『ジョーカー』にハマッたら観ておくべき厳選2作! ホアキン・フェニックス主演の濃厚サスペンス&珍ドキュメンタリー

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ライター:BANGER!!! 編集部
『ジョーカー』にハマッたら観ておくべき厳選2作! ホアキン・フェニックス主演の濃厚サスペンス&珍ドキュメンタリー
『容疑者、ホアキン・フェニックス』© 2010 Flemmy Productions, LLC

日本時間2020年2月10日(月)に開催される第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など最多11部門にノミネートされている『ジョーカー』(2019年)。主人公のアーサー・フレック=ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが絶賛され、日本を含む世界中で大ヒットし社会現象を巻き起こしている話題作だ。

兄の故リバー・フェニックスと同じく、幼少期から映画やドラマで子役として活躍していたホアキンは、これまでにも『グラディエーター』(2000年)『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005年)『ザ・マスター』(2012年)などで主演/助演男優賞を獲得してきた。今回、初のアカデミー賞獲得も期待されている『ジョーカー』だが、ここでホアキンの印象的な近作として、『ビューティフル・デイ』(2017年)と『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010年)という両極端な2作品を振り返っておこう。

『ビューティフル・デイ』Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

ジョーカーとクリソツな境遇の男を演じた『ビューティフル・デイ』

第70回カンヌ国際映画祭で男優賞、脚本賞の2冠を獲得した『ビューティフル・デイ』は、『ジョーカー』を観た人も未見の人も必見の作品。ホアキンが『ジョーカー』のわずか2年前に、アーサーと同じような境遇の人物を演じていたことは意外と見過ごされているのではないだろうか。

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Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

年老いた母親と二人暮らしの男やもめという設定こそ『ジョーカー』と同じだが、この『ビューティフル・デイ』でホアキンが演じるジョーは元軍人で、フリーランスでダーティーな“人捜し”を営んでいる男。苛烈な戦場や幼少期の虐待からPTSDを患っていて、自らの存在を痛みで確かめようとしているのか、自傷/自殺願望があることが序盤から示唆される。『ドント・ウォーリー』(2018年)で演じた実在の漫画家のように、どこか破滅的な人物を演じさせるとホアキンは一層輝きを増す。

『ビューティフル・デイ』Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

本作はジョーが、上院議員から失踪した娘ニーナを連れ戻してほしいと依頼されるところから始まる。無事ニーナを救出するも、何らかの陰謀に巻き込まれ、母親や仕事仲間など数少ないつながりを全て絶たれてしまう。絶望し一度は自ら命を断とうとするが、ニーナを奪還するべく再び武器を手に取るジョー。少女の存在は、全てを失った男に差した一筋の光か、さらなる苦痛の始まりか……。

『ビューティフル・デイ』Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

アーサーとは性格も体つきも全く異なる、減量前のホアキンのむっちりボディが堪能できる本作。少女を救うべくたった1人で敵地に乗り込む姿は『タクシードライバー』(1976年)のトラヴィスのようであり、トンカチひとつで敵をバタバタ倒していく姿は『オールド・ボーイ』(2003年)のオ・デスのようでもある。銃を使わないのは理にかなっていて、敵地に潜入してからの白兵戦にトンカチは有効な武器だし痕跡も残さない。また、彼が訓練された元兵士ということも伝わってくる。

『ビューティフル・デイ』Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

とはいえ激しいバトルシーンはほとんど見せず、原作小説にあった説明的な部分を映像で再現することもない。致命傷を負わせた男の隣に寝そべり手を握ったりするジョーの心理や行動は初見では理解し難いが、彼の境遇(PTSDに至る理由や社会における彼の立ち位置)を想像することで、じわりと伝わってくるようになっている。

『ビューティフル・デイ』Copyright ©Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. ©Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

また、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドによる音楽も、それなしでは成立しないほど印象的に使用されているので、ぜひ耳を傾けてみてほしい。

周囲を本気で怒らせたフェイクドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』

俳優・ホアキンへのリスペクトが一瞬にして崩れ去るのが、実際に「アイツは狂った」「彼のキャリアは終わった」とボロクソに言われた問題作『容疑者、ホアキン・フェニックス』だ。ある意味、彼のどんな作品よりも観ていてキツくなる内容で、大勢の知人や友人をガチで騙す、一番狂っているホアキンを(フェイク)ドキュメンタリーという逃げ場のない形で見せる。

『容疑者、ホアキン・フェニックス』
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価格:1,800円+税
販売元:株式会社トランスフォーマー
© 2010 Flemmy Productions, LLC

そもそも、当時キャリアの絶頂にあったホアキンが、いきなり「俳優を引退する」と公に宣言したのだから大騒ぎにならないわけがない。しかも俳優を辞めて「ラッパーになる」と言うのだから、笑えない冗談である。ドクター・ドレーやリック・ルービン、パフ・ダディにプロデュースを依頼して……なんて話まで出てくるが、「俺が目指すのは『ボヘミアン・ラプソディ』をラップで歌う詩人」と言われたモス・デフのドン引き顔も、さもありなんだ。

『容疑者、ホアキン・フェニックス』© 2010 Flemmy Productions, LLC

作品内の言動は完全にラリっているようにしか見えないし、どこまでが演技なのかわからないのがまた怖い。本来ならば、これでハリウッドを干されても不思議ではないレベルの騒動だったし、「超めんどくさい奴」と言ってしまえばそれまでだが、見事に復活してみせたと言えるし、このイメージが現在の彼の独特な立ち位置を確立したと言えなくもない。

『容疑者、ホアキン・フェニックス』© 2010 Flemmy Productions, LLC

とにかくキャストは地味に豪華で、特にベン・スティラーはガチで心配したぶん嘘だと分かってマジギレしたらしいので、そのあたりのギスギスした空気も堪能していただきたい迷作だ。

『ビューティフル・デイ』『容疑者、ホアキン・フェニックス』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2020年2月放送

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ビューティフル・デイ

ホアキン・フェニックス主演。カンヌ映画祭脚本賞&男優賞に輝くスリラー。元軍人で冷徹な人捜しのプロが、思いがけない事件に巻き込まれる様を描く。
行方不明者の捜索を請け負うスペシャリストのジョー。人身売買や性犯罪の闇に囚われた少女たちを何人も救い出した彼は、その報酬で年老いた母親と静かに暮らしていた。ある日、州上院議員のヴォットから、十代の娘ニーナを裏社会の売春組織から取り戻してほしいという依頼が入る。

制作年: 2017
監督:
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  • 映画
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