「死亡フラグに疲れる」「グロすぎて見てられない」残酷グチャドロ描写を全部見せる『ファイナル』シリーズの魅力
再び大ヒット!『ファイナル』シリーズを総括
2000年の『ファイナル・デスティネーション』から始まったスリラー映画の人気フランチャイズ、通称『ファイナル』シリーズ。日本では現時点で『ファイナル・デッドブリッジ』(2011年)までの5作品が配信等で観ることができる。
このシリーズの最大の特徴は、スリラー/ホラーでありながら殺人鬼やモンスター、幽霊なんかが出てくるわけではなく、“死”そのものが見えない力として登場すること。つまり、敵は(めちゃくちゃ性格の悪い?)“運命”というわけだ。
『ファイナル・デスティネーション』© 2000 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
物語は作品毎に、それぞれの主人公が“大事故の予知”をしたことで仲間たちが死を免れるところから始まる。ところが同シリーズにおける“死”はターゲットをあの世へ連れていくルールを厳守したいらしく、回避したと思われた人々が次々と奇妙な“巻き込まれ死”を遂げる。
お察しのとおり、その“死に方”こそがシリーズ最大のウリ。日常のちょっとした出来事が連鎖して大惨事になる“ピタゴ◯スイッ◯”的な死の演出は、思わず苦笑してしまう不条理さ。しかも、名作ホラー『オーメン』の拡張版とも言えそうな、直視するのがキツいグロさ満点のショッキングな死亡シーンばかりなのだ。
『ファイナル・デスティネーション』© 2000 New Line Productions, Inc. All rights reserved.
なお十数年ぶりのシリーズ最新作『ファイナル・デッドブラッド』(2025年)は本国でシリーズ史上最大のヒットを記録し、さらなる続編の制作も決定。残念ながら日本では配信スルーが濃厚だが、不謹慎ながらもクセになる“ピタゴラ死”シリーズが激動の世界で再び求められていることは確かだ。
ということで現在、シリーズ5作品が一挙TV放送中なので、昔からのファンも初見の皆さんも、ここでざっくり予習・復習しておこう。
✈『ファイナル・デスティネーション』(2000年)
高校生アレックスは、パリ行きの飛行機が爆発する予知夢を見たことで、仲間と共に搭乗を回避。しかし、死の運命は修正され、回避者たちは次々と不可解な事故で命を落としていく。アレックスは死の順番を読み解こうと奔走するが……。
⛔️『デッドコースター』(2003年)
大学生キンバリーはハイウェイでの大事故を予知して数人の命を救うが、死の連鎖は止まらない。前作の生存者クレアと協力し、死の順番を逆転させる方法を探る。“新たな命”が死の運命を断ち切る鍵となるのか――。
🎢『ファイナル・デッドコースター』(2006年)
高校生ウェンディは遊園地のジェットコースター事故を予知し、仲間と共に回避。彼女は撮影した写真に死のヒントが隠されていることに気づき、仲間と共に死の計画を阻止しようとするが、運命は容赦しない。
🏎️『ファイナル・デッドサーキット』(2009年)
カーレース場での大事故を予知したニックは観客数名を救うが、死は再び彼らを狙う。死の順番を突き止め、仲間を守ろうとするニックだったが……。劇場公開時は、3D演出で描かれる連鎖的な死のシーンが話題を呼んだ。
🌉『ファイナル・デッドブリッジ』(2011年)
サムは社員旅行中に橋の崩落を予知し、仲間と共に脱出。だが死は彼らを一人ずつ狙い始める。過去作とのつながりが明かされ、死の運命を回避するためには他人の命を犠牲にするという新たな選択が迫られる。
『ファイナル・デスティネーション』ほかシリーズ全5作はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年8月放送