実録マフィア映画の集大成! デ・ニーロほか超豪華スコセッシ組にパチーノ合流!『アイリッシュマン』

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ライター:BANGER!!! 編集部
実録マフィア映画の集大成! デ・ニーロほか超豪華スコセッシ組にパチーノ合流!『アイリッシュマン』
Netflix映画「アイリッシュマン」11月27日より独占配信開始

デ・ニーロ、パチーノ、ペシ、カイテル! スコセッシ作品で夢の競演

全米を揺るがした失踪事件の真実が綴られた原作小説をもとに、ある殺し屋の栄華と転落の物語をマーティン・スコセッシが描いたNetflixオリジナル作品『アイリッシュマン』。ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテルら同時代に切磋琢磨してきた名優たちが集結した、巨匠スコセッシによるマフィア映画の集大成と言うべき3時間超の大作だ。

Netflix映画「アイリッシュマン」11月27日より独占配信開始

本作は、実在した殺し屋フランク・シーランの回想という形で、1975年にアメリカで実際に起こったジミー・ホッファ失踪事件に至る顛末を描いていく。つまり年老いたフランクが最初に登場し、まだ一応カタギだった若かりし時代に遡るわけだが、とりあえず特殊メイクとCGで作り上げた若デ・ニーロの姿に感動(もっさり体型だし動きも緩慢ではあるが)。デ・ニーロ76歳、パチーノ79歳、ペシ76歳、カイテル80歳……当然ながら激しいアクションシーンはほとんど無いものの、彼らが同じ画に入っているというだけで何時間でも観ていられそうなコクが生まれている。

ある程度はデ・ニーロ演じるフランク・シーランが説明してくれるのでストーリーを追うのに必須の知識は特にないが、マフィアの流儀については『グッドフェローズ』(1990年)『カジノ』(1995年)で、あとは1950~70年代のアメリカ社会、ジミー・ホッファの人物像、そしてケネディ一家との確執などを少し予習しておくと物語に集中できるはずだ。

かつてケネディ大統領に次ぐ影響力を誇った男、ジミー・ホッファ

タイトル通りフランク・シーランはアイルランド系移民の子だが、マフィアのボスであるラッセル・ブファリーノ(ジョー・ペシ)に気に入られて、ピンハネや殺しなどの汚れ仕事を引き受けることで組織内で存在感を強めていく。これまでのスコセッシ作品ならばその様子を苛烈に描くところだが、仏頂面で淡々と“作業”をこなしていくフランクは、まるでブラック企業の社員のよう。ともあれ、その過程でジミー・ホッファ(アル・パチーノ)と知り合い、やがて彼の信頼を得て家族ぐるみの付き合いをするまでになっていく。

Netflix映画「アイリッシュマン」11月27日より独占配信開始

ジミー・ホッファは若い頃から強気なストライキで経営者たちと戦い、持ち前のカリスマ性で全米のトラック運転手が加盟する労働組合のトップに君臨した男である。トラック、つまり物流を牛耳ることで政界にも融通が利くほど巨大な権力を手にしたホッファだったが、その裏では組合員たちから徴収した年金を独自ルートで運用し、マフィアと結託して莫大な利益を得ていたことが発覚。ケネディ大統領と弟のロバート・F・ケネディ司法長官の追求によって、ついに逮捕・投獄されることになる。

当時ホッファ失踪は相当デカい事件だったようで、ジャック・ニコルソン主演の『ホッファ』(1992年)をはじめ何度か映画化されているので、原作本と併せて予習or復習するのもアリ。ちなみに、本作のホッファは『スカーフェイス』(1983年)のトニー・モンタナばりに「ファッキン◯◯!」を連発するめんどくさい男で、社畜なフランクとの対比が面白い。

デニ・パチのパジャマ・パーティが見られるのは『アイリッシュマン』だけ!

寡黙な仕事人デ・ニーロ、豪胆なカリスマを放つパチーノ、静の存在感で裏社会を体現するペシ、そのさらに一段上からピリッと口添えするカイテルはそれぞれ独自の迫力を漂わせていて、このキャストを揃えたスコセッシの本気度が伺える。しかし、ジミーとフランクがパジャマ姿で密談する寝室のシーンなどは、寝落ちするパチーノ含め爺萌えを狙っているとしか思えない愛おしさ。一方、ブファリーノ・ファミリーを率いるラッセルはフランクをフックアップした恩人ではあるが、2人のシーンは基本的に緊張感が漲っていて、マフィアの暗黙のルールの厳しさを醸し出している。

Netflix映画「アイリッシュマン」11月27日より独占配信開始

また、フランクの娘ペギーが一貫してカタギの視点を引き受けていて、彼の悪行の数々に観客が麻痺しないように作用している。仕事も人間関係も受け身でこなしてきたのに、娘の気持ちだけは引き寄せられないフランクのしょんぼり顔が妙に悲しい。

重量級メンツだけに3時間半がアッという間! とはいかない濃厚さだが、なぜかもっとこの世界に浸っていたくなる不思議な魅力も湛えている。もし『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』(1999年~)でトニー・ソプラノを演じたジェームズ・ガンドルフィーニが存命だったらキャスティングされていたかも? と考えると少し惜しい気持ちになったが、主人公たちの末路は哀愁どころじゃないほどキビシい展開なので、ぜひ豪華メンツによる“マフィアの終活”を劇場で、そして自宅で何度でも堪能しよう。

『アイリッシュマン』は2019年11月27日(水)よりNetflixで独占配信

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『アイリッシュマン』

20世紀の名立たる悪人たちと関係していた元軍人の暗殺者フランク・シーラン。彼の視点から描かれるのは、今なお未解決とされる労働組合指導者ジミー・ホッファの失踪事件。巨大な組織犯罪と、その背後でうごめく権力争いや政権との繋がり…。第二次世界大戦後のアメリカの闇の歴史を、数十年にわたって紐解いていく。

制作年: 2019
監督:
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