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スチャダラANIがジャケ買いしたブラックムービーのサントラと、ソウルフルな映画『ルディ・レイ・ムーア』

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スチャダラANIがジャケ買いしたブラックムービーのサントラと、ソウルフルな映画『ルディ・レイ・ムーア』
『ドールマイト』サウンドトラック(筆者私物)

どうもアニです。

Netflixオリジナルで、ルディ・レイ・ムーアの半生がエディ・マーフィ主演で映画化されたんですね。

コメディアンとして、ネタを吹き込んだレコードを何枚もリリースして、“King Of Party Records”と呼ばれてた彼が、初主演作『ドールマイト』(1975年)を作るまでの話が映画になってるんですが、いやぁ、こんなのまで映画になるなんてすげえな、という感じですよ。

サントラ盤のジャケでしか見たことのなかったソウルフルな映画たち

『ドールマイト』サウンドトラック(筆者私物)

レコード買うのが趣味なんで、何年か前に『ドールマイト』のサントラも買って持ってるんですが、ジャケもヤバイし中身も良かったので、どんな映画なんだろと思ってたら、まさかの日本盤DVDが出たんですよね。ルディ・レイ・ムーアの主演作がまとめて。『ドールマイト』はもちろんですけど、個人的には『ディスコ・ゴッドファーザー』(1978年)という作品が好きです。オープニングがとにかくヤバい。

80年代後半くらいからラップミュージックにハマったんですけど、ちょうどその頃に昔のソウルやファンクのレコードからドラムのブレイクやベースだけの部分をサンプリングして、ループして曲を作るというのが流行りだして、そういうドラムブレイクが入った曲だけを集めたレコードも出だしたりして、日本にも入ってくるようになりました(有名なのはULTIMATE BREAKS & BEATSシリーズ)。

そして、イギリスではそういうネタになるような曲が“レアグルーヴ”と名付けられてリイシューされるようになったり(Jackson Sistersの「I Believe in Miracles」とか)、そういう時代の流れをもろに受けたので、中古レコードを買うのが習慣になったんですけど、当初は欲しいんだけど、何にどの曲がはいってるとかの情報はほぼなかった。なんとなくジャケットから中身を推察するしかなかったから、とりあえずブラックムービーのサントラはジャケットからして、なんかありそうな感じが滲み出てた気がしたので、その頃からよく買ってたんですよ、『黒いジャガー(原題:SHAFT)』(1971年)なんかから。

その頃は、まだそういうソウルとかのブラックミュージックを扱うレコード屋にもヒップホップ的な視点(サンプリングネタに使われてるとか)というのも、まだそんなになかったので、なんとなく勘で買うしかないんですよ。

ブラックミュージックレコード(筆者私物)

ジャケットがヤバいからとりあえず買ってみる、というのを最初の方は繰り返してた中でいろいろ分かってくることがあったり、人に聞いたりとかで、徐々に分かりだしてたんですね、当時は。

ブラックミュージックレコード(筆者私物)

そうこうしてるうちにサンプリングネタに特化したレコード屋とかも増えだして、レコード探すのは楽になったんですけど、ジャケットは見たことあってもどういう映画なのかは全く知らないし、見れることもないだろうと思ってて。そしたら、90年代半ばにクエンティン・タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』(1997年)が公開された。

そのおかげで、主演のパム・グリアの過去の主演作『コフィー』(1973年)や『フォクシー・ブラウン』(1974年)等がリバイバルというか再評価されて、その流れで70年代ブラックスプロイテーション・ムービーのビデオが再発されたり、日本でも『コフィー』なんかが劇場で公開されたりしたんで、ジャケットしか知らなかった映画が見れるようになったんですよ。

そうなると、もっとマイナーな、もっとB級なものを求めていくのは世の常というか、マニアの性質というか。で、ルディ・レイ・ムーアにまで行き着いたんじゃないでしょうか。

なぜ黒人はカンフーが好きなの? 香港映画の黄金期を築いた<ショウ・ブラザーズ>

そういえば『ドールマイト』はウータン・クランのオール・ダーティ・バスタード(通称ODB)の「Got Your Money」のビデオに大々的にフィーチャーされてて、ラップ好きの間ではちょっと話題になりました。

そしてウータン・クランといえば、彼らがもの凄い影響を受けたと言われてる<ショウ・ブラザーズ>のカンフー映画がNetflixに大量に追加されました(※2020年1月時点)。『少林拳対武当拳』(1980年)とか、1stアルバム「Enter the Wu-Tang (36 Chambers)」のタイトルの元になった『少林寺三十六房』(1977年)なんかが。

ウータン・クランのリーダー、RZAはカンフー好きが高じて『アイアン・フィスト』(2012年)という映画を作りましたね、ショウ・ブラザーズのノリ全開の。

ショウ・ブラザーズの映画って、当時はあんまり日本にも入って来なかったらしいです。ジャッキー・チェンを見慣れた我々にはなかなか新鮮なので、お時間あったら是非ご覧になってみてください。

文:ANI(スチャダラパー)

『ルディ・レイ・ムーア』はNetflixで独占配信中

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『ルディ・レイ・ムーア』

70年代のLAでくすぶっていたコメディアンのルディ・レイ・ムーアだが、とことん下品に演じたキャラ"ドールマイト"が大当たりし、彼主演の映画製作にすべてを懸ける。

制作年: 2019
監督:
出演: