「心のアカデミー賞」あげたい大傑作!世界が絶賛した実録演劇ドラマ『シンシン SING SING』
驚きと感動を与える傑作『シンシン SING SING』
映画ファンにはおなじみの某辛口レビューサイトでも、歴史ある老舗批評サイトでも、ほぼ満点評価。今季アカデミー賞に物申すとしたら『シンシン SING SING』に主要部門を与えなかったことだと多くの観客が感じるだろう。
主演コールマン・ドミンゴのキャリア最高の演技という評もあれば、実際に刑務所に収監されていた人々の見事な演技を称賛する声もある。もし事前情報を入れずに観たら強烈な驚きとともに、大きな感動と希望を味わうことができるはずだ。
『シンシン/SING SING』© 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.
米ニューヨークの<シンシン刑務所>。無実の罪で収監された男ディヴァインGは、刑務所内の収監者更生プログラムである<舞台演劇>グループに所属し、仲間たちと日々演劇に取り組むことで僅かながらに生きる希望を見出していた。
そんなある日、刑務所いちの悪党として恐れられている男クラレンス・マクリン、通称ディヴァイン・アイが演劇グループに参加することに。そして次に控える新たな演目に向けた準備が始まるが――。
『シンシン/SING SING』© 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.
更生を促す演劇プログラムとは? 実際の収監者たちが本人役を熱演
“刑務所映画”は数あるし、ズバリ実話ベースで演劇をテーマにした近作もあった。しかし、本作は外部の指導者が収監者たちに好影響を与えるという話ではなく、収監者たち自身が主導する実際の演劇更生プログラム<RTA(Rehabilitation Through the Arts)>を通して、かれらの交流と苦悩、成長を描く。しかも実話ベースで、キャストのほとんどが“本人役”を存在感たっぷりに演じている。
『シンシン/SING SING』© 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.
主人公ディヴァインGを演じたコールマンと、彼の相棒であり“Skullet”な髪型のマイク・マイク役のショーン・サン・ホセは実際に長らく共同作業をしてきた関係。RTAの外部演出家ブレント役に、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』(2019年)で強烈な印象を残したポール・レイシー。そしてディヴァイン・アイを演じるクラレンス・マクリンはRTAプログラムの実際の卒業生で、他メンバーも全員がRTAに参加してきた本人役を演じている。
『シンシン/SING SING』© 2023 DIVINE FILM, LLC. All rights reserved.