「ホビットの冒険」「指輪物語」原作者トールキンの人生が波乱万丈すぎる! 名作の誕生秘話に心震える『トールキン 旅のはじまり』

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ライター:BANGER!!! 編集部
「ホビットの冒険」「指輪物語」原作者トールキンの人生が波乱万丈すぎる! 名作の誕生秘話に心震える『トールキン 旅のはじまり』
『トールキン 旅のはじまり』©2019 Twentieth Century Fox

いま明かされる、J・R・R・トールキンの激動の人生

日本をはじめ世界中で爆発的ヒットを記録し、00年代を象徴する作品として現在もカルト的な人気を誇る映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001年~)。その原作である「指輪物語」や「ホビットの冒険」を手がけたJ・R・R・トールキンの半生に迫った伝記映画『トールキン 旅のはじまり』が、2019年8月30日(金)公開された。

『トールキン 旅のはじまり』©2019 Twentieth Century Fox

時代も国も超えて愛され続けるトールキンの作品は、映像・舞台・美術・音楽・ゲームなどさまざまなジャンルのクリエイターたちに影響を与え、ポップカルチャーにおける最重要作品の一つとして知られている。他に類を見ない独創的なファンタジー物語を数多く手がけた彼だが、その人生は幼い頃に両親を病気で亡くし、初めての大恋愛を後見人である神父に引き裂かれ、つらく恐ろしい第一次世界大戦を経験するなど、小説よりもドラマチックで波乱万丈なものだった。

トールキンの人生を変えた唯一無二の仲間たち

「ホビットの冒険」や「指輪物語」で、絶対に仲間を裏切らない美しい友情を描いたトールキンには、実生活でもロバート・ギルソン、ジェフリー・スミス、クリストファー・ワイズマンという大切な学友がおり、この4人の友情が本作の軸として描かれていく。ともに芸術や文学に関心の高かった4人は秘密クラブを結成し、文化論を繰り広げては仲を深めるが、両親を失い孤独を感じ生きてきたトールキンにとって、4人で過ごす時間は何よりも尊く、自分らしくいられる居場所だった。

『トールキン 旅のはじまり』©2019 Twentieth Century Fox

時に悪ふざけに興じながら互いの悩みを吐露し、将来について熱く語り合う4人の姿は青春そのもの。「12歳の時のような友達には、人生でもう二度と出会えないだろう」というのは名作『スタンド・バイ・ミー』(1986年)のセリフだが、トールキンにとっても、まさに彼らが唯一の“生涯の友”だったのだ。

思わず「エモい!」と悶える10代ならではの悩み、友情を切り裂く戦争の恐怖

イギリスの名門男子校に通う4人は、トールキン以外のメンバーはお金持ちなのだが、3人とも親との関係がギクシャクしていたり、将来の夢に悩んでいたりと、どこにでもいるような10代のナイーヴな若者として描かれていて嫌味がない。そして育ちの良さもあってか、みんな総じて“いいヤツ”なのである。お調子者やしっかり者など、個性豊かで憎めないキャラ揃いの仲間たちが物語に味わいをプラスし、本作がトールキンの物語であるだけでなく、“4人”の物語でもあることを強く印象づけている。

『トールキン 旅のはじまり』©2019 Twentieth Century Fox

そんな4人の姿を通して「誰もがあの頃、悩みを抱えていた……」的な10代ならではの葛藤がふんだんに描かれるので、観客も自分の学生時代を反芻しながら、彼らに感情移入することだろう。悩んでいるのかと思いきや数秒後には茶化しあっていたりと、4人のテンポの良い掛け合いも男子の友情ならでは。男たちの熱い友情にフォーカスした作品は珍しくないが、この純粋なキャッキャ感は新鮮だ。

そんな彼らにも戦争という過酷な現実が迫り、戦地に赴くこととなる。そして、突然消息が途絶えた仲間の一人ジェフリーの生存を確認するために、トールキンが危険な戦場を歩き回って彼を探すシーンが物語のハイライトに。凄惨な戦場でトールキンは何を見て、何を失い、何を感じたのか? 辛い戦争体験と、戦時下でトールキンの心を支え続けた友情が、いかにしてあの名作群の世界観を生み出したのか。その誕生秘話に、多くの観客が心震えるはずだ。

SF大作から伝記モノまで引っ張りだこ! ニコラス・ホルトの熱演に惚れる

本作でトールキンを演じるニコラス・ホルトが、『アバウト・ア・ボーイ』で子役としてヒュー・グラントと共演したのが2002年のこと。近年は『X-MEN』シリーズや『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などの大作に出演する一方で、本作を含め『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(2017年)『女王陛下のお気に入り』(2018年)といった伝記作品にも多く出演。今年で30歳ながら長いキャリアを誇る彼の重厚感のある演技が、この感動の物語に説得力を与えているのは間違いない。

『トールキン 旅のはじまり』©2019 Twentieth Century Fox

史実を淡々と描く伝記映画というジャンルは、ともすれば退屈に感じられがちだが、本作は“男の友情”にフォーカスすることで、誰もが共感できるヒューマンドラマへと昇華させた好例と言えるだろう。友情物語の他に、トールキンの運命の相手としてピアニストのエディス・ブラットとの波乱の恋愛模様も描かれるので、飽きることなく約2時間を堪能できるはずだ。

『トールキン 旅のはじまり』は2019年8月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にて公開中

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『トールキン 旅のはじまり』

3歳の時に父を亡くしたトールキンは、イギリスで母と弟と暮らしていたが、母の急死で12歳にして無一文の孤児になってしまう。その身を案じた母の友人モーガン神父が後見人となり、名門キング・エドワード校に入学したトールキンは、そこで初めて心を許せる3人の野心溢れる少年たちと出会い、「芸術で世界を変えよう」と誓い合う。やがて、16歳になったトールキンは、生涯を共にしたいと願う女性、エディスと出会うが、神父に交際を禁じられる。さらに、世界大戦の勃発が仲間との絆さえも奪っていくのだった──。

制作年: 2019
監督:
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