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15歳女子の“いびつな絆”映し出す『九月と七月の姉妹』ほか 10代の《揺れ動く心》を捉えた名作5選

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ライター:#BANGER!!! 編集部
15歳女子の“いびつな絆”映し出す『九月と七月の姉妹』ほか 10代の《揺れ動く心》を捉えた名作5選
『九月と七月の姉妹』© Sackville Film and Television Productions Limited / MFP GmbH / CryBaby Limited, British Broadcasting Corporation, ZDF/arte 2024
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『mid90s』(2020年)

1990年代半ばのロサンゼルス。母と兄と3人で暮らしていた、13歳のスティーヴィー。小柄でまだ幼さの残るスティーヴィーは、力で圧倒してくる兄に怯えながらも、どこかで彼に憧れも持っていた。そんなある日、街のスケートボード・ショップで出会ったのは、自由に笑い、無鉄砲で、そして驚くほどかっこいい少年たち。スティーヴィーは憧れにも似た気持ちで彼らの輪に飛び込もうとするが――。

目の前にある圧倒的な<強さ>が、実は儚く、脆く、そして痛みに満ちた現実だということ。それでも、ぶつかり合い、笑い合い、転びながら駆け抜けた日々は、かけがえのない輝きとなって焼きついていく。大人になる一歩手前の少年たちが放つ、危うくも眩しい光。その一瞬の痛みと煌めきを、鮮烈に刻み込んだ青春映画。

『カモン カモン』(2021年)

NYでラジオジャーナリストとして暮らすジョニー(ホアキン・フェニックス)は、LAに住む妹に頼まれ、9歳の甥・ジェシーを数日間世話することに。ジョニーが独身でいる理由や自分の父親の病気について率直に問いかけ、ジョニーを困惑させる好奇心旺盛なジェシーだったが、本音でぶつかり合う時間を共に過ごすことで、二人は徐々に心を通わせていく。やがて妹の留守が長引くことになり、仕事の都合でNYへ戻らなければならなくなったジョニーは、ジェシーも一緒に連れて行く決断をするが――。

これまで見て見ぬふりをしてきたジョニーの心が、ジェシーのまっすぐな想いと会話によって少しずつほどかれていく様子に、観る者の胸もそっと揺さぶられる物語。

『ぼくのお日さま』(2024年)

吃音のあるアイスホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、「月の光」に合わせフィギュアスケートを練習する少女・さくら(中西希亜良)の姿に、心を奪われてしまう。ある日、さくらのコーチ荒川(池松壮亮)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似て何度も転ぶタクヤを見つける。タクヤの恋の応援をしたくなった荒川は、彼にスケート靴を貸し、タクヤの練習につきあうことに。しばらくして荒川の提案から、タクヤとさくらはペアを組み、アイスダンスの練習をはじめることになり……。

「言ってしまったこと」「言えなかったこと」――登場人物の少年少女たちが持つ純粋さと残酷さを通して、思わずジワジワと自らの過去を引っ張り出したくなるような切ない痛みを伴う作品。架空の街を舞台にした雪景色の映像も圧倒的な美しさ。

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