【追悼ロバート・デュヴァル】マフィアに警官、狂気の軍人から酔いどれ歌手まで演じた名優を偲ぶ
【追悼】ロバート・デュヴァルの輝かしいキャリア
数々の名作に魂を吹き込んできた俳優ロバート・デュヴァルが、その輝かしい生涯を閉じた。享年95。彼は70年近いキャリアを通じて名脇役から主役まで完璧にこなし、アメリカ映画界において欠かせない存在であり続けた。
デュヴァルは『アラバマ物語』(1962年)で演じた謎の男ブー・ラドリー役で鮮烈なデビューを飾ったデュヴァル。その後、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』シリーズ(1972年ほか)で、コルレオーネ・ファミリーを支える冷静沈着な相談役トム・ヘイゲンを演じ、その地位を不動のものとした。
もちろん、『地獄の黙示録』(1979年)で演じたビル・キルゴア中佐も忘れられない。「ワルキューレの騎行」をBGMに登場し、「朝のナパームは格別だ」という映画史に残る名セリフを放った“狂気のサーファー”キルゴア中佐は、戦争の狂気と表裏一体のカリスマ性を圧倒的なリアリティで体現した。
そんなデュヴァルは『テンダー・マーシー』(1982年)で再起をかける孤独なカントリー歌手を繊細に演じ、アカデミー主演男優賞を受賞。デニス・ホッパー監督のもと、血気盛んな新米ショーン・ペンを諌めるベテラン警官を演じた『カラーズ/天使の消えた街 』(1988年)も忘れられない。また、自ら私財を投じて製作・監督・脚本・主演を務めた『The Apostle(原題)』(1997年)では、複雑な背景を持つ説教者を見事に演じ切り、多才さを証明した。
ハリウッドの喧騒を嫌った職人気質の名優
2000年以降も『ジョンQ-最後の決断-』(2002年)や『サンキュー・スモーキング』(2006年)、『アンダーカヴァー 』(2007年)、『クレイジー・ハート』(2009年)、『アウトロー』(2012年)など数多くの作品に出演し、若い世代にも存在感を見せつけたデュヴァル。その創作意欲は晩年も衰えず、84歳で出演した『ジャッジ 裁かれる判事』(2014年)ではアカデミー助演男優賞の史上最高齢候補者の一人となるなど、90代に至るまで生涯現役を貫いた。
海軍提督の息子として軍人家庭に育ち、自らも軍役を経験したデュヴァルは、ハリウッドの喧騒から離れ、バージニア州の農場で馬やダンス、そして静かな生活を愛する職人気質の俳優だった。彼自身が「自分のハムレット」と呼び、最も思い入れの深い役として挙げたのは、トミー・リー・ジョーンズと共演した西部劇のTVシリーズ『ロンサム・ダブ』(1989年)のガス・マクレー役だったという。
技術に頼らず内面から溢れ出す真実味を追求し続けたデュヴァルの演技は、共演したアル・パチーノやロバート・デ・ニーロら同世代の名優たちからも深い尊敬を集めていた。彼が魂を吹き込んだ数々のキャラクターは、映画史の中で永遠に語り継がれていくだろう。
『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』
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