• BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • 「レンガ職人」は最強の職業?秋の夜長に観たいアクション映画『ブリックレイヤー』の“ちょうど良い”魅力

「レンガ職人」は最強の職業?秋の夜長に観たいアクション映画『ブリックレイヤー』の“ちょうど良い”魅力

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#BANGER!!! 編集部
「レンガ職人」は最強の職業?秋の夜長に観たいアクション映画『ブリックレイヤー』の“ちょうど良い”魅力
『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

秋の夜長に“ちょうど良い”アクション映画を

いつの間にか酷暑が過ぎ去り、日が沈むのもすっかり早くなりました。秋の夜長ということで、就寝前にサクッと1本映画でも観たいものですよね。

でもアタマを使うミステリーはしんどいし、恐ろしいホラー映画やヘビーなテーマのドキュメンタリーじゃ眠れなくなりそう。そんなときにぜひ観たいのが、いい意味で何も残らない絶妙な塩梅のアクション映画。お話はシンプルなほどベターで、トイレ休憩しても支障がない感じのストーリーが好ましいでしょう。

※イメージ画像

2023年制作の『ブリックレイヤー』は、まさにそんな感じのアクション映画です。とはいえメガホンを取ったのは、『ダイ・ハード2』(1990年)や『クリフハンガー』(1993年)、『ドリヴン』(2001年)などをヒットさせてきたレニー・ハーリン監督。しかも、主演は『ダークナイト』(2008年)のトゥーフェイス役で知られるアーロン・エッカート。共演はニーナ・ドブレフにクリフトン・コリンズ・Jr.、ティム・ブレイク・ネルソンと地味に豪華だったりします。

『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

ハーリン印の手堅いアクションとギリシャロケの魅力

主人公のスティーヴ・ヴェイル(エッカート)は『ブリックレイヤー』のタイトル通り、レンガ職人として静かに暮らしている中年男。しかし彼は元スゴ腕のCIAエージェントで、かつての同僚であり死んだはずのヴィクター・ラデック(コリンズ・Jr.)による連続殺人事件に巻き込まれてしまう。CIAの闇を暴き世界を混乱に陥れようと企むラデックを阻止するべく、ヴェイルは再び諜報の世界へと引き戻され……。

そんな本作の最大の魅力は、ハーリン監督ならではの手堅いアクション演出。ギリシャのテッサロニキを舞台にしたロケーションは美しく、ナイトクラブでの乱闘、倉庫での銃撃戦、石畳の街を駆け抜けるカーチェイスなどなど、見応えのあるシーンが随所に散りばめられている。特にエッカートが自ら多くのスタントをこなしている点は高く評価されていて、彼のフィジカルな存在感が見ものだ。

『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

鬼シブい“疲れたヒーロー”の魅力と、ちょっと残念なキャラ描写

エッカート演じるヴェイルは、ただの老タフガイではない。彼は過去の後悔や葛藤を抱えながら任務に挑む“壊れた男”として描かれているが、深い皺を隠さない表情やどっしりとした佇まいのおかげで安心して観ていられる。ヴェイルが語る「レンガは嘘をつかない」というセリフは、混沌とした世界の中での秩序への希求を象徴しているのだろうか。

『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

脚本にはアクション映画の定番と言える要素が詰め込まれてはいるのだが、キャラクターの動機や関係性がしっかり描かれていないため、展開が読めないところが逆にストレスに感じてしまうかも。ドブレフ演じるケイトは有能な新人エージェントのはずなのに、足手まといキャラのように描かれたり、ヴェイルとの関係についても導火線不足の印象だ。

『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

『ブリックレイヤー』は観る価値アリ?それとも……

決して革新的な作品とは言えないが、アクション映画としての基本をしっかり押さえているあたりは、さすがのハーリン監督作。多くの観客が観たい“レンガ職人”としての凶器バトル(&思わず笑顔になる殺害スキル等)も見せてくれるし、満足感はかなり高い。そもそも夜中にサクッとノーストレスで観るのが目的なら、むしろ良い塩梅だろう。

『ブリックレイヤー』Copyright © 2023 BRICKLAYER PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

最初から“ドーンと大規模劇場公開”を狙っていない作品だからこその手堅い面白さ、気軽さが詰まっている『ブリックレイヤー』は、秋の夜長に観る価値アリ。現在CS映画専門チャンネル ムービープラスで放送中なので、軽めのツマミを用意してサクッと鑑賞してみては?

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『ブリックレイヤー』

元CIAエージェントが殺人事件の真相に迫る――。レニー・ハーリン監督×アーロン・エッカート主演、「エクスペンダブルズ」の製作陣で贈る、究極のエンターテイメント大作。アメリカ・ブルガリア・ギリシャ合作。

ヨーロッパで反米デモが広がる中、ギリシャで反米を唱える女性記者が殺害される。CIAは調査の末、死んだはずの元諜報員ラデックに辿り着くが捜査は難航し、米政府は元エージェントのヴェイルに協力を要請。穏やかな生活を送っていた彼は一度拒否するも、刺客に襲われ捜査復帰を決意する。

監督:レニー・ハーリン
出演:アーロン・エッカート ニーナ・ドブレフ クリフトン・コリンズ・Jr

制作年: 2023