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ミッキーは「蒸気船」の頃からワルだった?次にホラー化する有名キャラは?『マッド・マウス』監督インタビュー

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ミッキーは「蒸気船」の頃からワルだった?次にホラー化する有名キャラは?『マッド・マウス』監督インタビュー
『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.
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「60年代に売られていたヴィンテージマスクを使った」

――今回、ミッキーにちょっかいを出そうと思った理由は?

ベイリーサイモン:ラスボスだからだよ!

――そのラスボスのマスクですが、ずいぶん凝っていますね!

ベイリー:あれは60年代に売られていたヴィンテージマスクなんだ。でも、カラーリングしてあったから白黒に塗りつぶした。というのも、パブリックドメインになっているミッキーは<白黒ミッキー>だけなんだよ。それから怖さの演出のために、まつ毛を取った。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

――ヴィンテージですか。続編でも使われるのでしょうか?

ベイリー:ヴィンテージというと聞こえは良いけど、重いし着け心地が最悪なんだ。だから使わないよ(笑)。

サイモン:それに呼吸がしにくくてね。ほんと勘弁してほしい。

ベイリー:『マッド・マウス』を観てくれたファンがeBayでレプリカを作って売っていてね、もう一体必要になったから買ったよ(笑)。これが出来が良くてねぇ。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

「ディレクターズカットが公開される日本はラッキーだよ!」

――サイモンさんは脚本も書かれていますが、今回ミッキーの中の人を演じた理由は?

サイモン:これまでマスクキャラを演じたことは沢山あるけど、マスクキラーを一度はやってみたかったんだ。

ベイリー:本作のプロモーションでミッキーと『プー あくまのくまさん』(2023年)のプーを戦わせる短編を作ったんだ。その時、ミッキーの中の人にアクションができる俳優を使ったんだけど、演出していて伝わらないことが多々あった。マスクだと表情ではなくボディランゲージで物語を作っていかなきゃならないからね。でも、本編で中に入ってくれたサイモンは“慣れている”から、とても撮影しやすかったよ。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

――オリジナル版と、ジョークと残酷描写が10分以上追加されたディレクターズ・カット、2つのバージョンが存在しますね。なぜ2バージョン制作したのでしょうか?

ベイリー:ディレクターズカットは20分長いよ! オリジナル版は本当に急いで撮ったんだ。それで公開したんだけど、テスト試写での観客の反応を見ると、もっとゴア描写を望まれていると感じた。だから森の一軒家と『アメリカン・サイコ』(2000年)のオマージュシーンを追加撮影したんだ。一軒家の場面は、テレポートの有効活用にもなったよ。君はどっちが好きだい?

――ディレクターズカット版に決まってるじゃないですか!

ベイリー:それはよかった。アメリカではオリジナル版しか公開できなかったけど、ディレクターズカットが公開される日本はラッキーだよ!

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

「“悪いスーパーマン”の良いアイディアが浮かんだ」

――お二人とも低予算の映画に長く携われています。予算が潤沢にある作品について思うことはありますか?

ベイリー:うーん。フラストレーションに感じるのは、僕たちが作っている映画と数千万ドルの予算で撮られているスタジオ作品が同じ土俵で比べられてしまうことかな。もちろん皆、予算の大小はあれど色々な制約の中で楽しい映画を撮ろうと頑張っているんだけど……。
ハリウッド大作の中でも駄作はあるわけで、要は情熱と優れたアイディアがないと良い作品にはならないし、なによりも観てもらわないとならない。その点、僕たちは沢山の人に観てもらえているから幸運だと言えるね。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

――沢山の人に観てもらいたいとのことですが、本作から観客にどんなことを受け取って欲しいですか?

ベイリー:純粋にエンタメとして楽しんでほしい。現実逃避に使うのもいいね。ポップコーンを食べながら、日々の悩みを吹き飛ばしてくれたらと思うよ。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

――ところで、ディズニーキャラ以外で弄りたいキャラはいますか?

ベイリー:ヒラリー・クリントン……というのはさておき、スーパーマン……悪くしたいな。

サイモンベイリー************(聞こえないように何か話している)

――どうしました?

ベイリー:“悪いスーパーマン”の良いアイディアが浮かんだんだ。

サイモン:えっとね……。

ベイリー:ダメダメ、内緒!

――うぅ……続編、楽しみに待っています!

ジェイミー・ベイリー監督『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.

……お二人とも悪ガキ丸出しで、「ああ、こういう純粋なホラークリエイターがインディーズホラー界の根底を支えているのだ」と感じることができた。同席していたご家族の方も明るく、笑顔が絶えない素敵な時間を過ごすことができた。

『マッド・マウス』は、いわゆるインディーズ映画の域を出ないかもしれないが、無邪気なホラー映画として楽しんでもらえたら幸いだ。

『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』は2025年3月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』

21歳の誕生日を迎えるアレックスは、バイト先のゲームセンターで店長から残業を頼まれ、夜遅くまで働くことに。一人きりの店内で不気味な人影を目撃した彼女は恐怖心を募らせるが、旧友たちによる誕生日祝いのサプライズパーティーであったことを知り安堵する。だが、楽しい時間も束の間、彼女たちの前に謎の”ヤツ”が出現。アトラクションを楽しむかのようにデスゲームを開始し、次々と血祭りにあげていく……!

監督・制作・編集・撮影:ジェイミー・ベイリー
脚本・製作:サイモン・フィリップス
作曲:ダーレン・モルゼ
出演:ソフィー・マッキントッシュ、マッケンジー・ミルズ、サイモン・フィリップス、カラム・シウィック

制作年: 2024