン・ミレンのふたりは『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年)で母と子を演じているのですが、顔を合わせたことはなかったので、ようやくの邂逅が実現!

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ニキータ』のアップデート版!? 超スパルタな初仕事シーンなど共通点多し

というわけで、良くも悪くもいつものリュック・ベッソン映画という感じなのは察しがつくかと思われますが、「いつもの」どころじゃないほど『ニキータ』(1990年)に立ち返っている本作。『ニキータ』同様ドン底人生から諜報部員にスカウトされる女性を描いているというところだけじゃなく、もはや『ニキータ』のアップデート版と言っちゃっていいぐらいなんです。

そこんところが如実なのが初陣の描き方で、『ニキータ』でのニキータ初仕事はレストランで客の一人を射殺し、「トイレの小さな窓から逃げろ」という指令だけど、実は窓からの脱出は壁に塞がれていて無理! というものでした。それによってド派手な銃撃戦が繰り広げられるわけですが、実は脱出不可能なのは指令した側はわかっていて、「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」方式のスパルタすぎな無茶ブリだったわけ。

いっぽう、『ANNA/アナ』のアナ初仕事もレストランでの客殺し。しかし『ニキータ』よりも過酷な状況で、渡された銃に弾が込められていなかった! というスパルタ具合。そこでアナは、すぐに群がる敵たちに対処しなくてはいけないわけですが、銃を解体してナイフのように使うところからはじまり、ロシアの格闘技サンボはもちろん、フォークや割れた皿までも武器として扱う狂犬っぷり。『ボーン・アイデンティティー』(2002年)や『96時間』シリーズ(2008~2014年)でもファイト・コレオグラファーを担当したアラン・フィグラルツの丁寧な仕事が光ります。

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ほかにも、事前に『ニキータ』を観ておけば「お!」と思うような展開や場面が多数散りばめられている本作。女性の恋愛や男性への接し方も『ニキータ』の頃に比べればかなりアップデートされているので、そのあたりも要チェックです。

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

文:市川力夫

Presented by キノフィルムズ

『ANNA/アナ』は2020年6月5日(金)全国ロードショー!

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『ANNA/アナ』

1990年、ソ連の諜報機関KGBによって造り上げられた最強の殺し屋、アナ。美しきファッションモデルやコールガールなどの複数の顔を持つ彼女の使命は、国家にとって危険な人物を次々と消し去ること。その明晰な頭脳とトップクラスの身体能力を駆使して、アナは国家間の争いを左右する一流の暗殺者への進化を遂げる。そんな中、アメリカのCIAの巧妙な罠にはめられ、捜査官レナードから驚愕の取引を迫られる……。最大の危機を前にしたアナは、さらなる覚醒を果たし、世界の命運を握る二大組織KGBとCIAの脅威へと化していくのだった―。

制作年: 2019
監督:
出演:
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