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小ネタ解説を大量投下! 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と『遊星からの物体X』の関係は? 特撮を愛しすぎる科楽特奏隊が爆トーク!!

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ライター:#BANGER!!! 編集部
小ネタ解説を大量投下! 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と『遊星からの物体X』の関係は? 特撮を愛しすぎる科楽特奏隊が爆トーク!!
科楽特奏隊・タカハシヒョウリ(左)、科楽特奏隊・大内ライダー(右)
話題のハリウッド版ゴジラ第2弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を、特撮愛ならM・ドハティ監督以上(?)の特撮リスペクトバンド・科楽特奏隊の面々が徹底解説!!

影響は日本の特撮だけじゃない! ギリシャ神話やキリスト教モチーフも!?

※この記事は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の内容に触れています。閲覧には十分ご注意下さい。

タカハシ:劇中に登場する基地の番号が、それぞれの怪獣映画の公開年になってるっていう小ネタはかなり話題になってるけど、清水節さん(映画評論家)がおっしゃってた「ギドラを封印している南極の基地が『遊星からの物体X』(1982年)のオマージュになっている」っていうのは腑に落ちたんだよね。『物体X』で壊滅するのが第31基地で、『KOM』が32基地。今回の首がちぎれても修復するギドラのイメージは日本にはなくって、いわゆる『物体X』的なアメリカの“宇宙からやってきた不定形なクリーチャー”感が配合されてるのが面白いなって。

Dr.白神:たしかに日本の作品だけじゃなく、海外のホラー作品や、それこそ神話の影響もありますよね。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

大内ライダー:H・P・ラヴクラフトの「狂気の山脈」や「神殿」など、クトゥルフ神話からのオマージュも多いということを医学博士でネット配信者のDr.マクガイヤーさんがおっしゃっていて、日本だったら平成ガメラに“四神”が出てくるような感覚で、欧米のオタクの基礎教養として存在する文化の影響が色濃いんだなって。日本人だとピンとこない点も多いから、ホラーとクトゥルフ神話は勉強しようって思った。
(※クトゥルフ神話:H・P・ラヴクラフトが描いた小説の世界を基に、登場する土地や神々の設定などを体系化した架空の神話)

タカハシ:宇宙的恐怖(コズミックホラー)ってやつで、あれも外宇宙からやってきた超生命体が封印されていて神として崇められているっていう、まさに今回のキングギドラだよね。

キングギドラ (CAST / ゴジラオーナメント特撮大百科 宇宙超怪獣キングギドラ1968 :メンバー私物)

白神:キリスト教の影響もあるって言われてますよね。ギドラが復活するシーンで手前に十字架があるのも、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)で鳥居の奥にギドラがいるシーンのオマージュだっていう。

大内:モナーク(劇中の研究機関)が乗っている飛行基地“アルゴ”の名もギリシャ神話から来てますね。

白神:『アルゴ探検隊の大冒険』(1963年)っていうストップモーション特撮の名作もあって、そういうところから来てたりしますよね。他に小ネタ的なものはありますか?

タカハシ:先日ドハティ監督がツイートしていた「海底神殿にアンギラスっぽい骨がある」を確認しに映画館に行って、たしかに巨大生物の骨があるんだけど、アンギラスとまでは判別できなかった。

大内:ドハティ監督自身がツイートでどんどん発表してくれるんだよね(笑)。「みんな気付いてないけど、こんなのあるんだよ!」って。

「怪獣映画にテロ集団が出てきた時の“平成ゴジラ始まったー!”感はすごい」

タカハシ:あと、チェン博士(チャン・ツィイー)のお母さんの写真が、モスラの公開年の1961年にインファント島で撮られたものだったり。双子っていうのも、もちろん小美人のオマージュで。
(※インファント島:1961年の『モスラ』をはじめ東宝特撮作品に登場する太平洋上の孤島。同作で小美人を演じたのはザ・ピーナッツ)

白神:チェン博士の双子のリン博士を呼びに行ってるのが、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)に出てくるブルックス博士(コーリー・ホーキンズ)で。そのブルックス博士が結婚(※前日譚を描いたコミック『ゴジラ:アフターショック』参照)したのがジン・ティーエン演じるリン博士で、同じ呼び名なのですごくわかりづらい(笑)。

大内:『ゴジラVSデストロイア』(1995年)の時の黒木特佐くらい。

白神:前回登場時に演じていたのは高嶋政伸だったのに、代役でお兄ちゃん(政宏)になってるアレですね(笑)。

タカハシ:デストロイアといえば、オキシジェン・デストロイヤーがちゃんと初代のデザインでミサイルの中に入っている(笑)。あと海底要塞にメーサー砲が装備されてたり。

白神:芹沢博士が乗る潜水艇の下半分のデザインが、『ゴジラ』(1984年)に出てくる兵器・スーパーXに見えるんですが、あれは狙ってるのか、気になりますね。

タカハシ:あそこで芹沢がヘルメットをかぶって死地に赴くのも初代ゴジラの潜水服のオマージュだよね。でも行動は、オキシジェン・デストロイヤーの使用に反対してゴジラを生き返らせるために命を捨てるっていう、初代ゴジラとの対比になってる。

白神:Dr.白神的には、5年前のシーンから始まり、湖のほとりに住んでる研究者、テロ集団ときて「これは『ゴジラVSビオランテ』(1989年)だ!」と興奮しました。

大内:バイオメジャー(笑)。

タカハシ:怪獣映画にテロ集団が出てきた時の「平成ゴジラ始まったー!」感はすごいよね。

白神:実は、ジョナ(チャールズ・ダンス)たちが潜伏してるアジトは、『VSビオランテ』で主人公の桐島が招聘されているマサチューセッツ工科大学なんですよね。一瞬だけ朽ちた看板が映っていました。

東宝に怒られてもいい! 俺たちはこんなオマージュが観たい!!

白神:次回作『ゴジラVSキングコング(仮題)』では、こんなオマージュが見てみたい! というのはありますか?

タカハシ:バーニング・ゴジラまでやったし、あれだけ板野さん(1971年『ゴジラ対ヘドラ』の板野義光監督)の名前を大きく出したんだから、次はゴジラが飛ぶ(笑)。それで東宝に怒られるっていう。

大内:『キングコング対ゴジラ』(1962年)オマージュで熱海城……ではなくても、城での戦いが見たい! ハイデルベルク城とか、西洋の城で戦う(笑)。あとキングコングには高いところに登ってほしい、世界一高いドバイのブルジュ・ハリファとか。

タカハシ:あとは往年のゴジラ映画といえば、一度使ったシーンを使い回す“バンク”だよね。

(一同爆笑)

タカハシ:「このキングギドラとの戦い、なんか見たことあるな……前回と一緒じゃねーか! バンクじゃねーか!」っていう(笑)。この時代に、あえてのバンク。無理やり画面を暗くして。

白神:その発想はなかったですね。でも今回の、ムートーとの戦いの謎の記録映像も「どこで撮ったんだよ!」っていう(笑)。『ゴジラの逆襲』(1955年)でも山根博士がああいった映像を上映するシーンがありますよね。

タカハシ:あれも、ある意味バンクだよね(笑)

大内:今回も「全部録画してる」っていうセリフが出てくるから……。

タカハシ:それがバンクとして使われる可能性がある!

初めてのゴジラ民は必見! 科楽特奏隊おすすめの過去作品は?

白神:話は尽きないですが、最後に『KOM』が初めてのゴジラ映画体験になるという皆さんに、おすすめの過去作を教えて下さい。

大内:過去のゴジラ・ギドラの激闘を見るっていう意味では、『ゴジラVSキングギドラ』(1991年)がオススメです。エンタメとしても楽しめる。

タカハシ:『ターミネーター』も新作やるし(笑)、ちょうど良いタイミングだね。

大内:そこから元ネタの『地球最大の決戦』なんかを見てもらえたら。

タカハシ:僕は『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年)かな。というのも、今作で何かとゴマをすってると言われるラドンのカッコいい姿が見られるから(笑)。ぜひ自分の身を投げ打つラドンも見てほしい。

白神:意外と昭和の作品では、『地球最大の決戦』と並んで『怪獣総進撃』(1968年)の要素が多いのかもしれませんね。世界各地に怪獣が現れたり、怪獣をコントロールしたり。

タカハシ:あとはゴジラ以外の作品で、マディソン役のミリー・ボビー・ブラウンが良かったら『ストレンジャー・シングス』を、キングギドラのクリーチャー感に惹かれたら『物体X』も良いですね。

白神:なるほど、本日はありがとうございました!

文・構成:タカハシヒョウリ

ネタバレ全開! 徹底解説『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は「平成ガメラ」から「ストレンジャー・シングス」までオマージュだらけだ!!

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)より世界同時公開

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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

ハリウッド版「ゴジラ」最新作!前作『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界が舞台。モスラ、ラドン、キングギドラらの神話時代の怪獣たちが復活し、世界は破滅へと歩みを進める。

制作年: 2019
監督:
出演: