政治家もブチギレた“危険”な奴ら!音楽×闘争コメディ『ニーキャップ』公開記念で『トレスポ』限定上映決定
なぜ“アイルランド版トレインスポッティング”と呼ばれるのか?
本作は、ヒップホップバンド・KNEECAPの3人がドラッグ、アルコール、セックスに溺れながら音楽で革命を起こす姿をポップに描いた物語。その作風から、“アイルランド版トレインスポッティング”と評されている。
『KNEECAP/ニーキャップ』© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
ご存知の通り、ダニー・ボイル監督の初期代表作『トレインスポッティング』はヘロイン中毒の若者たちを描いた大ヒット青春映画で、今も世界中で熱狂的な人気を誇る傑作だ。
『トレインスポッティング』©Channel Four Television Corporation MCMXCV
実際に、本作の監督リッチ・ペピアットは『トレスポ』に大きなインスピレーションを受けており、映画ファンならばすぐにピンとくるであろうオマージュが散りばめられている。
このたび解禁された本編映像は、カトリックのリーアム(モ・カラ)が対立するプロテスタントの集団から追いかけられ、全速力で逃げる姿が印象的。これはユアン・マクレガー演じる『トレスポ』の主人公レントンがひたすら走る姿を彷彿させるシーンだ。
ちなみに各シーンにおけるBGMは『トレスポ』がイギー・ポップの「Lust For Life」、本作はザ・プロディジーの「Smack My Bitch Up」だ。
また、『トレスポ』がレントンによるナレーションのモノローグで進むのと同じく、本作もリーアム(モ・カラ)の皮肉混じりのナレーションで幕を開け、彼の視点で物語が語られる。
『トレインスポッティング』©Channel Four Television Corporation MCMXCV
さらに『トレスポ』といえば、座薬を回収しようと“スコットランドで一番汚いトイレ”に頭から潜り込むシーンも有名だが、本作にはLSD(ドラッグ)を回収すべくゴミ箱に頭から潜り込むシーンがある。
『KNEECAP/ニーキャップ』© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
なお余談だが、本作で重要な役を演じているマイケル・ファスベンダーはアイルランド系で、ダニー・ボイル監督作『スティーブ・ジョブズ』(2015年)に出演。同じくボイル監督作『28日後…』(2002年)に出演したキリアン・マーフィーもアイルランド出身だ。
『KNEECAP/ニーキャップ』© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
原作者も絶賛!『トレスポ』が1週間限定で上映決定
“アイルランド版トレスポ”と呼ばれるワケは、そうしたオマージュだけに留まらない。本作の舞台はイギリスの一部である北アイルランドだが、『トレスポ』の舞台も同じくイギリスの一部であるスコットランド。どちらも長年イギリスと対立してきた地域で、そこで生まれ育った労働者階級の若者がドラッグカルチャーと共に生きる様を捉えている。
『KNEECAP/ニーキャップ』© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
映画評論家の森直人は、「ポップかつ狂騒的なリズムで綴られる彼らの日常は、法の網の目をくぐる緊張感に溢れ、金銭のためにもハイになるためにもドラッグが手放せない。グラフィカルな画面構成も含め、やはり『トレインスポッティング』を輝けるベンチマークとして参照していることは明らかだ」と、その影響を指摘。さらに同作の原作者、アーヴィン・ウェルシュも「ここ数年に観た映画で一番よかった」と本作を大絶賛している。
『KNEECAP/ニーキャップ』© Kneecap Films Limited, Screen Market Research Limited t/a Wildcard and The British Film Institute 2024
そんな本作の公開を記念して、新宿シネマカリテにて7月25日(金)より1週間・1日1回限定で『トレインスポッティング』の上映も決定。デジタル上映と併せて、希少な35mmフィルムによる上映回も予定している。この機会に、ぜひ本作とあわせて劇場で楽しんでみては?(※上映の詳細は劇場ホームページにて要確認:https://qualite.musashino-k.jp/movies/26484/)
『KNEECAP/ニーキャップ』は8月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
『トレインスポッティング』
発売中
Blu-ray 1,800円(税別)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ©Channel Four Television Corporation MCMXCV
『KNEECAP/ニーキャップ』
北アイルランド、ベルファスト。
父親から「アイルランド語は自由のための弾丸だ」という教育を受けながら育ったドラッグディーラーのニーシャ(MCネーム:モウグリ・バップ)と幼馴染のリーアム(MCネーム:モ・カラ)。麻薬取引で警察に捕まったニーシャは、英語を話すことを頑なに拒み、反抗的な態度を貫いてた。そこに通訳者として派遣された音楽教師のJJ(MCネーム:DJプロヴィ)が、ニーシャの手帳に綴られていたアイルランド語の歌詞を発見。その才能に目をつけ、3人はアイルランド語の権利を取り戻すべく、アイルランド語のヒップホップを始めることに。
監督・脚本:リッチ・ペピアット
出演:モウグリ・バップ、モ・カラ、DJプロヴィ、ジョシー・ウォーカー、マイケル・ファスビべンダー
| 制作年: | 2024 |
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2025年8月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開