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イモータン・ジョー&ヒューマンガスが日本降臨! ウォー・ボーイズのエースが銃さばきを直伝!! 「マッドマックス・コンベンション2019」

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ライター:#BANGER!!! 編集部
イモータン・ジョー&ヒューマンガスが日本降臨! ウォー・ボーイズのエースが銃さばきを直伝!! 「マッドマックス・コンベンション2019」
「マッドマックス・コンベンション2019」

「MMcon」― それはファンならば絶対に参加するべき超豪華イベント!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』©2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

伝説の近未来バイオレンスアクション映画『マッドマックス』40周年! 日本を含む世界中で愛され続けている人気シリーズのファンイベント「マッドマックス・コンベンション2019」が、2019年11月14日から4日間にわたって東京~神奈川~静岡にて開催された。

「マッドマックス・コンベンション」通称「MMcon」は、日本を代表する『マッドマックス』フリークとして知られる<マクラウド>が発起人となり<MMC実行委員会>とともに主催しているファンイベント。毎年『マッドマックス』に関連するゲスト(キャスト・スタントマン・スタッフ等)を日本に迎えて交流するという、ファン垂涎のイベントだ。

過去最大規模で開催された「MMcon2019」は、まず『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)のエース役兼ミリタリー・アドバイザーであり、水中工作員/スペシャルフォースとして海軍に30年所属したというジョン・アイルズ氏を迎えた、スペシャル・ワークショップからスタートした。

ジョン・アイルズ

『怒りのデス・ロード』でお馴染みのエースがハリウッド裏話を披露!

『マッドマックス』の熱狂的なファンに拍手で迎えられたアイルズ氏のトークショーは、実際にご本人が撮影した写真や動画を多数投影し、さらにはモデルガンを使用して目の前でデモンストレーションまで披露してくれるという、いきなり濃厚な内容。アイルズ氏は随所でジョークを交えるなど優しい語り口が印象的だったが、自己紹介がてらサラッと披露された写真や動画は、水中やアフガニスタンでの地雷除去など命の危険を伴う物騒な任務のモノばかりであった……。

『マッドマックス』のファイト・コーディネーターとスポーツジムで出会い、ミリタリー・アドバイザーとして参加することになったというアイルズ氏。実はDCコミック映画『スーサイド・スクワッド』(2016年)にもアドバイザーとして参加しており、ウィル・スミスらにも指導したという。

『スースク』のあるシーンでは3週間かけて一つのスタントを練習したそうだが、「『マッドマックス』で難しいのは、このアクションをすべて乗り物の上でやらなければいけなかったこと」と、あのド迫力のカーアクションシーンの難易度の高さと比較しつつ説明してくれた。

『スースク』では主演のウィル・スミスにすべての銃器の扱いを教えるのに要した時間は6週間だったそうで、ウィルと共にトレーニングしている動画も披露。ウィルの失敗シーンでは「デッドショットを演じた彼も人間でした」と、オチまでつけて笑いを誘う。また、ミリタリー・アドバイザーとしてデッドショットの衣装のホルスター位置なども確認し、正しく調整するのも仕事のひとつだったと教えてくれた。

もちろん、プロの兵士ではない俳優たちが「プロとしての動き」ができるよう指導するのも、ミリタリー・アドバイザーとして大切な仕事である。まず“演じるキャラクターが何のための動きをしているのか俳優自身が理解しているように見せる”ことが重要だが、実際の軍の動きをそのまま教えてしまうとカメラで捉えきれないスピードになってしまうため、「撮影できるスピードで教えるのも大事」と知られざるコツも解説。とにかく『スーサイド・スクワッド』だろうと『マッドマックス』だろうと必要なのは「練習練習練習!」とのことで、観客には想像もつかない“裏側の努力”が映画を作り上げていることが理解できた。

本業はミリタリー・アドバイザーのエースが銃の構え方をレクチャー!

ということで、なんと各々モデルガンを持参したアツいファンたちに、アイルズ氏自らミリタリーベストとホルスターを着用して、軍隊仕込みの銃の扱い方をレクチャーしてくれることに!

「一応、本物の銃でないか確認します」と言うと会場は笑いに包まれたが、実はこれもミリタリー・アドバイザーとしての仕事らしい。すべてがモデルガンだと分かると「ふぅ!」と、お茶目に安心して見せてくれた。

ちなみにホルスターが膝に近い位置にあると、走るときにホルスターが回って脚に当たってしまうため、従軍経験がないことがバレてしまうんだとか。また、映画の公開年によって銃の構え方も異なるそうで、第一次~二次世界大戦では敵に体の横を向けて構えたが、ベトナム戦争以降は正面を向くようになったという。その理由として「防弾チョッキが発明されたから」と、単なるアクション映画好きには知り得ない情報まで教えてくれた。

いよいよレクチャーが始まると、まずはロングガンを使ったデモンストレーションへ。手始めに基本のマガジン(弾倉)と銃の持ち手から、マガジンを交換するときには指がサイドに当たるようにすれば手元を見ずにセットができる、と実践。アイルズ氏の流れるような銃さばきに、会場からはどよめきが起こる。そして素早いマガジン交換に欠かせない、手首のスナップを利用して空になったマガジンを弾き飛ばすワザも披露。こちらは『スーサイド・スクワッド』でもウィル・スミスが披露していたのが記憶に新しい。

そしてロングガン(大型銃器)は常に肩に当て、小さい歩幅で全体を見据え、肘は内側に入れて歩くという軍隊の基本動作をレクチャー。まず映画撮影では必ずこの動きから教え、それから演技指導に入るそうだ。

モデルガンを手にした途端、アイルズ氏のミリタリー魂に火が点いたのか、そこから怒涛のトレーニングがスタート。銃を構えてから下ろす「アップ! ストップイット!」の合図で、会場は一気に『フルメタル・ジャケット』のような雰囲気に! しかし、そこはサービス精神旺盛のアイルズ氏、ちょっとしたミスや笑いも挟みつつ、同じトレーニングを受けた(であろう)ハリウッドスター気分を味わえる、貴重な時間となった。

なおハンドガンを持つときは、左手70%:右手30%の力加減がベストらしい。今後この知識が必須になるかどうかはさておき、いずれ世界がマッドマックス化したときに備えて覚えておくに越したことはないだろう。

最後は会場内のついたてを利用し、物陰から突入するシーンのデモンストレーションを披露。あまりの迫力に一瞬で会場内の空気が張り詰めたが、実際、俳優たちにもその場の空気をコントロールする術を教え込むという。

ここでアイルズ氏は、思い出したように「みなさん『マッドマックス』の話も聞きたいですよね」と切り替え、拍手喝采でデモンストレーションは終了した。

『怒りのデス・ロード』撮影秘話やウォー・ボーイズこぼれ話をご開帳!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のエースというキャラクターが生まれた経緯だが、スタントマンたちのトレーニング中に、ジョージ・ミラー監督と「君がこの役をやるんだよね?」「それはあなたの判断にまかせます」という会話が交わされ、その結果エースが誕生したとのこと。エースはフュリオサの部下という設定もあって、毎回激しく砂埃を浴びながら2か月間トラックの横に立ち続けたという。実は、実際の車は最高でも30キロ程度の速度で撮影されていたらしい。その映像をド迫力な映像に見せるのも製作マジックなのだ。

『怒りのデス・ロード』ではほぼCGを使っていないそうだが、砂漠の中で繰り広げられる車とバイクによるスタント、そしてイモータン・ジョーが支配する洞窟内でスタントマンが次々とこちらに走ってくる演技の練習動画を見ながら、「スタントマンにご飯をあげないとこうなります」と、軽くジョークを飛ばすアイルズ氏。

楽屋での様子を捉えた写真も披露してくれたが、身体に腫瘍があるという設定のエースは特殊メイクに毎回3時間かかり、朝の3時にはメイク台に座っていたそうだ。撮影後、シリコン製の腫瘍を取る手伝いをしてくれたという息子さんとの一枚は、作品からは想像できない微笑ましさだった。

クラッシュシーンでは毎回、顔や体中に破片が飛んでくるため、スタントマンにしかできなかった等々、壮絶な裏話を披露するたびに会場からどよめきが起こったが、すかさず「そのぶん請求しているから大丈夫」と、笑いを取りにいっていたアイルズ氏。そして大いに盛り上がったのは、撮影に使用された乗り物の写真の一挙披露! 会場からは「アルバムでほしい!」「カッコいい!」という声が上がっていた。

同作は当初、各車のテストをしたオーストラリアのブロークンヒルで撮影も行うはずだったが、テスト後に雨が降ってしまい砂漠が一面お花畑になってしまったため、仕方なく撮影場所をナミビアに移したという、ちょっとかわいい裏話も。

また、あまり詳細が出てこないウォー・ボーイズたちのメイクについては、フュリオサら黒いメイクをしているのは健常者のリーダーで、エースは体に腫瘍はあるが下っ端でもないのでシルバー、という区分けがあったという。映画内では説明されなかった裏設定が他にもまだまだたくさんありそうだ。

ちなみにアイルズ氏ご自身の給与明細によると、エース役、ミリタリー・アドバイザー、シャーリーズ・セロンのセキュリティガード、スタント・ドライバーの4役をこなしていたらしい。「5時に撮影が終わって、2時間寝て、8時から翌8時までパトロールしていました。でも、その分お金をもらえました(笑)」と笑っていたが、どれだけタフなんだ! という話である。

さらなる裏話として、夜中に自宅の窓に石を投げられたというシャーリーズから電話があり、その犯人に向かって「(石を投げるのは)やめてください」と銃口を向けながら優しくお願いしたというから驚き。お願いしているのか脅迫しているのか分からないアイルズ氏のマル秘トークに会場は爆笑だったが、ご本人は「撃ってないから優しいでしょう?」と、いたって平然としていた。

他にも様々な裏話を披露してくれたアイルズ氏だが、あっという間に予定時間いっぱいに。惜しまれながらもお開きとなり、詰めかけた『マッドマックス』ファンたちによる割れんばかりの拍手で幕を閉じた。

イモータン・ジョーやヒューマンガスら重鎮キャストが一挙来場!

しかし、これだけでは終わらないのが「マッドマックス・コンベンション」である。なんと、そのまますぐに会場を変えて、歴代のレジェンドキャストたちも登場する「スペシャル・パーティ」に突入した!参加人数限定パーティーのためゆったりとしたスタートとなったが、スペシャル・ゲストとして『マッドマックス』の大ファンであり、バトルスーツまで自作するほどのオタクぶりで知られる関根勤氏が登場!

関根勤、マクラウド代表 白石知聖

マクラウド代表・白石さんも「まさか本当に来て頂けると思わなくて……」と恐縮しきりだったが、『怒りのデス・ロード』に度肝を抜かれたという関根さんは、「30代、40代の監督は脂が乗りきっていてものすごい映像を作るけど、普通の監督は年を取るたびに丸くなって情緒的になるはずなのに、ジョージ・ミラーさんだけは前よりパワフルになっていく。70代であんなことができるなんて普通じゃない!」と、フランクに本作の魅力を語った。

関根勉

そんな関根氏が一通りマッドマックス愛を語りつくした後、さらなるスペシャル・ゲストが呼び込まれた。そこに登場したのは……

(左から)
シェル・ニルソン(『マッドマックス2』ヒューマンガス役)
スティーヴ・ビズリー(『マッドマックス』ジム・グース役)
デイル・ベンチ(『マッドマックス』スタントライダー)
ティム・バーンズ(『マッドマックス』ジョニー・ザ・ボーイ役)
ポール・ジョンストーン(『マッドマックス』カンダリーニ役)
ジョン・アイルズ(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』エース役 兼 ミリタリーアドバイザー)
ヒュー・キース・バーン(『マッドマックス』トーカッター役/『マッドマックス 怒りのデス・ロード』イモータン・ジョー役)
関根勉

という、錚々たる面子! ブルーのジャージ姿のヒュー・キース・バーン氏をはじめ、全員が劇中での印象とはうって変わってニコニコと笑顔で登場。これには関根氏も「うわぁ、これはすごいなぁ!」と感嘆の声を漏らしていた。

ジョン・アイルズ、ヒュー・キース・バーン、関根勤

関根氏が「『怒りのデス・ロード』の砂埃は、どんな感じだったんですか?」と質問すると、すかさずヒュー・キース・バーン氏は「私はずっとホテルの部屋で待っていた」と、まさにイモータンな回答。

その後は全員で乾杯をし、しばしの歓談タイムへ。ヒューマンガスとイモータン・ジョーが同じ空間で寿司をつまむ……という、異様な光景が広がっていた。

ヒュー・キース・バーン

その途中、とっても器用な参加者の1名が自作したバックルなどが贈られるプレゼントじゃんけん大会が始まると、なんとヒューマンガス様ことシェル・ニルソン氏も参加!

勝者に『怒りのデス・ロード』オーストラリア版ポスターをプレゼント! というところで、なんとヒュー・キース・バーン氏とジョン・アイルズ氏が直筆サインを施しに登壇。ただでさえ貴重なポスターをさらなるプレミアものにしてくれるという、お2人の男気が垣間見えた瞬間だった。

ポスターに直筆サインをするジョン・アイルズ、ヒュー・キース・バーン

驚くほどフランクにファンと交流をし、写真撮影にも気軽に応じてくれるという、日本以外では考えられない贅沢体験ができた「MMcon」。

なお、11月15日には『マッドマックス 怒りのデス・ロード』上映とゲスト登壇イベントが、11月17日には静岡県・ふじさんめっせを舞台に、インターセプターをはじめ数々の車両やバイク、そしてサンダードームまでも登場した大規模イベント「MMcon2019新富士」が開催。ふじさんめっせにはコスプレイヤーも大集合し、その場にいた全員が「ヴァルハラは静岡にあったのか……」と天を仰いだであろう盛大なイベントとなった。一気に写真で堪能いただこう。

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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

石油も水も尽きかけたMADな世界。生き残りたいなら走り続けろ。
サイコーにMADな映画がやってくる。始まったが最後、息つく暇は微塵もない。ノンストップ、ハイスピードの二輪、四輪入り乱れる驚愕のカーバトルが、異常なまでの興奮を巻き起こす!

制作年: 2015
監督:
出演: