【一人の新聞記者 vs. 国家権力】松坂桃李主演『新聞記者』は時代に忖度しない衝撃の骨太政治サスペンス!

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ライター:BANGER!!! 編集部
【一人の新聞記者 vs. 国家権力】松坂桃李主演『新聞記者』は時代に忖度しない衝撃の骨太政治サスペンス!
『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ
政府による報道機関への圧力やメディアの自主規制(という名の忖度)が横行し、マスメディアの存在価値が揺らいでいる今、最後の砦とも言われる新聞メディアができることは何か? この国に真のジャーナリズムはあるのか? そんな社会問題に正面から向き合う政治サスペンス映画『新聞記者』がついに公開!

原案は東京新聞・望月衣塑子による話題作「新聞記者」

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

第二次安倍政権の発足以降、政府によるメディア統制が露骨になり、報道機関も自主規制に傾倒したことで、多くの国民がメディアへの不信感を募らせている昨今。マスコミが“権力の監視役”たる意義を果たせなくなっている中で、東京新聞の望月衣塑子氏はジャーナリストとして強い信念を持ち、官邸に屈することなく鋭い質問を投げかける“戦う女性記者”として注目を集めている。そんな彼女が2017年に上梓した「新聞記者」を原案に、新たにサスペンス要素を織り交ぜて完成させた社会派エンタテインメント作品が、この『新聞記者』である。

フィクションか?ノンフィクションか!? 現在進行形の時事問題を盛り込んだスリリングな脚本

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

本作は、日本と韓国のハーフでアメリカ育ちの若手新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)と、国家のために働くエリート官僚・杉原拓海(松坂桃李)がある事件をきっかけに出会い、官邸が秘密裏に進めようとする驚愕のプロジェクトの真相を暴いていく政治サスペンスだ。

いわゆるモリカケ問題や元TBS記者による準強姦疑惑事件など、記憶に新しい実際の事件を盛り込みドキュメントタッチに仕上げることで、リアリティと緊張感を孕んだ手に汗握るストーリーを完成させている。

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

強烈な風刺作品だけに賛否両論を生むことは必至だろうが、エグゼクティブ・プロデューサーの河村光庸は「映画こそ自由な表現を」と旗を掲げて制作に取り組んだという。禁断のテーマに挑んだその心意気に賛辞を贈りたい。

シム・ウンギョン×松坂桃李 日韓の若き才能の熱演に酔いしれろ!

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

観客を魅了する秀逸なストーリーだけでなく、W主演を務めたシム・ウンギョンと松坂桃李の演技合戦も見応えたっぷり。主人公の一人、吉岡を演じたシム・ウンギョンは、日本でもヒットした『サニー 永遠の仲間たち』(2011年)で主演を務めた実力派だ。

本作では、中立的な立場が求められるジャーナリストでありながら感情的に行動する人間味あふれる吉岡を、時に繊細に時に大胆に演じ、藤井道人監督も「(普段はおとなしい人柄なのに)カメラのフレームを通して見ると別人」と称賛する、憑依型の演技を披露している。

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

また近年、映画『娼年』(2017年)で体当たりの演技を披露し話題を集めた松坂も、シムの熱演に呼応するように家族と国家の狭間で苦悩するエリート官僚を見事に演じ切っている。特に不条理さに包まれる衝撃のラストシーンで魅せた圧巻の演技は必見。杉原の複雑な心情を表情で、視線で細かに表現し役者としての底の深さを証明してみせた。

「誰よりも自分を信じ疑え」― 観客への力強いメッセージ

『新聞記者』©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

本作で描かれる官僚機関やメディアの実態は、どこまでが真実なのか境界が曖昧ゆえに好奇心や疑心を掻き立てられるのだが、ジャーナリストであった吉岡の父が残した「誰よりも自分を信じ疑え」という言葉が、観客への強いメッセージになっていることは間違いないだろう。

本作を観て、何を感じ、何を疑い、何を信じるのか。真に迫るストーリーで観る者のシティズンシップや文化・社会的リテラシーを問う衝撃作を、ぜひ劇場で鑑賞してほしい。

『新聞記者』は2019年6月28日(金)より全国で公開。

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『新聞記者』

東都新聞記者・吉岡のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。
一方、内閣情報調査室官僚・杉原は信念と与えられた任務の間で葛藤していた。
真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!

制作年: 2019
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