脅迫、賄賂、裏切り……ド派手な泥沼選挙! チェ・ミンシクのドス黒い貫禄がヤバい『ザ・メイヤー 特別市民』

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ライター:BANGER!!! 編集部
脅迫、賄賂、裏切り……ド派手な泥沼選挙! チェ・ミンシクのドス黒い貫禄がヤバい『ザ・メイヤー 特別市民』
『ザ・メイヤー 特別市民』©2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

選挙映画は古くから傑作ぞろい! 韓国のド派手な選挙を豪華キャストで映画化

古くは『オール・ザ・キングスメン』(1949年)や『候補者ビルマッケイ』(1972年)、近年では『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』(2011年)『フロントランナー』『バイス』(2018年)などなど、大なり小なり“選挙”をテーマにした映画は数多い。チェ・ミンシクとクァク・ドウォン、そしてシム・ウンギョン競演の韓国映画『ザ・メイヤー 特別市民』も、熾烈なソウル市長選を題材にした映画だ。

『ザ・メイヤー 特別市民』
価格:¥3,800+税
発売元:クロックワークス
販売元:TCエンタテインメント

本作は、いきなりミンシクがラップを披露するシーンから始まる。もしかして『ブルワース』(1998年)みたいなヨコノリ選挙コメディ映画が始まるのか!? と思いきや、どうやら若い有権者を取り込もうということらしい。確かに韓国に行くと、路上でオリジナル曲をガンガンに流して選挙活動している候補者の姿をよく見かける。自身の公約や他党への不満をまくし立てるのが基本の日本の選挙活動よりもお祭り感があり、なんとなく市民の参加意識も強いように見える。

思わず応援しちゃう!? ミンシクとドウォンの圧力に潰されそうになるウンギョン

本作でミンシク演じるビョン・ジョングは、史上初の三期当選が懸かった市長選に立候補する現職ソウル市長であり、次期大統領の座も狙っている上昇志向の塊のような男。そんなジョング市長を支えるのは、『哭声/コクソン』(2016年)でビビりの駐在を演じたクァク・ドウォン。持ち前の度が過ぎるドヤ顔で、選対本部長として暗躍し市長のピンチを救う。

さらに、『新聞記者』(2019年)で社会派俳優としての実力を証明したシム・ウンギョンが演じるのは、その視点の鋭さを買われて広報担当として選対入りする広告代理店のOLパク・キョン。若手ならではの努力とアイデアでイイ仕事を連発し、縦にも横にも圧がすごい重鎮たちと堂々渡り合ってみせる。

『ザ・メイヤー 特別市民』©2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

各々の信念に従って行動する女性キャラクターに注目! 男たちの飼い犬っぷりが哀れ……

お話の大筋は、再選を目指すジョング市長と対立候補のバトルに伴うダーティーな駆け引きだが、「たかが市長選でしょ?」なんて侮るなかれ。ソウルほどの大都市ともなれば、その利権を巡る争いは死人が出てもおかしくないほどの苛烈さなのだ(たぶん)。その様相はほとんど『アウトレイジ』(2010年)といっても過言ではなく、本作でも選挙活動中に何人死んだか分からなくなるほどだ(少し盛ってます)。

実際、権力者と言えど不正が暴かれれば容赦なく糾弾され引きずり降ろされる韓国だけに、ドロッドロの疑惑の渦中にいる人物が図々しく国の代表を務めている日本とは比べ物にならないリアリティ。一つの発言、一つのスキャンダルで築いてきたものが全て崩れ落ちる恐怖がビンビンに伝わってきて、選挙対策チームというのもギャンブルに大枚をはたくような、ある意味とてもスリリングな仕事だなあ……と、思わず気が遠くなってしまう。

そんなドス黒い選挙の裏側が映画の題材になるのは納得だが、熟しきった色気を駆使するアラフォー女性候補(ラ・ミラン)など対抗馬もクセ者揃いで、選挙映画のセオリーをしっかり踏襲。しかし、広報(リュ・ヘヨン)や番記者(ムン・ソリ)など主要キャラクターは全て女性で、各々が自分なりの信念を持って動く芯の強い人物として描かれている。アクション映画ではいまだに男性キャラが強い印象だが、本作の女性たちが繰り広げるバッチバチの頭脳戦はフィジカルなアクション劇に勝るとも劣らない緊張感で、間違いなくハイライトの一つとなっているので要注目だ。

マ・ドンソクがカメオ出演! しょうもないバカ演技でファンの失笑を誘う

ジョング市長にはハングリーだった若い頃を思い出せる、きたなシュラン的な行きつけの焼肉屋があるのだが、血で血を洗う選挙戦ドラマという部分を含め、Netflix『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の主人公フランシスが通うスペアリブ屋のような設定にニヤリとさせられる。ジョングはフランシスほど手を汚すわけではないが、そこは現実世界の選挙活動に贈る“希望”として受け止めたい。

その希望を担うのが広報担当のキョンなので、彼女もその濁流に飲み込まれかけて……みたいな展開になるのかな? と思いきや、事態は予想外の方向へ進んでいく。そこから先は見てのお楽しみということで、いちいち食事描写をコッテリ描くフード映画の要素(ただし全く美味しそうじゃない)があったり、冒頭のとあるシーンでマ・ドンソクがしょうもないカメオ出演で爆笑させてくれたりするので、色々とお見逃しなく。

『ザ・メイヤー 特別市民』はCS映画専門チャンネル ムービープラスにて2019年9月放送

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『ザ・メイヤー 特別市民』

次期韓国大統領選を狙う現職のソウル市長ジョングは、史上初の三期当選がかかる市長選に立候補。百戦錬磨の選対本部長ヒョクスと共にモラルなき選挙戦を始める。そんな彼らのやり方に戸惑いを隠せない若手の広報担当キョン。ある日、ジョングが取り返しのつかない事故を起こしてしまう。

制作年: 2017
監督:
出演:
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