爆音スコア!業界屈指のロックな映画音楽家のサウンドがより激しく芸術的に進化『ジョン・ウィック:パラベラム』

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ライター:森本康治
爆音スコア!業界屈指のロックな映画音楽家のサウンドがより激しく芸術的に進化『ジョン・ウィック:パラベラム』
『ジョン・ウィック:パラベラム』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ&ジョエル・J・リチャード
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-7410

愛車と亡き妻が贈ってくれた愛犬の命を奪ったロシアンマフィアを崩壊させたシリーズ第1作『ジョン・ウィック』(2014年)。思い出の我が家を爆破し、“実の姉殺し”という外道な仕事を強要したイタリアンマフィアを壊滅させた続編『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017年)。そして、裏社会の人々から畏怖の念を込めて“ババヤガ(=ブギーマン)”と渾名される伝説の殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)の闘いを描くシリーズ最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年)が2019年10月4日(金)、いよいよ日本公開となる。

『ジョン・ウィック:パラベラム』🄬, TM & © 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

進化を遂げる“ジョン・ウィック・サウンド” 作曲陣は続投!

第1作は、ジョンの愛犬に対して「たかが犬」と言い放ったロシアンマフィアを片っ端から始末していく痛快なリベンジ・アクションだった。しかし、続編が作られる度にアクションが激しさを増していく一方で、殺し屋として生きる男の因果や報いといったシリアスなテーマが描かれていくようになる。次々と明らかになる裏社会の構造や勢力図を把握し、前作で掟を破ったジョンの運命を見届けるという意味でも、この『パラベラム』は必見の作品と言えるだろう。

『ジョン・ウィック:パラベラム』🄬, TM & © 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

劇中の音楽は、これまでと同様にタイラー・ベイツとジョエル・J・リチャードが担当。同じ作曲家が継続してシリーズのスコアの作曲を手掛けることで音楽に一貫性を持たせつつ、新しい表現を取り入れて作品のテーマをより深く掘り下げた曲作りが可能となる。

彼らは第1作で「ギターロック+エレクトロニック・ミュージック」というシリーズの根幹をなすサウンドと、耳に残る不吉なメインテーマ(ジョン・ウィックのテーマ)を作り上げ、アグレッシブなスコアで超絶アクションを盛り上げた。

『JOHN WICK』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ&ジョエル・J・リチャード
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-2894

そしてジョンがローマへ向かう『チャプター2』では、古代ローマ遺跡をはじめとする本編の芸術性を高めた映像と、“血の誓印”の呪縛が音楽にも反映されるようになる。スコアの中でストリングスの音が存在感を増すようになり、ジョンがサンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)やジアナ(クラウディア・ジェリーニ)と対峙するシーンでは、前作ではあまり聴かれなかった重厚な音楽が強い印象を残した。美術館を舞台にしたクライマックスの激闘で、EDM風にアレンジされたヴィヴァルディの協奏曲第2番ト短調RV315「夏(第3楽章)」を使っていたのも新しい試みだった。

ロックな映画音楽家、タイラー・ベイツの爆音スコアが怒涛の如く押し寄せる!

そして今回の『パラベラム』では、ベイツとリチャードは前作・前々作のスタイルを継承しつつ、更なる進化を遂げた“ジョン・ウィック・サウンド”を作り出している。第1作のスコアではバラライカの音色がロシア/スラヴ的な雰囲気を漂わせていたが、これはジョンの相手がロシアンマフィアだったからという事実に加えて、実は彼自身の過去にも少なからず関係のあるものだったことが本作で明らかになる。どの時点で続編の構想があったのかは分からないが、見事な音楽的伏線の回収と言えるだろう。

『ジョン・ウィック:パラベラム』🄬, TM & © 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

音楽のアート志向はさらに高まり、オペラティックなボーカルを用いたダンス・ミュージックや、裁定人(エイジア・ケイト・ディロン)の厳かなテーマ曲、モロッコのシーンでのエキゾティックな楽曲、終盤にコンチネンタルホテルで流れるヴィヴァルディの奏曲第4番ヘ短調RV297「冬(第1楽章)」など、多彩な楽曲展開で観客を楽しませる。もちろん、あらゆる銃や格闘技、馬、刀、バイクなどを駆使したアクションシーンでも、ギターとドラムスと電子音が怒濤の如く押し寄せるエッジの効いたサウンドで、“ジョン・ウィック無双”にこの上ない興奮をもたらしている。業界屈指の“ロックな映画音楽家”タイラー・ベイツの爆音スコアを存分に楽しんで頂きたい。(タイラー・ベイツについての記事はこちら

『ジョン・ウィック:パラベラム』🄬, TM & © 2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

なお、同シリーズのエンディングテーマも少しご紹介させて頂こう。
第1作はシスカンドラ・ノスタルジアの挑発的なボーカル・パフォーマンスが冴え渡る「Who You Talkin’ to Man?」が使用されている。

『チャプター2』は反逆の逃亡者となってしまった男の哀愁を感じさせるジェリー・カントレルの「A Job To Do」が使われていた。そして『パラベラム』では、英国のオルタナティヴ・ロックバンド、ブッシュ(BUSH)がタイラー・ベイツと合作した新曲「Bullet Holes」を提供。

“ガン・フー”が炸裂する映画の世界にふさわしい曲タイトルと、ジョン・ウィックの「怒り」を感じさせる激しいサウンドが高揚感をもたらす、骨太なロック・チューンである。

文:森本康治

『ジョン・ウィック:パラベラム』は2019年10月4日(金)より公開

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『ジョン・ウィック:パラベラム』

裏社会の聖域:コンチネンタルホテルでの不殺の掟を破った伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。全てを奪ったマフィアへの壮絶な復讐の先に待っていたのは、裏社会の秩序を絶対とする組織の粛清だった。1,400万ドルの賞金首となった男に襲いくる、膨大な数の刺客たち。満身創痍となったジョンは、生き残りをかけて、かつて“血の誓印”を交わした女、ソフィアに協力を求めモロッコへ飛ぶ。しかし最強の暗殺集団を従えた組織は、追及の手をコンチネンタルホテルまで伸ばして、ジョンを追い詰める。 果たしてジョンは窮地を脱出し、再び自由を手にすることができるのか!?

制作年: 2019
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