インドの英雄パッドマンが教えてくれる人生を変える心の持ち方

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ライター:#東紗友美
インドの英雄パッドマンが教えてくれる人生を変える心の持ち方
『パッドマン 5億人の女性を救った男』
アメリカを代表するヒーロー「バットマン」。彼と匹敵するくらい強いハートを持った男がインドに実在した!彼の名は…そう、「パッドマン」!世界一の愛妻家が、妻の悩みを解決するため奮闘する感動の実話をご紹介。

生活必需品が家計を切り詰めるほど高額だった時、アナタは?

突然ですが、直球で質問です。

生理用ナプキン1パックでお米が7キロも買えてしまう。

すなわち、半月分のご飯に相当する世の中に暮らしていたらどうでしょう?(※茶碗1杯約150gで朝昼晩食べる計算)

あなたは、ナプキンをこれまでと同様に買えますか?

 

2001年までのインドでの、生理用ナプキンの普及率は恐るべきことに12%という数字だったという…。

一般人にとって高級品の域である生理用ナプキン。

 

そんなナプキンを安価で開発することに成功し、インドの女性たちを5億人も救ったヒーロー。

そう、それがパッドマン。

そしてそれは、地球一の愛妻家の異名なのです。

 

―愛する妻に清潔で安心安全なナプキンを使って欲しい。

でもウチじゃ高くて買えない!俺が作るしかない!―

 

そんな強い愛をエネルギーに変換し、結果、ナプキンのインドでの普及に貢献し、女性達の社会進出にまでも大いに影響を与えた不屈の精神を持った愛妻家が登場する映画です。

観るものすべての心に勇気の灯をともしてくれる、傑作インド映画が上陸しました。

実話ならではの説得力!他にはない特別な夫婦愛の物語

『愛を積むひと(2015)』、『妻への家路(2014)』、『マダム・フローレンス!夢見るふたり(2016)』、『光をくれた人(2016)』、『ラビング 愛という名前のふたり(2016)』、『P.S. アイラヴユー(2007)』、『今度は愛妻家(2009)』、『あなた、その川を渡らないで(2014)』等、夫婦の愛にフォーカスをあてた名作は実話、フィクションともども多く存在し、あげていくとキリがない。

そして、どちらかといえば良い映画であっても鑑賞後に湿っぽくなり、ウェットな感情が残るタイプのものも多い。

しかし、本作は何と言ってもそこが異なります。

妻への想いを優しく包み込み、前向きな主人公ラクシュミの存在は、太陽にように明るい。そんな彼の人生を覗いている時間は、とにかく気持ち良い時間なのです。

もちろん楽しいだけでなく困難を乗り越えていく展開もあり、実話から生まれたからこそのトラブル描写なども納得の説得力もあります。

 

私達が常に忘れずにいたいあの考え方

そして、それだけではないんです。

ビジネス本のように役立つ側面をも持ち合わせた一石二鳥ぶりも。

「何故、女性が毎月使うものがこんなにも高いのか」という問いかけから生まれた「常識を疑う」という行為。

イノベーションには絶対的に必要である、この視点を決して崩さないラクシュミ。簡単なようでこの姿勢を保ち続けることは難しい。

 

この精神を掲げる人物といえば、

時代を代表する堀江貴文氏に2ちゃんねる創設者のひろゆき氏。

笑いのカリスマ千原ジュニア氏。

「神は死んだ」でおなじみのドイツの有名哲学者、ニーチェ。

探し出すとたくさんいるが時代に新しい風を吹かせてくれた人物が多いように伺えます。

 

自身の中に判断基準を持ち、「そう言うものだから仕方ない」を真の意味で捨てることができた時、一見成熟しすぎたように見える日本の社会においてもビジネスチャンスを見つけることができるかもしれません。

当たり前という錯覚にかかってしまいながら悶々と働いている大人にもエールをくれるんです。

 

一人の男性の妻を想う気持ちに涙し、仕事の姿勢を学び、インド映画おきまりの歌やダンスに心踊らせる。

まさしく一年の締めくくりとなる12月がぴったりの作品と言え、クリスマス映画にもおすすめできます。

あわせてチェックしたいコンテンツ

さて、最後に今年発売され話題となった「生理ちゃん」(小山健)という漫画は御存知でしょうか?

こちらは生理という現象を擬人化し、毎月月経と向き合う女性たちを描いた800万pvを越える閲覧数を記録した短編漫画です。

 

「大変なのを生理を理由にできないことが、大変なんです」などとやたらと共感できるセリフが散りばめられているのも驚きですが、このコミックを書いたのもなんと男性。

今回の映画のように日本でも月経小屋があり、インドと同様に「穢れ」として扱われてきた時代について描かれていたりして何気なく勉強になります。

この分野に興味をお持ちの方は、こちらも手にとってみるのも良いかもしれません。

 

「男って、生理の辛さを理解してない!」と悲嘆にくれている女性、

「パッドマン」はもうすぐ日本に上陸します。

今こそ男性に味方になってもらうチャンスが来たのかもしれません。

大事な人に観てもらうことで優しくしてもらえる時間が増えるちょっぴり特別な効能を持つ映画ですし、男性にとっては女性をもっと愛するきっかけとなってくれる映画だと思いますよ。

 

冬空のように澄み切った気持ちになれる愛の物語を大きなスクリーンでお楽しみください。

文・映画ソムリエ 東 紗友美

 

© 2018 SONY PICTURES DIGITAL PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

『パッドマン 5億人の女性を救った男』

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『パッドマン 5億人の女性を救った男』

2018年12月7日全国ロードショー

制作年: 2018
監督:
出演: