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KOЯNのギタリスト、ヘッドのドキュメンタリーが新たな予告編を公開!「クレイジーな愛の物語」

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ライター:#BANGER!!! 編集部
KOЯNのギタリスト、ヘッドのドキュメンタリーが新たな予告編を公開!「クレイジーな愛の物語」
『Loud Krazy Love』
90年代半ばから活動するアメリカのヘヴィロックバンド、KOЯN……ではなく、そのメンバーである“ヘッド”ことブライアン・ウェルチ(ギタリスト)のドキュメンタリー作品『Loud Krazy Love(原題)』が、新たな予告編を公開した。

ヘッド自身の独白、メンバーの証言、娘との確執……

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KOЯNのブライアン“ヘッド”ウェルチのドキュメンタリー『Loud Krazy Love(原題)』の新予告編は、98年にリリースしたアルバム『Follow the Leader』収録曲「Freak on a Leash」のMVが<MTVビデオ・ミュージック・アワード>でベスト・ロックビデオを受賞したときの映像から始まる。プレゼンターがクリスティーナ・アギレラとトミー・リー(元モトリー・クルー)というところが、いかにも90年代後半な感じでアツい。

ちなみに他のノミネート作品はリンプ・ビズキット「Nookie」やレニー・クラヴィッツ「Fly Away」、オフスプリング「Pretty Fly (For A White Guy)」、そしてロックとヒップホップの両方を貶めた男ことキッド・ロックの「Bawitdaba」だった。ああ懐かしい!

続いてヘッドの娘、ジーニアが幼い頃の自分の映像を見ながら「本当にカワイイわね。父がKOЯNにいた頃の思い出ならたくさんあるわ」「そのことは、私の中の“愛”についての考え方にすごく影響した」と語るシーン。ところどころに挿入される<KOЯNの舞台裏><クレイジーな愛の物語><とある複雑な事情の家族について><バラバラになるまいと苦闘していた>というテロップが、このドキュメンタリーで何が描かれているかを示唆している。

「酒飲んで、ジョイント巻いて……」とヤバそうな状況を述懐するのは、ボーカルのジョナサン・デイヴィス。かたや「俺は新しく生まれ変わるんだ。良い人間になって、いい父親になるんだ」というヘッドの独白は、彼が2003年リリースの『Take A Look In The Mirror』以降、約8年間にわたってKOЯNを脱退していた理由だろう。娘のジーニアの「裸の女が歩きまわってたわ」という証言からも、彼らの生活がどれだけ荒んでいたか分かるというものだ。

母も「そんな急に変われるわけないじゃない?」と涙を見せるが、ジーニアは「『KOЯNを辞める。家にいる』って聞いて、私は『え? そんなこと可能なんだ!』って思った」と、一時は良い方向に進んでいるかのように思えたらしい。しかし、もう一人のギタリストであるマンキーとリード・ボーカルのジョナサンは「俺は打ちのめされてたよ」「ヤツが『神がああしろこうしろって告げるんだ』みたいなことばっかり言うから、もう……」と、不穏な状況を振り返る。

案の定「でも、すぐにまた間違った選択をしちまうんだ」と振り出しに戻ってしまったヘッド。「また暴力的になって、壁を殴って穴を開けたりしていた」「良い方に暮らしが変わるって期待したけど……」と語るジーニアも、成長するに伴い誤った人生を歩み始めてしまったらしい。父であるヘッドは「自分をコントロールできなかった。疲れ切っていた」と、聞いているだけで気が滅入ってきそうな独白を続ける。

そして「『あんたのことが憎い、嫌いだ。あんたみたいなクズ!』って言ったわ」というジーニアに続き、「お前のために全てを手放したっていうのに!」と天を仰ぐヘッドの姿が痛々しい。予告編はジェイソン・コレットの「My Daddy Was A Rock n’ Roller」をバックに、<彼は、彼女の世界そのものだった><彼女は、彼の全てだった>という言葉で締めくくられる。

KOЯNは激動の90年代末に咲いた徒花だったのか?

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正直言って、96年リリースの『Life Is Peachy』から99年リリースの『Issues』までの3年間がKOЯNのピークだろう。メンバーの離脱などを経て意欲的な作品をリリースし続けているが、00年代前後から社会問題化した音楽の違法アップロードを乗り越えたヒップホップとは対照的に、かつて“モダンヘヴィネス”と呼ばれた他のミクスチャー系バンドは2010年代までにほぼ全滅してしまった。

それでも90年代に青春時代を過ごした音楽ファンからすれば、KOЯNのメンバーを軸に当時の狂騒が垣間見られるドキュメンタリーというだけで興味をそそられるはずだ。まだネットもそこまで普及していなかった時代、テレビの深夜放送で流れたKOЯNやリンプ・ビズキットのMVはやっぱり刺激的だった。

90年代日本のメロコア~ミクスチャーバンドのバブルが、ファッションやサブカルに絡め取られたあげく地味に弾けていく末路を目の当たりにした世代にとっては苦々しい思い出がよみがえるかもしれないが、この『Loud Krazy Love』が動画配信サービス等で日本でもいち早く観られるようになってほしい。本国では2018年12月14日からケーブルテレビch<SHOWTIME>にて放送中。

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