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ゴッホを気遣う神父役を好演! マッツ・ミケルセンが語る『永遠の門 ゴッホの見た未来』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ゴッホを気遣う神父役を好演! マッツ・ミケルセンが語る『永遠の門 ゴッホの見た未来』
『永遠の門 ゴッホの見た未来』マッツ・ミケルセン

『永遠の門 ゴッホの見た未来』の公開日である2019年11月8日(金)は、マッツ・ミケルセン作品が大量投下される一日。主演作『残された者-北の極地-』公開、世界中のゲームファン及びマッツファン注目のゲームクリエイター小島秀夫による『DEATH STRANDING』発売など、まさに“マッツの日”の名にふさわしい日である。

本作は新表現主義の画家であり、『バスキア』(1996年)監督でもあるジュリアン・シュナーベルがメガホンを取り、ウィレム・デフォーが晩年のゴッホ本人と見紛うほどの演技を見せた一作だ。マッツの出演シーンはお世辞にも多いとは言えないが、アップ多めで印象的な神父役を演じている。

「監督はゴッホの視点で彼の内面を描こうとした。それはとても詩的なアプローチ」

―完成した映画をご覧になって、いかがでしたか?

とても誇りに思います。短いシーンでの出演でしたが、素晴らしい脚本だったので参加させていただきました。ウィレム・デフォーはゴッホ役にぴったりで、とても似ているよね。そして、素晴らしい演技でした。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

―ゴッホの人生ついては、どういった印象をお持ちですか?

彼の人生がどんなものだったかは、誰もわからないですね。ジュリアン・シュナーベル監督はゴッホの靴を履いて、ゴッホが見てきた情景を描こうとしました。ゴッホの人生を客観的に見るのではなく、彼になりきって、もっと内面的なものを描こうとしたんです。ゴッホが歩いた道のりを自らが体験して、彼の心情を解き明かそうとする。それは、とても詩的なアプローチですね。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』マッツ・ミケルセン

―本作の神父役を引き受けた理由は?

シュナーベル監督は、ふたつのパートの役を僕にオファーしてくれました。私は「ありがとうございます、ぜひ引き受けたい。」と答えて、神父役としてひとつのシーンに出演することになりました。とても美しいシーンでしたね。ゴッホ自身は自分のやっていることが正しいと信じていて、私が演じた神父は「その考えは間違っているんだ」とゴッホを説得するのですが、神父は悪意を持って説得しているのではなく、本当にゴッホのことが心配だったんです。ゴッホが錯乱してしまい、さらに人生を無駄にしてしまっていると感じたから。とても美しく、重要なシーンでした。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

「ウィレムは素晴らしい俳優。映画界のレジェンドと仕事ができて光栄」

―ウィレム・デフォーとの共演はいかがでしたか?

素晴らしい俳優で、レジェンドですね。役者を始める前……私がその前にやっていたダンスを始めるよりも前に、デンマークの映画館でウィレムが出演している映画をよく観ていました。色んな作品を観ましたよ。映画界のレジェンドと仕事ができて、とても光栄でした。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

―デフォーとの共演シーンはどのように撮影したのでしょうか?

長い時間をかけて、色々と形を変えて撮影しました。カメラをいくつか置いたクラシカルな手法がほとんどですが、手に持ったカメラに話しかけるような撮影方法もありました。演技しているときに前後に人が居て、とても興味深い撮影でしたね。

―撮影地は南フランスですか?

そう、南フランスのアルルです。シュナーベル監督は、実際にゴッホが訪れた場所を撮影に使おうと思っていて、彼が精神病院に入っていた場所で撮ったんです。病院の周辺は当時と変わらない風景でしたよ。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

―ジュリアン・シュナーベル監督は独創的な撮影手法を用いる監督ですが、撮影に参加されてみていかがでしたか?

とても好きな監督です。とても変わった手法を取りますが、説得力のある物語を描きます。どういう演出をすれば自分が思い描いたイメージの画を撮れるのか、分かっているんです。他の監督も同じようなスキルを持っているとは思いますが、(画家でもある)ジュリアンには画家の視点があります。彼のヒーローでもあるゴッホに、命を宿したかったんでしょう。画家の人生を描くのにベストな監督だと思います。特殊なアプローチで、客観的にではなく、ゴッホの目線でこの物語を描いていましたから。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

「ジュリアン監督は本物のアーティスト。残念ながら僕に絵の才能はなかったけれど」

―劇中で使われた絵画は、監督が自ら描かれたものと伺いました

そうです。ジュアリアンが描いた絵を1枚貰いましたよ。ゴッホが最後に描いた作品です。私には違いがわかりません(笑)。まったく同じように見えましたね。ゴッホの自画像も描いていました。ゴッホが耳を切り落としたときに描いた有名な作品です。その時は、ゴッホを演じたウィレムをイメージして描いていましたね。素晴らしかったです。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

―ジュリアン監督の絵画をご覧になったことはありましたか?

巨大な絵画を見せてくれました。ジュリアンは本物のアーティストです。私が想像できないような、様々な手法を持っていますね。

―マッツさんも絵を描かれますか?

少し挑戦したことはありますが、残念ながらできないですね。誰でも学べばできるようになるのは知っているんですが。私はコミックの大ファンで、自分でも描いてみたいと思うんですが、残念ながらその才能はなかった。コミックを描くのが得意な友人がいるので、何か物語が浮かんだときに描いてもらっているんです。そんなことをよくやっていますね。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』© Walk Home Productions LLC 2018

―好きな画家はいらっしゃいますか?

ゴッホが一番好きです。素晴らしい画家ですよ。とても心を打たれました。その当時、誰も描いたことがない作品を生み出していました。ゴッホのことを詳しく知っているわけでないのですが、これまで出会った彼の作品には感動しました。

―日本で美術館には行かれましたか?

まだ行けていないんです。今日、妻が美術館に行っていますから、後でレポートしてくれるでしょう。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』マッツ・ミケルセン

―『永遠の門 ゴッホの見た未来』を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。

日本の皆さん こんにちは! マッツ・ミケルセンです。ウィレム・デフォーや私が出演している『永遠の門 ゴッホの見た未来』が、2019年11月8日から公開されます。とても面白い映画なので、ぜひ劇場でご覧ください。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』は2019年11月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:“北欧の至宝”マッツ・ミケルセン」にて来日密着特番 、『偽りなき者』 2019年11月放送

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『永遠の門 ゴッホの見た未来』

生きているうちに誰にも理解されなくとも、自分が見た<世界の美しさ>を信じ、筆を握り続けたフィンセント・ファン・ゴッホ。不器用なまでに芸術と向き合った孤高の画家は、自らの人生を通して何を見つめていたのか――。

制作年: 2018
監督:
出演: