傑作“デスゲーム”映画の「4要素」を全て凝縮した理不尽スリラー『ロングウォーク』の見どころを深堀り
スティーヴン・キングの“幻の処女作”を実写映画化した『ロングウォーク』が、6月26日(金)より全国公開となる。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
1970年代から小説家としてデビューして以降、世に送り出した作品の数多くが映像化されてきた“ホラーの帝王”ことスティーヴン・キング。筆舌に尽くしがたいその斬新なアイデアやストーリーテリングは長年にわたり世界中で愛され、キング原作による新作映画やリメイク作品は毎年何作も発表されている。
そんなキングが“リチャード・バックマン”の名義を使用して発表した小説が「死のロングウォーク」。完成した時期的には、1974年の「キャリー」よりも前に存在していた事実上の長編初執筆作と言える。そんな伝説的作品を、『ハンガー・ゲーム』シリーズのフランシス・ローレンス監督が映像化したのが『ロングウォーク』だ。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
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全ての要素を凝縮した『ロングウォーク』の魅力
本作の舞台となる近未来社会を支配し、あまりにも過酷な“競技”を執り仕切る鬼少佐を演じるのは、『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミル。そして極限状態に放り込まれる若者たちを、クーパー・ホフマンやデヴィッド・ジョンソン、ベン・ワンら将来有望な若手俳優たちが好演している。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
「時速4.8kmを維持すること」、「下回ると警告が始まり、警告3つで即失格(即死)」、「コースから逃げても失格」、「最後の一人になるまでただひらすらに“歩け”」……ゴールすら存在しないこのデスゲームで、若者たちは何を求め、何を捨てるのか。戦慄必至、極限のデスレースの幕開けだ。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
そんな本作の公開を記念し、理不尽かつ恐ろしい“デスゲーム”を描いた傑作映画を4作ピックアップ。同ジャンルの礎となった日本のレジェンド作品から最凶ホラーアイコンを生んだ名作ホラーを振り返りつつ、それらの要素が全て凝縮された『ロングウォーク』の魅力を深堀りしてみよう。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
👉️若者たちの連帯×過激バイオレンス:『バトル・ロワイヤル』
まずは深作欣二監督が手がけた衝撃作『バトル・ロワイアル』(2000年)。公開当時、その過激な設定と容赦のない描写で大きな議論を呼びながらも、今なお世界中の映画ファンから支持されている本作は、デスゲーム映画の金字塔として語り継がれている。
物語の舞台は近未来の日本。政府が施行した「BR法」により、無作為に選ばれた中学3年生の1クラスが孤島へ送り込まれ、最後の1人になるまで殺し合いを強いられる。極限状態の中でむき出しになる友情や恋心、疑念、裏切り――。生徒たちは生き残りを懸けた壮絶な死闘に身を投じていく。
若者たちの瑞々しい青春と理不尽な恐怖を融合させた本作は、日本映画史に強烈な爪痕を残しただけでなく、世界中のあらゆるデスゲーム作品に多大な影響を与えた一作として殿堂入り級の評価を得ている。
👉️閉鎖空間サバイバル×推理×サスペンス:『メイズ・ランナー』
2015年に日本公開された『メイズ・ランナー』は、世界的ベストセラー小説を映画化したサバイバル・スリラー。巨大な壁に囲まれた謎の空間と、そこに隠された恐るべき秘密をめぐるスリリングな展開で人気を博しシリーズ化もされた。
物語の主人公は、記憶を失った状態で巨大な囲いの中に送り込まれた少年トーマス。その囲いの中には同じように集められた青年たちが暮らしており、彼らは周囲を取り囲む巨大迷路“メイズ”からの脱出を目指していた。しかし、その迷路は夜になると姿を変え、凶暴な怪物が徘徊する危険地帯と化す。トーマスは仲間たちとともに命がけで迷路の謎に挑むが……。
先の見えない閉鎖空間でのサバイバルと、刻一刻と迫りくる恐怖、そして若者たちの絆と成長を描いた本作。いわゆるヤングアダルト小説が原作だが、SFやホラー、アクションの要素を融合させた新感覚のサバイバル映画として幅広い層の観客を魅了した。
👉️格差社会×スリラー×アクション:『ハンガー・ゲーム』
2012年に公開された『ハンガー・ゲーム』は、世界的ベストセラー小説を原作とするサバイバル・アクション大作。独創的な世界観とスリリングな展開、そして社会格差を鋭く描いたテーマ性が高く評価され、世界的な大ヒットを記録した。
舞台は独裁国家パネム。富裕層が暮らす首都キャピトルに支配された12の地区では反乱への見せしめとして、そして国民の娯楽として毎年<ハンガー・ゲーム>が開催されていた。各地区から選ばれた少年少女たちを最後の一人になるまで戦わせる過酷なゲームに幼い妹の身代わりとして志願したカットニスは、生き残りを懸けた過酷な戦いの中で国家の理不尽な支配に立ち向かっていく――。
極限状態のサバイバルを描きながらも、格差社会や権力構造、メディアによる大衆操作といった現代社会にも通じるテーマを内包した本作は、エンターテインメント性と社会性を兼ね備えたシリーズとして長年愛され続けている。
👉️キング原作×最凶ホラーアイコン:『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』
スティーヴン・キングの映画化作品の中でも、最大級のヒットを記録したのが2017年公開のホラー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』だ。1990年に前後編で放送されたTV版のリメイクだが、7億ドル超の世界興行収入を記録するなどホラー映画史に残る成功を収めた。
アメリカの田舎町デリーで相次ぐ子どもの失踪事件に不安が広がる中、孤独や悩みを抱えた少年少女たちが、それぞれの前に現れる“恐怖の存在”と向き合うことに。その正体は、赤い風船を持ったピエロの姿で子どもたちを誘う邪悪な存在“IT”。仲間たちは“それ”の恐怖に立ち向かいながら、町に隠されたおぞましい秘密へと迫っていく。
生理的な恐怖を誘う不気味なホラー演出で観客を震え上がらせるのと同時に、名作『スタンド・バイ・ミー』よろしく子どもたちの友情や成長を描いた本作は、キング作品の魅力を存分に体現した傑作としてホラー映画史に刻まれることとなった。
傑作群の要素が凝縮された最新作『ロングウォーク』の魅力
『バトル・ロワイアル』のデスゲームを通して育まれる絆、『メイズ・ランナー』の終わりなき閉鎖空間での極限サバイバル、『ハンガー・ゲーム』の格差社会への挑戦、そして『IT/それが見えたら、終わり。』に通じるキング原作ならではの恐怖――そのすべてを内包しているのが『ロングウォーク』だ。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
前述のとおりフランシス・ローレンス監督は『ハンガー・ゲーム2』から『ハンガー・ゲーム0』までを手がけており、今回も半世紀にわたり映像化不可能とされてきた伝説的小説の映像化を見事に実現してみせた。原作発表時から大きく変わった背景と、いまだ変わらぬ根深い現実が、どう表現されているのかにも注目したい。
『ロングウォーク』©2025 Lions Gate Films Inc.All Rights Reserved.
50人の少年たちがただ歩き続け、ルールに従い続けないと即死という極限状況の中、ただ一人の生き残りを懸けて競い合う……。理不尽なルールに翻弄されながらも育まれていく友情、終わりのない道を歩き続ける過酷なサバイバル、社会的強者へ異を唱える者の戦い、そしてスティーヴン・キングならではの容赦ない恐怖が交錯する本作を、ぜひ劇場で目撃しよう。
『ロングウォーク』は6月26日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
『ロングウォーク』
戦争によって国家が分断された近未来のアメリカ。困窮する社会への光として、そしてかつての栄光を取り戻す為の一歩として、国をあげて開催される競技“ロングウォーク”。ただひたすらに歩き続けるだけで破格の賞金と願いを1つ叶える権利を獲得できるこの祭典に、選ばれし50人の若者が挑戦する。「時速4.8kmをキープすること」「速度を下回り警告を受けないこと」「最後の一人になるまで歩き続けること」この勝者になる為のルールの裏に、休息も睡眠も救いも存在しない。3つ警告を受けると即死の状況下で臨む、地獄の一本道の先に待ち受けるのは希望か、絶望か——
監督:フランシス・ローレンス(『ハンガー・ゲーム』シリーズ)
脚本:JT・モルナー(『ストレンジ・ダーリン』)
原作:スティーヴン・キング
出演:クーパー・ホフマン、デヴィッド・ジョンソン、ベン・ワン、マーク・ハミル ほか
| 制作年: | 2024 |
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2026年6月26日(金)より新宿バルト9ほか全国公開