カルテルにアディオスせよ!デルトロ&ブローリンが暴力度増量で再びメキシコ麻薬戦争へ!『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』

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ライター:市川力夫
カルテルにアディオスせよ!デルトロ&ブローリンが暴力度増量で再びメキシコ麻薬戦争へ!『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によるハードコア職場体験映画こと『ボーダーライン』の続編、『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』が絶賛公開中! その見どころを市川力夫氏が解説します!!

バイオレンス度マシマシ!

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』©2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

FBI捜査官のケイト・メイサー(エミリー・ブラント)が上司にスカウトされて、CIAのマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)と謎の男アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)とともにメキシコ入り。しかしそこで目にした、街中に並べられた見せしめの首吊り死体をはじめとする麻薬カルテルの恐怖の実態、そしてマットとアレハンドロが仕掛ける許容範囲オーバーなカルテル撲滅運動に、ケイトは手も足も出ずただただ傍観者となってしまう……。

という、ハードコアすぎる職場体験学習のような映画だった『ボーダーライン』。ヨハン・ヨハンソンによる不穏極まりないなスコアと撮影監督ロジャー・ディーキンスの荘厳なカメラワーク、そしてドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の水責めのようにじわじわと恐怖を紡ぐ演出が神がかり的にマッチし、全編にわたってただならぬ緊張感が充満した逸品だった。そんな『ボーダーライン』の続編、というよりスピンオフ的な立ち位置の作品が『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』だ。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』©2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画は米カンザスシティーの商業施設で起きた自爆テロからはじまる。死傷者15人という大規模な自爆テロは、アメリカ全土を震撼させ、捜査の結果テロの実行犯がメキシコ経由でアメリカに入国したという疑いが強まった。そこでメキシコ・カルテル事情に精通するマットに米国防長官からお呼びがかかる。

「カルテルが国境を超えて運ぶもので、もっとも稼いでるのはなんだね?」と問われたマットは即答する。「20年前ではコカイン、今では密入国者です」。

そして、お上の「カルテルどうにかして」という無茶な要望に応えるべく、マットは「カルテルのボスの娘を誘拐してカルテル同士に混乱を巻き起こす作戦」を発案。このずいぶんハードモードなプランをやり遂げられるのはアイツしかいない! というわけで前作と同様、家族をカルテルに殺された復讐の暗殺者アレハンドロも死んだ目で緊急出動。ふたりは憎きカルテルにアディオスするため、再びメキシコ麻薬戦争の血なまぐさい渦に飛び込んでゆく……。

前作の重苦しいトーンはそのままに、バイオレンス度はマシマシになっている本作。それもそのはず、今回焦点が当たるのは前作で謎が多かったマットとアレハンドロ。そんなふたりの、決して仲が良いわけでもなく悪いわけでもない、仕事仲間や友人を超えた信頼関係が描かれ、前作では希薄だった人間味がちょっぴり垣間見れるのが嬉しい。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』©2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

監督は、イタリアに実在する犯罪組織を基に描いたTVドラマシリーズ『ゴモラ』や、ローマを舞台に政治腐敗と犯罪を描いた『暗黒街』など、社会派犯罪ドラマに定評のあるステファノ・ソッリマ。撮影は『プロメテウス』や『オデッセイ』など、近年のリドリー・スコット作品を手掛けるダリウス・ウォルスキーが担当。

ちなみに、前作から続けて脚本を担当するテイラー・シェリダンは本作の要。これまで『ボーダーライン』のほかに『最後の追跡』で不況にあえぐテキサスの労働者たちと治安の悪化、『ウインド・リバー』ではアメリカ人でさえあまり知らないネイティブ・アメリカン保留地を描いてきたシェリダン。アメリカの抱える闇をドラマチックにエンタメ化するシェリダン節は、さらに磨きがかかっている。

文・市川力夫

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は2018年11月16日(金)より絶賛公開中

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