ヴィンさまロスの『ワイスピ』ファン必見！ 魔女ハンターになっても不遜な態度は通常運転『ラスト・ウィッチ・ハンター』

いまこそヴィン・ディーゼルの副業も観ておこう的1本

『ワイスピ』シリーズ最新作『ワイルド・スピード／ジェットブレイク』の公開が約1年延期（2020年4月全米公開予定）となってしまったが、この機会にシリーズの顔であるヴィン・ディーゼルの主演作をチェックしてみてはいかがだろうか。今回紹介するのは、ほとんどの『ワイスピ』ファンがなんとなくスルーしてそうなファンタジーアクション大作『ラスト・ウィッチ・ハンター』（2015年）だ。

『ラスト・ウィッチ・ハンター』
価格：DVD 3,800円＋税／Blu-ray 4,700円＋税
発売中
発売・販売元：松竹
TM & © 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

いまから800年前、つまり13～14世紀くらいのヨーロッパのどこかから物語は始まる。ドーラン神父が率いる騎士たちが、ペストを蔓延させ多くの民を殺害した魔女の女王に復讐を果たす。しかし、女王を討ち取ったコールダーは“不死の呪い”をかけられてしまう。時は戻って現代、人間と共存するようになった魔女を取り締まるウィッチ・ハンターを生業としているコールダーだったが相棒のドーラン36世が殺害され、復活を果たさんとする女王に再び戦いを挑む……。

『ラスト・ウィッチ・ハンター』TM & © 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

相手が誰でも拳でいわす！“ヴィン流”魔女退治は気合が大事!!

本作は『ワイスピ』のイメージが強くなりすぎたヴィンの新規開拓事業の一つだったと思われるが、冒頭から太っといドレッド姿で登場しフレッシュな魅力が全開……と思いきや、現代パートではサクッといつものツルピカ頭に。『ワイスピ』よりは『リディック』シリーズ（2004年～）の雰囲気に近いが、あの自信満々な不遜な態度はいつもどおりのヴィン。

『ラスト・ウィッチ・ハンター』TM & © 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

当然そんなヴィンが主演なので、『コンスタンティン』（2005年）みたいなオカルティック・アクションともちょっと違う。黒魔術とかの意味深なアイテムはちょいちょい出てくるものの、最終的には結局モンスターとの肉弾バトルみたいになるという、なんともヴィンらしい作品に仕上がっている。ちなみにコールダーのキメ台詞は、中学生くらいなら狂喜するであろう「この鉄と炎をくらえ！」というカッコよさだ。

不死者の深みゼロ！ 通常営業のヴィンを軽く楽しむのに最適な快作

コールダーは不死者のセオリーどおり生き長らえることに嫌気がさしているかと思いきや、現代に順応しまくっていて苦笑を誘う。何らかの事業で稼いでいるのか、隙あらば女性をナンパするというチャラさで、下半身の方もバリバリ現役の様子。長年コールダーを支えてきたドーラン36世をマイケル・ケインが、そのあとを継ぐ37世をイライジャ・ウッドが演じるなど、手堅いキャスティングながらヴィンとの相性も意外と悪くない。そしてヴィンとイライジャの凸凹バディものを期待していると、後半の展開に驚かされる。

『ラスト・ウィッチ・ハンター』TM & © 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

もれなく本作もヴィンの独壇場となっていて、このテの作品に不可欠な「力を合わせてやっつけました！」という“満を持して感”が薄く、カタルシスが損なわれてしまっているのがちょっと惜しい。もっとヴィンに見栄を切らせまくって、オカルトなガジェットをバンバン出しまくるエクストリーム時代劇みたいにしたほうが楽しめたのでは。どうとでも続編が作れるような終わり方をしているが『ワイスピ』が絶好調だし、ちょっと厳しいかな……？

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『ラスト・ウィッチ・ハンター』 はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2020年4月放送