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ブルース・ウィリスのあのシーンのマネで爆笑! 小堺一機と清水ミチコの”特殊な映画鑑賞癖”が唯一無二の名人芸を支えていた!?

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ブルース・ウィリスのあのシーンのマネで爆笑! 小堺一機と清水ミチコの”特殊な映画鑑賞癖”が唯一無二の名人芸を支えていた!?

 

2019年に開局30周年を迎えるCS映画専門チャンネル ムービープラスの記念企画として、あの小堺一機さんが毎月スペシャルゲストを招き、たっぷりと映画の魅力を語る特別番組『小堺一機のエイガタリ』を8~10月にかけて放送。8月の第1回ゲスト・船越英一郎さんに続き、2019年9月28日(土)には清水ミチコさんをゲストに招いた第2回が放送される。

予想通りと言うべきか、番組収録はお二人の映画トークに併せて数々のモノマネが炸裂し、スタジオは爆笑の渦に! そして収録後も話が止まらないお二人に、映画俳優のモノマネから、伝記映画での俳優の演技とモノマネの違いまでたっぷり語っていただきました。

「私たちはネット世代じゃないから、きっと青春時代から脳がヒマなんですよね(笑)」

―お二人は普段から映画の話はされるんですか?

清水:こういう番組の形ではないよね。

小堺:ないですね。

清水:でも、二人とも映画の“このシーンが好き”みたいな話は好きで、今もちょっとショーケン(萩原健一)の『誘拐報道』(1982年)の話をしたら、すぐに再現してくれて。

小堺:(ショーケンの真似で)「持て余しとんねや~」

清水:名シーン!(笑)

小堺:好きなんですね~、映画がね。

―今回あらためて番組で小堺さんと映画の話しをされてみて、いかがでしたか?

清水:やっぱり私、小堺さんほど映画が好きじゃないんだって分かった。ちょっと負けたと思ったぐらいに、観方が細かくて、よく覚えてらっしゃると思いましたね。“好きさ”が違う。

小堺:(笑)。いやいやいや、ミッちゃんだって、僕が観てない細かいところを観てますから。かなり好きかと思いますよ。

―映画を観る時は、モノマネすることを意識していたりするんでしょうか?

清水:そういう風には観てないと思いますけど、後で振り返って「あそこちょっとモノマネしたい」とかね、そんな感じなんですよね。

小堺:やっぱり観る時は映画ファンとして観ますね。そうすると、なんか勝手に印象に残ってるシーンとかがあるんですよ。

清水:あと私たちはネット世代じゃないから、きっと青春時代から脳がヒマなんですよね。

小堺:そうそうそう(笑)

清水:一回、映画を観るとそれがね。

小堺:頭にスポッ! って入っちゃう感じ。

―それでも、なかなか「映画のモノマネをしよう」とはならないと思うんですが。

清水:普通そうだよ。

小堺:それが普通です(笑)

清水:友達に説明する時に、口で言うよりモノマネしたほうが早い、っていうのがあったんじゃないですかね。

小堺:子どもだから語彙もなくて、口で言えないぶん体が動いちゃって、こうやって…‥(※『ダイ・ハード』(1988年)のブルース・ウィリスが銃を構えるポーズの顔マネ)。これを褒めてくれたのはミッちゃんが初めてですからね。誰もこれをブルース・ウィリスとは言ってくれなかった。

清水:そっくりだよ(笑)

「全人格をコピー」演技とモノマネの違いから本質に迫る!?

―最近は『ボヘミアンラプソディー』(2018年)や『ロケットマン』(2019年)といった伝記映画がヒットしていますが、やはり“実在のアーティストを演じる”ことと、モノマネとは違うものなんでしょうか?

清水:それは“永遠の謎”って言われてるんですけど、やっぱり俳優さんが演じた誰かと、モノマネの人が演じた誰かでは、やっぱり何か……内側のモノが違うんですかね?

小堺:多分モノマネの人って、どこかをデフォルメしたりしてるんだけど、俳優さんがやる時は“全人格”としてやっている気がしますね。モノマネでもいろんなタイプがあって、例えば今ではモノマネの主流にもなったけど、タモリさんがやってたのが「本人が言ってることじゃないんだけど、その人が言いそうなことをしゃべる」っていう。ご自身はそうは思ってないけど、最初にやったのはタモリさんじゃないですかね。

清水:寺山修司さんとかね。

小堺:タモリさんが寺山さんのマネして、「灰皿っていうのは、なんで灰皿っていうのか、自分を灰皿とは思ってないわけですよ。」って言ったら、次の週に本当に寺山さんがその話をして、みんな驚いたっていうね(笑)

清水:オリジナルを知らなくても「似てる」と思うんだもんね。

小堺:モノマネはどこかを抽出したものをやるんだけど、演技は“全人格をコピーする”みたいなことをやってるから、そこが違うのかなって。

清水:もっとなんか、(演技は)知的な感じですよね。

小堺:うん。

清水:(自分がモノマネするときは)ウケようとか、そういう“邪気”がね。

小堺:余計なこと言ったりするでしょ。

清水:今日も“落ちていくシーン”とか、いらないのにやっちゃうでしょ(※収録中に『ダイ・ハード』のビルの屋上から落ちていくシーンを二人で再現した)。私がいてよかったよ、あれ。

小堺:いや、本当。みんな「何してんだよ!?」って顔してたもん(笑)

―もし伝記映画に出演することになったとして、誰か演じてみたい方はいらっしゃいますか?

清水:演じてみたいってことは、ビッグじゃないと映画にならないもんね。私、ユーミンさんにはすごくなりたいです。でも、やっぱりモノマネかな~。モノマネなしでユーミンさんをやれって言われたら「無理です」って断るかな。

小堺:僕は日本テレビのドラマ『ゴールデンボーイズ 1960笑売人ブルース』(1993年)で、大将(萩本欽一)の若い頃を演じたんですけど、やっぱり余計なことはしなかったな。口調とかはやったけど、「ここまでやったらコントになっちゃうな」とか自然に感じて。それが良かったかどうかは分からないですけど、やってみると「これはないな」とか動物的な勘で分かるのかもね。(ミッちゃんも)ユーミンを演じるってなって、いざ「本番!」って言われたら、「あ、モノマネと違う。ここはいらない」っていうのが分かるかも。

清水:そうかも。ドラマでちょっとモノマネすると周りが引くというか、「あいつ卑怯」みたいな感じあるよね。私、ちょっとしたコントみたいな感じで、「森山良子さんで歌ってください」みたいなことをしょっちゅう頼まれるんです。「私はいいですけど、後で言われますよ」って。それで、やっぱり(放送後に)「モノマネをドラマに入れた」みたいな感じで怒る人はいますね。それがすごい不思議なんですよね。

小堺:でも本当に、なんで笑うんだろうね、モノマネって。

清水:不思議ですよね~。

小堺:わかんないよね。でも、僕らも他の人の上手いの見て笑うじゃない、面白れぇ~って。

清水:笑う。本当に似てると気持ちがいい。

小堺:でも、なんで笑うのかな? って、分からないですよね。

「これで映画を監督したら“どこに現実逃避すればいいんだ!?”ってなっちゃう」

―ちなみに、清水さんは映画監督にご興味ありますか?

清水:全然ない。女芸人同士でもよくしゃべるんだけど、男芸人が撮り始めると、もう夢の中みたいな感じですごい輝き出して、一体あんな面倒くさいことにどんな楽しみがあるんだ? って(笑)。責任も重大だし。

小堺:僕も面倒くさいと思います。役者は終わったら帰ればいいけど、監督は1本終わるまでやんなきゃいけないし。

清水:決めなきゃいけないこと、いっぱいだもんね。

小堺:いろんなこと言われてね。でも多分、自分の“桃源郷”を作れるんじゃないですか?

清水:そうみたいね。

小堺:一応、クランクアップまではそこで王様になれるんだもん。「ここが僕の好きな世界」って。

清水:俺の言う通り、俺の好み(笑)

小堺:女優さんが僕の好きな女性を演じて。こういう優しい娘で、そういう服着て、あんなメイクで。撮影が終わったら「おつかれした~」って帰っちゃってもいいんで(笑)

清水:そうだね、“究極のおもちゃ”だろうね、きっと。

小堺:でも僕はいろんな現場を見てて、テレビの監督も映画の監督もすごく大変だと思ってるから、やりたくない。

清水:あ~、見ちゃうからね。

小堺:それと、やったら娯楽がなくなっちゃう。

清水:本当だ!

小堺:そうじゃなくても好きなこと仕事にしちゃったから、これで映画を監督しちゃうと「どこに現実逃避すればいいんだ」ってなっちゃう(笑)

清水:私も映画は現実逃避とか、なんか疲れた時に癒されるとか、そういう観方をするからなぁ。(映画が)自分の何かに役立った、みたいなことはないかも。でも、小堺さんは役に立ってると思うわ~(笑)。

小堺:(笑)まあ、それもマネですよね。初めてニューヨークに行った時に、おばあさんに映画で覚えた「After you(お先にどうぞ)」って言ったら「Oh~ Thank you」って返してくれて。

清水:それは嬉しいね。

小堺:『恋におちて』(1984年)でメリル・ストリープがホットドッグを買うんだけど、「more chili, more chili」って言うんですよ、「もっとチリをかけて」って。それもマネして言ってみたら、すごく辛かった(笑)

清水:マネするからバチが当たった(笑)

小堺:メリル・ストリープってすげーなって思ったよ。

映画は話題を広げてくれるもう一人の司会者であり、みんなの距離を縮める娯楽

―第2回『エイガタリ』の収録を終えてみて、いかがでしたか?

小堺:もちろんスタッフが取材してくださって、話の元になるものはあるんですけど、映画が好きな人からはいろんなものが出てきますね。話題を広げてくれる“映画っていうもう1人の司会”がいてくれた感じです。やっぱり「あの舞台、観た?」って言っても、あんまり共通点がないじゃない。映画はもっと僕らに近い。

清水:大衆っぽいよね。

小堺:だから「あれ観たことある?」って聞いたら「あ、聞いたことある」「観たことないんだけど、面白いの?」って答えてくれる。やっぱり身近な、すごくいい娯楽なんだなって気がしました。それに加えて、女の人と男の人の映画の観方が違うのが面白いなって思いましたね。

清水:男の人は「過去を掘り下げる」ね。

小堺:資料を教えたがる人、いるよね。

清水:そうそうそう。

小堺:「この監督は初期は○○で~」とか言って。

清水:いいよ、ご飯行こうよ早く(笑)

―最後にムービープラスの視聴者にメッセージをお願いします。

清水:私は、友だちから「ムービープラス舐めんなよ!」と言われたんです。「すごくいい作品をいっぱいやってるから、絶対にチェックしたほうがいい」って。これを皆さんにも分けてあげたいと思います。

小堺:ムービープラスも30周年で、そう言ってくださるファンが増えてることが嬉しいです。これからもスタッフ一同、映画を舐めずに番組を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

CS映画専門チャンネル ムービープラス30周年特番「小堺一機のエイガタリ#2 ゲスト:清水ミチコ」は2019年9月放送

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