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10年ぶりに奪還した世界一の裏側に完全密着『侍の名のもとに ~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
10年ぶりに奪還した世界一の裏側に完全密着『侍の名のもとに ~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』
『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』写真提供:J SPORTS

名将・稲葉篤紀の世界一への軌跡を追ったドキュメンタリー

2019年のセパ公式戦の入場者数は2600万人を超え、史上最多を記録した。その一方で、侍ジャパンこと日本代表トップチームは2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)以来、10年も世界一から遠ざかっていた。しかし、レギュラーシーズン後に開催された<WBSCプレミア12>(※4年に1度行われる東京五輪の予選も兼ねた大会)ではライバル韓国を破り、再び世界一の座に返り咲いた。

2020年の東京五輪では、野球が12年ぶりに五輪競技に復活。少子化で競技人口の減少が囁かれる野球界にとって、金メダル獲得は最重要課題になっている。このプレッシャーがかかる大役を任されたのが稲葉篤紀監督だ。

『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』写真提供:J SPORTS

東京ヤクルトスワローズと北海道日本ハムファイターズで、計19年の現役生活を送った稲葉監督。その間に2000本安打を達成し、生涯打率は.295。5度のゴールデングラブも受賞した、巧打攻守の光る名選手である。また、仕えた監督全員を胴上げした優勝請負人でもある。映画『侍の名のもとに ~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』は、そんな稲葉監督の代表監督就任からプレミア12で世界一を成し遂げるまでの裏側を収めたドキュメンタリーだ。

『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』©2020「侍の名のもとに」製作委員会

伝説となっている2009年のWBCで世界一に貢献した、つなぎの四番

稲葉監督のヤクルト時代に監督だった野村克也氏は、自著「侍ジャパンを世界一にする! 戦略思考」の中で、稲葉監督のことを「プロ野球界のなかでもっとも真面目な人間」「野球に取り組む姿勢はすべての選手にとって最高のお手本」と評している。そのうえで、監督経験のないことを理由に「監督の器であるとはかぎらない」ともしている。

世界一になった10年前のWBCを振り返ってみると、監督は指揮官として抜群の実績がある原辰徳氏(現、読売ジャイアンツ監督)だった。先発は松坂大輔、ダルビッシュ有、岩隈久志というメジャーでも活躍するエースが並んだ。打線はイチロー、青木宣親、そして「つなぎの四番」として、.318の高打率で世界一に貢献したのが稲葉監督だった。

この年のWBCは、イチローの決勝打もあり伝説化している。それだけに、稲葉監督が選んだプレミアの選手に迫力を感じないファンもいたかもしれない。例えば、福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩はレギュラーシーズン中は極度の不振にもがいていた。それでも稲葉監督がまっさきに必要としたのが松田だった。稲葉監督が理想とするチームを松田が作り上げ、優勝に貢献したことがよくわかる。

『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』写真提供:J SPORTS

ノムさん「稲葉監督の胴上げを見てからでなければ天国のグラウンドには旅立てない」

2019年を最高の形で終えた侍ジャパンだが、本当の勝負は7月から始まる金メダルを懸けた戦いだ。稲葉監督は、また新たに選手選考をしなくてはならない。登録選手数はプレミアでの28人から24人に減る。負傷でメンバーから抜けるもチームの精神的支柱となっていた秋山翔吾はシンシナティ・レッズへの入団が決定し、他のメジャー在籍選手を招集できるかはわからない。野村克也氏は、前述の著作ではこうも語っている。

「徳がある稲葉監督のためにと思っている人が大勢いる」
「(東京五輪で)稲葉監督の胴上げを見てからでなければ天国のグラウンドには旅立てない」

稲葉監督は、プレミアの選手選考の中で「良い選手を集めるのではなく、良いチームをつくりたい」と発言している。それは五輪の選手選考でも変わらないだろう。稲葉監督にしか作れないチームが戦う夏が待ちきれない。

『侍の名のもとに ~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』は2020年2月7日(土)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国47都道府県の劇場で2週間限定公開

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『侍の名のもとに ~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』

稲葉篤紀氏が野球日本代表・侍ジャパンの監督に就任してから800日。チーム編成や戦略・采配を中心としたミーティング、海外視察、そして10年ぶりの世界一に輝いた2019WBSCプレミア12をはじめとした数々の国際試合を経験し、結束力を高めてきた。

各球団のスター選手が集結した侍ジャパン。代表への強い想い、選手の素顔、激闘の裏側……。チーム専属カメラがとらえた貴重な映像を通して、明らかになる真実とは。

制作年: 2020