来場10万人超え「ラムセス大王展」と併せて観たい?エジプト観光&ミステリーな珍作『スフィンクス』【激レアTV放送中】
美しき考古学者がファラオを巡る陰謀に巻き込まれる!
『スフィンクス』はロビン・クックの同名小説を原作に、フランクリン・J・シャフナー監督が手がけたアドベンチャー映画。『ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど』や『ピンク・パンサー3』で知られるレスリー=アン・ダウンの絶頂期の主演作だ。
『スフィンクス』© Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
アン・ダウンが演じるのは、ファラオ・セティ1世の建築家メネフタに関する研究のためエジプトを訪れた若きエジプト学者エリカ・バロン。しかし彼女の旅は学術調査にとどまらず、殺人事件や盗掘、ブラックマーケットの陰謀に巻き込まれていく。
『スフィンクス』© Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
無理のある設定がむしろアジ? 80年代ハリウッドならでは?
本作の最大の見どころは、実際のエジプト各地で撮影されたロケーションの美しさだろう。カイロのバザールやルクソール、王家の谷など、観光名所としても名高い場所がふんだんに登場し、スクリーン越しにエジプト旅行気分が味わえる。とくにナイル川沿いの風景や遺跡の荘厳さは、映画のストーリー以上に印象に残るかも?
一方で、ストーリー展開やキャスティングは賛否が分かれるところ。フランク・ランジェラやジョン・ギールグッドといった名優が出演しているものの、彼らがエジプト人を演じるのはさすがに無理があった。ヒロインの行動も非現実的なところが多々あり、考古学者としての描写に説得力を欠くという指摘も……。
『スフィンクス』© Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
とはいえ、そうした倒錯を含めて80年代初頭のハリウッドが描いた“エジプトの神秘とロマン”を味わうにはうってつけの一本だ。現代の洗練された考古学ミステリーとは一線を画す、どこかノスタルジックで大仰な魅力を放っている。「ラムセス大王展」で“ホンモノ”の古代エジプトの世界に触れた後で、その余韻を本作のエジプト映像に投影してみては?
『スフィンクス』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年6~7月放送