カオスな70年代NYを疾走!知られざる名作アクション『ジャグラー/ニューヨーク25時』の貴重TV放送を見逃すな
『ジャグラー/ニューヨーク25時』を知っているか?
深刻な財政危機や都市の荒廃に直面する一方で、ディスコやパンク、ヒップホップといった現代に続く数々のカルチャーが花開いた、1970年代後半の米ニューヨーク。そんな“激動の時代”と呼ぶべきカオスなNYで撮影されたのが、映画『ジャグラー/ニューヨーク25時』だ。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
本作のあらすじはいたってシンプルで、愛娘を誘拐された男が体ひとつで犯人を追い詰める……というもの。監督は『乱気流/タービュランス』(1997年)のロバート・バトラーだが、『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実』(1972年)などで知られるシドニー・J・フューリー監督が、主演のジェームズ・ブローリン(ジョシュ・ブローリンの父)が撮影中の負傷から復帰した段階で降板し監督交代、という経緯がある。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
本国公開と同タイミングの1980年8月に劇場公開され、その後TV放送されたものの長らくソフト化/配信に至らず、B級アクションの隠れた名作として語り継がれてきた。そんな本作も2025年、初公開から45年を経て「4K修復版」が日本で劇場公開。カルチャー系の人気ラジオ番組でも特集されるなど大きなを集めた。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
その『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』が、このたびCS映画専門チャンネル ムービープラスで放送(※4Kをマスターとした2Kダウンコンバート放送)。劇場公開を見逃した人も、あの疾走感を再びじっくり味わいたい人も必見のTV放送に合わせて、唯一無二の魅力を振り返ってみよう。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
祝・TV放送! 映画ファンは見逃し厳禁
『ジャグラー』の魅力を超ざっくり振り返り
昼下がりのニューヨーク。シングルファザーの元警官ボイドの娘キャシーが、富豪の娘と人違いしたサイコな誘拐犯に連れ去られた。警察はアテにならず、元同僚のイカれた巡査部長バーンズからは逆に追われるハメになるボイド。都会に生きる様々な人々が入り乱れ、ノンストップの奪還劇が始まる――!
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
なんといっても本作の最大の魅力は、事件発生からラストまで一切減速することなく駆け抜ける凄まじいスピード感と、過剰なまでのエネルギーだ。理屈抜きの怒涛のチェイスが観る者をぐいぐいと巻き込み、息つく暇さえ与えない。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
さらに見逃せないのが、当時のリアルなNYをそのまま切り取ったような生々しいロケーションの迫力だ。ゴミが散乱し危険な熱気を放つ裏通りや地下鉄、雑踏の混沌など、まだ“浄化”される以前のNYが放っていた独特の猥雑さとザラついた空気感がフィルム全体に焼き付けられており、さながら犯罪都市のタイムカプセルのような迫真性を放っている。
『ジャグラー/ニューヨーク25時[4K修復版]』 ©1980 GCC Films, Inc
愛娘を取り戻すため街中をがむしゃらに疾走するジェームズ・ブローリンの鬼気迫るフィジカルな熱演だけでなく、クリフ・ゴーマンやダン・ヘダヤら彼を取り巻く狂気に満ちた登場人物たちの怪演も見逃せない。骨太で荒削りなパルプ・スリラーの面白さが凝縮された、痛快無比な一作だ。