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「地震、原発、コロナ」日本の危機に駆けつけた医療部隊とは?命がけの貢献を描く『フロントライン』見どころ解説

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「地震、原発、コロナ」日本の危機に駆けつけた医療部隊とは?命がけの貢献を描く『フロントライン』見どころ解説
© 2025「フロントライン」製作委員会
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小栗旬、松坂桃李、窪塚俊介、池松壮亮が集結!

映画『フロントライン』には、小栗旬、松坂桃李、窪塚俊介、池松壮亮という錚々たるキャストが集結した。言わずもがな現在の日本映画界を背負って立つ、海外経験も豊富な名実伴った俳優たちだ。

© 2025「フロントライン」製作委員会

もちろん彼らにとっても、本作への出演は大きなチャレンジだったことだろう。小栗が「映画として作るべきものだと感じた。忘れてはいけないかなり大きな出来事」と語るように、そして松坂、池松、窪塚も“あの出来事を追体験する”という視点でも意義ある作品と判断し、それぞれ出演を決めた。そんな彼らを、森七菜や桜井ユキ、美村里江、光石研、滝藤賢一ら実力派キャストが支える。

© 2025「フロントライン」製作委員会

映画『フロントライン』で描かれること、登場人物に込められた想い

そうして完成した映画『フロントライン』は、これまで詳細には語られていなかったクルーズ船内の真実だけでなく、それに対峙した人々の決意、揺らぎ、苦悩をつまびらかに描き、驚きと感動を呼び起こす。全てのシーンが<人間>そして<命>に直結していて、事実に基づくディテールが観客それぞれの記憶の扉を開き、そのたびに心を震わせる。

© 2025「フロントライン」製作委員会

小栗が演じる結城英晴と窪塚が演じる仙道行義には、それぞれモデルがいる。DMAT隊員として指揮を執り、また現場で対応に奔走した医師たちだ。結城が言う「完璧ではなくても、船内でおびえる3700人にいち早く医療を提供したかった。限られた選択肢の中では最善の対応だったと思う」という言葉が、彼らの覚悟を物語る。

そして、臨機応変かつウルトラCの機転でDMAT隊員を驚かせた厚生労働省の職員が松坂演じる立松信貴のモデルとなった。劇中ではひと癖ある役人仕草で軋轢も生むが、底にある想いは同じだと医師たちも理解していく。それがよく表されているのが、“静かなつばぜり合い”とでも言うべきシーン。結城の言葉はぶっきらぼうにも聞こえるが、それは立松の手腕を信頼するがゆえの態度でもある。

@warnerjp

【この国か、目の前の命か】#映画フロントライン SNS限定本編映像② 「ルールを破れないなら、変えることはできないのか?」 対立するふたり 👤DMAT指揮官・結城/小栗旬さん 👤厚生労働省・立松/松坂桃李さん 🎬映画『フロントライン』6月13日(金)公開   《事実に基づく》感動のドラマ #小栗旬 #松坂桃李 #池松壮亮 #森七菜 #桜井ユキ #美村里江 #吹越満 #光石研 #滝藤賢一 #窪塚洋介 #ワーナー映画 #映画 #邦画 #movie #私が見たフロントライン

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また、命がけで対応にあたりながらも心ない差別を受けた医師や看護師たちの葛藤が、池松演じる真田春人という人物像に託された。「自分がコロナにかかるのは怖いけれど、何よりも家族が差別にあうことが怖い」という真田の言葉は、誰も“正解”が分からないなかで奮闘する彼らに降り掛かった、やり場のない憤りや不安を突きつけてくる。

@warnerjp

【命の最前線へ】#映画フロントライン SNS限定本編映像① 「“どうせ止めても乗るしかないんでしょ”って言われました」 👤DMAT隊員・真田/池松壮亮さん 大切な家族を残し、命の“最前線”クルーズ船内へ 🎬映画『フロントライン』6月13日(金)公開   《事実に基づく》感動のドラマ #小栗旬 #松坂桃李 #池松壮亮 #森七菜 #桜井ユキ #美村里江 #吹越満 #光石研 #滝藤賢一 #窪塚洋介 #ワーナー映画 #映画 #邦画 #movie #私が見たフロントライン

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そんな真田たちに対する、もはや罪悪感に近い感情を吐露するのは、終始気丈に現場で指揮を執っていた仙道だ。「正直、感染は怖いよ。そこへ行ってこいって指示出してんのは俺たちだろ」と声を荒げる姿は、歴戦の医師にとっても逡巡と反省だらけの挑戦であったことが窺える。

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【やれることは全部やる】#映画フロントライン SNS限定本編映像③ 👤DMAT指揮官・結城/小栗旬さん 👤クルーズ船内の仙道/窪塚洋介さん 目の前の「命」を救うため、 覚悟を決めるふたりのDMAT。 絶望も、希望も、その船上にはあった。 🎬映画『フロントライン』6月13日(金)公開   《事実に基づく》感動のドラマ #小栗旬 #松坂桃李 #池松壮亮 #森七菜 #桜井ユキ #美村里江 #吹越満 #光石研 #滝藤賢一 #窪塚洋介 #ワーナー映画 #映画 #邦画 #movie #私が見たフロントライン

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そんな本作だから、いわゆる“エモい”ヒューマンドラマにしてしまうこともできただろう。しかし、実際に命をかけた人々のリアルな経験が詰め込まれたストーリーは、安易なお涙頂戴には陥らない。登場人物同士のベタついた馴れ合いは描かれないし、ときに憎まれ口が出てしまうこともある。それでも<命を守る>という根っこの部分が共通しているからこそ、結果的に私たち観客はエモみの塊に体当りされたかのような感動をおぼえ、そのたびに鼻の奥がツーンとしてしまう。

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【命を守ることが第一】#映画フロントライン SNS限定本編映像④ 「船に残されたご家族が不安に思っている気持ち、ご理解できませんか?」 👤クルーズ船のクルー・羽鳥/森七菜さん 👤DMAT実働部隊トップ・仙道/窪塚洋介さん 🎬映画『フロントライン』6月13日(金)公開  《事実に基づく》感動のドラマ #小栗旬 #松坂桃李 #池松壮亮 #森七菜 #桜井ユキ #美村里江 #吹越満 #光石研 #滝藤賢一 #窪塚洋介 #ワーナー映画 #映画 #邦画 #movie #私が見たフロントライン

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あの大規模クラスターの渦中で、その周辺で、いったい何が起こっていたのか?

本作はまた、DMAT隊員や乗船クルー、乗客・患者たち、そして船内の状況を書き立てたメディアの人々を、同じ一人の人間として丁寧に描いている。もちろん、エンタメ作品としての“善悪”を強調されるキャラクター造形はあるものの、あくまで観客にも跳ね返ってくるであろう市井の視点の一つでしかない。それは翻って、「命に優劣をつけない」ということでもあり、災害現場に医療を届けてきたDMATの活動原理に繋がっているとも言えるだろう。

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【船で何が起こっているのか】#映画フロントライン SNS限定本編映像⑤ 「面白くなりそうですよ。DMATが船に乗り込んで対応するそうです」 2020年2月、横浜港—— 👤テレビ局の記者・上野/桜井ユキさん 視聴率を求めてクルーズ船を追うマスコミたち 🎬映画『フロントライン』6月13日(金)公開   《事実に基づく》感動のドラマ #小栗旬 #松坂桃李 #池松壮亮 #森七菜 #桜井ユキ #美村里江 #吹越満 #光石研 #滝藤賢一 #窪塚洋介 #ワーナー映画 #映画 #邦画 #movie #私が見たフロントライン

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当時クルーズ船には、世代も性別も、国籍も様々な乗客がいた。長期間にわたる船内での隔離生活は、人々の心をじわじわと侵食したはずだ。劇中では実際のエピソードを基に、ぎょっとするような“事件”も描かれている。そうした逸話は、日本語が母国語ではない乗船クルーの職務を超えた献身、心細かったはずの幼い外国人兄弟の覚悟、長年連れ添った老夫婦の深い愛情など、映画ならではの見どころとして昇華された。

© 2025「フロントライン」製作委員会

もちろん劇映画なのでマスク装着の描写等はあえて省略されているが、だからこそ感情移入がし易いということを念頭に観てほしい。表情一つで多くを訴えることができるキャスト陣が、スクリーンにズラリと居並んだときの迫力、映画としての説得力、そして観客としての満足感は、同時に作品への安心感となって物語への集中力を高めてくれるはずだ。

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当時の報道を“外側で”見ていた私たちにとって本作は、例えとしては微妙だが“答え合わせ”のような側面もある。想像だにしなかったパニック寸前の極限状況を目の当たりにすれば、自然と当時の心境や言動を顧みることにもなるだろう。同時に、パンデミック被害の教訓や課題は今後の「当たり前」になるべきであり、巨大な経験値を得たDMATの活動が災害大国・日本における「安心」に繋がるはずだと、本作を観て強く思う。

© 2025「フロントライン」製作委員会

『フロントライン』は6月13日(金)よリ全国公開

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『フロントライン』

日本で初めて新型コロナウイルス集団感染に挑んだ者たちを描く《事実に基づく》感動のドラマ

未知のウイルスに最前線で立ち向かったのは、我々と同じ日常や家族を持ちながらも、目の前の「命」を救うことを最優先にした人々だった。船外から全体を指揮するDMAT指揮官・結城(小栗旬)と厚労省の立松(松坂桃李)、船内に乗り込んだ医師の仙道(窪塚洋介)と真田(池松壮亮)、そして羽鳥(森七菜)をはじめとした船内クルーと乗客たち。彼らは、TV局の記者・上野(桜井ユキ)らマスコミの加熱報道が世論を煽る中、明日さえわからない絶望の船内で、誰1人としてあきらめなかった。全員が下船し、かけがえのない日常を取り戻すために――。

出演:小栗旬
   松坂桃李 池松壮亮
   森七菜 桜井ユキ
   美村里江 吹越満 光石研 滝藤賢一
   窪塚洋介

企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才

制作年: 2025