Netfli映画『エレクトリック・ステイト』が3月14日より独占配信中。本作はMCUひいてはアメコミ映画ブームの立役者であるルッソ兄弟監督(アンソニー&ジョー)が、“かつての近未来”を映像化してみせたレトロSF劇だ。
Netflix映画『エレクトリック・ステイト』独占配信中
かつて“あったかもしれない”近未来SF
……かつて平和に人間に仕えていたロボットたちがクーデターを起こし、追放されてしまった世界。人類はコントロール可能なロボットだけを残し、反乱に参加した多くの自律型ロボットを<エレクトリック・ステイト>と呼ばれる塀に囲まれた広大な土地に追いやり、かりそめの平穏を取り戻していた。
ロボット=危険な存在という常識が広まった世界で育った主人公のミシェルは、失踪してしまった弟クリストファーとどこか似た雰囲気をまとう黄色いロボットの“コスモ”と出会ったことで、今までの常識が覆されていく。ミシェルはコスモを操作しているのが弟自身ではないかと考え、コスモと共に彼を探す旅に出ることにするが――。
Netflix映画『エレクトリック・ステイト』独占配信中
シモン・ストーレンハーグ世界の実写化に感動
本作の舞台となるのは現実と想像が混ざり合った、いつか夢で見たような遠い記憶を刺激されるSF世界。シモン・ストーレンハーグの同名グラフィックノベルの存在を知ったルッソ兄弟が映画化権を獲得し、Netflixから資金を得て映画化した。鑑賞のハードルが低いNetflixを選んだのはファミリー映画として幅広く観てほしかったからだという。
Netflix映画『エレクトリック・ステイト』独占配信中
ストーレンハーグ作品といえば『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』がドラマ化されているが、今回も巨大なロボット(やハリボテ)、荒涼とした地平を進む車など彼の世界観が炸裂。やはり彼の“らしさ”はメカメカしたビジュアルだけでなく、自然(景観)と機械が6:4くらいの割合のシーンで強く効果を発揮する。
Netflix映画『エレクトリック・ステイト』独占配信中
ルッソ兄弟は自身の『アベンジャーズ』シリーズに引き続き、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの音楽を手掛けたアラン・シルヴェストリを招聘。ファミリー対応ということで原作のサスペンス要素は薄め、ビジュアル面では色彩濃度も高くシャープに。明快な冒険譚への改変に対してか批評サイトでは批判的な意見もあるようだが、原作の本質から大きく逸れてはいないし、この映画版がテーマをブレさせていないのはストーレンハーグ自身も認めていることだ。
Netflix映画『エレクトリック・ステイト』独占配信中