• BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • ロバート・レッドフォード「子供のころは誰も褒めてくれなかった」 すでに次の監督作も準備中⁉

ロバート・レッドフォード「子供のころは誰も褒めてくれなかった」 すでに次の監督作も準備中⁉

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#小西未来
ロバート・レッドフォード「子供のころは誰も褒めてくれなかった」 すでに次の監督作も準備中⁉
ロバート・レッドフォード© HFPA

2019年7月公開の『さらば愛しきアウトロー』で俳優引退宣言をした、ロバート・レッドフォード。映画人として、そしてサンダンス映画祭を主催することになったきっかけ、気になる今後について語ってくれた。

子どもの頃はくしゃくしゃの赤髪にそばかす顔で、誰もハンサムだなんて言ってくれなかったよ

―もともとは画家を目指していたそうですが、あなたの人生にアートは欠かせないものですか?

もちろん。いまでもとても大事だし、そもそもそこから自分の人生が始まったと言っていい。アートは、子どもから大人になる際に、とても大事な役割を果たしたんだ。私は学校ではなかなか授業に集中できなかった。いつも窓の外の世界に思いを馳せていた。そして、思いついたことを絵にしていた。でも、当時は第二次世界大戦の直後で、学校教育において美術は取るに足らないものとみなされていた。だから、絵を描くときはいつも机の下で、コソコソとやっていた。でも、ある日、先生に見つかってしまった。こっぴどく叱られてクラスメートに笑われることになる、と思ってぞっとしたね。

ところが先生は、前に立って「みんなに絵を見せなさい」と言う。それで私は言うとおりにした。B-52爆撃機が、馬に乗ったカウボーイたちに爆弾を投下している絵だ。カウボーイたちがインディアンを襲撃していたから、と私が説明すると、先生は「取引をしない?」と言ってくれた。「これからは授業にちゃんと集中して。その代わり、毎週水曜日にはイーゼルとネタ探しのための新聞を用意してあげる。なにか思いついたら、それを絵にしてみんなに発表してちょうだい」と。先生は私の絵をみんなに発表する機会を与えてくれたばかりか、この道を追求することを許してくれたんだ。

これは私の人生におけるターニングポイントだった。いまでもアートは、私にとってコミュニケーションの手段だ。その後、役者になり、監督になるが、基本は変わっていない。

―画家志望でしたが、すんなり役者に転向できましたか?

17歳からずっと画家になりたいと思っていて、絵を描くことで幸せを見いだしていた。いったん役者の道に進もうと決めたときは、慣れるまで時間がかかったよ。絵画に対する愛情があまりにも強かったからね。役者になることは、絵画を趣味に変えなくてはいけないということだから、容易には受け入れられなかったが、役者としてのキャリアが自分の想像を超えてうまくいったときに、絵画を2番目にすることを受け入れられるようになったんだ。

―ハリウッド屈指の美男俳優として人気を集めていますが、子ども時代は誰もほめてくれなかったというのは本当ですか?

その通り。子どものとき、ルックスを褒めてくれる人は誰もいなかったね。手に負えないくらいくしゃくしゃの赤髪で、そばかすだらけ。だから「なんてハンサムなの!」なんて、誰も言ってくれなかった。そんな子ども時代を過ごしたから、あとになって突然「ハンサムだ」と言われるようになって戸惑ったよ。

View this post on Instagram

Whoa! Check this out. An opportunity to own one of Bob's motorcycles, which was featured in THE WAY WE WERE. ・・・ Repost @sundanceresort: This is an amazing opportunity for someone to own a piece of American movie history. Robert Redford's Yamaha DT250 (pictured here) is up for auction by his son, James Redford. All proceeds to be donated to The Redford Center. The bike is in beautiful working condition and has been appraised at nearly $30,000. Not only will the winner of the auction be awarded this fantastic heirloom, he or she will get the opportunity to meet Robert and James in person in San Francisco, CA! Please tag someone who may be interested in obtaining this amazing collectible. More details about the bike, auction and the story behind this in the link in our profile. #Sundance #SundanceResort #RobertRedford #VintageMotorcycle

A post shared by Sundance Institute (@sundanceorg) on

すでに監督作を準備中!?「映画に関してクリント・イーストウッドとは異なる考えを持っている」

―あなたが立ち上げたインディペンデント映画の祭典<サンダンス映画祭>は、いまでは確固たる地位を築きましたが、映画祭を始めたきっかけを教えてください。

私には2つのキャリアがある。俳優や映画監督として、伝えたい物語を伝えることがひとつ。そしてもうひとつは映画祭を通じて、他のクリエイターのサポートすること。サンダンス映画祭は、伝えたい物語があるにも関わらず、伝える機会がない人のプラットフォームとして発足した。私は幸運にも、チャンスを貰うことができたが、そうした幸運に巡りあっていない人たちに、たくさん会った。それで、彼らが自分たちの物語を伝えることができる場所を生み出すことができないだろうか、と考えた。それが、サンダンスラボであり映画祭なんだ。

映画祭に関しては、映画作家が集まり、作品を見せ合うことができる場所を作ろうと思っただけだ。当時、インディペンデント映画はマーケットで無視されていたからね。私が想像していなかったのは、映画作家が集まると、熱量と注目を生みだすということだった。その結果、たくさんの映画ファンが映画祭にやってきた。当初は映画作家がお互いの映画を見せ合う場だったが、他では観ることができない映画を観たいと思う観客がこぞってやってくるようになった。それがどんどん大きくなっていっている感じだね。

―あなたは『普通の人々』(1980年)で映画監督デビューを果たしていますが、監督としては寡作と言えます。たとえば、クリント・イーストウッド監督は1つの映画には4年かかるから、同時進行で他の作品を準備していますが、あなたは違いますね。

クリントのことは大好きだ。私たちはどちらも生粋のカリフォルニア育ちで、友達でもある。だが、映画に関しては、異なる考えを持っている。ただ、彼のやり方を否定するつもりはない。クリントは好きなように映画を作っていけばいいと思う。

―あなたは4年以上の期間を空けても構わない、と。

いや、本音を言えば、常に映画を作り続けていたい。4年待つのは長すぎる。その間に、あらゆることが起こり得るからね(笑)。

―すでに次の監督作を準備中なのでしょうか?

ああ。現時点ではコメントできることは何もないがね。

取材・文:小西未来

俳優引退を撤回!? ロバート・レッドフォード「気が変わる可能性は否定できない」

『さらば愛しきアウトロー』は2019年7月12日(金)より全国公開

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『さらば愛しきアウトロー』

レッドフォード俳優引退作!
16回の脱獄と銀行強盗を繰り返し、誰一人傷つけなかった74歳の紳士フォレスト・タッカーの、ほぼ真実の物語。
愛と犯罪と逃亡の一大エンターテインメント!

制作年: 2018
監督:
出演: