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「キアヌの恩返し」から始まった『ジョン・ウィック』伝説! 最新作『コンセクエンス』公開記念 シリーズ徹底プレイバック【前編】

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ライター:#ギンティ小林
「キアヌの恩返し」から始まった『ジョン・ウィック』伝説! 最新作『コンセクエンス』公開記念 シリーズ徹底プレイバック【前編】
『ジョン・ウィック』Motion Picture Artwork ©2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. © David Lee
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「ナメてた相手が…映画」豊作の2014年

いまや、自分たちが到達したアクション映画の限界値を、最新作を作るたびに突破して、アクション映画シーン全体を進化させる役目も担っている偉大な映画シリーズの原点である『ジョン・ウィック』(2014年)とは、どんな映画だったのか?

ジョン・ウィック(字幕版)

『ジョン・ウィック』 発売・販売元:ポニーキャニオン 価格:【期間限定価格版】DVD¥1,800(本体)+税、Blu-ray¥2,500(本体)+税 Motion Picture Artwork © 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. © David Lee

――ロシアン極道のボンボンが、物静かなおっさんだと思って家に押しかけて、愛車(1969年式マスタング)を盗んで愛犬を殺したら、なんと! そのおっさんは裏社会では「ブギーマン殺しを請け負える」「鉛筆を使って3人殺したことがある」などの物騒な都市伝説をたくさん持つ、“ババヤガー”と恐れられていた元殺し屋でした! しかも、自分の父親の組織が発展したのも、そのおっさんのおかげ……どうしよう!? とりあえず父親がおっさんに電話をかけて謝罪したけど、烈火の如く怒っているおっさんに電話を切られてしまった……という悪役にとっては考えられる限りの最悪の事態を描いた、「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした!」ムービーを代表する作品。

ちなみに本作が公開された2014年は「ナメてたホームセンターの従業員が、実は元CIA凄腕エージェントでした!」な『イコライザー』も公開という「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした!」ムービーにとって豊作の年だった。

イコライザー (字幕版)

©2014 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation and Village Roadshow Films North America Inc. / Village Roadshow Films (BVI) Limited All Rights Reserved.

アクション映画史に殿堂入りするキャラクター、ジョン・ウィックを生み出したのは脚本家デレク・コルスタッド。彼は、後に新たな「ナメてた相手が~」映画『Mr.ノーバディ』(2021年)の脚本も書いている。そんなデレクが最初に考えたジョン・ウィックは、殺しの世界から足を洗ってから何十年も経つ60代半ば~70代半ばの老人という設定で、彼はポール・ニューマンやクリント・イーストウッドをイメージして脚本を書いた。

その脚本が映画会社サンダーロード・フィルムズのプロデューサー、バジル・イワニクの目に留まり、映画化へと動き出す。バジルも当初はジョン・ウィック役にイーストウッドやハリソン・フォードのような高齢の俳優を検討していた。しかし、最終的には「老人じゃなくていいから、人生経験が豊富そうなムードあふれる俳優」から選んだ結果、当時49歳だったキアヌ・リーブスに出演依頼が舞い込んだ。

キアヌとスタエルスキ監督の出会い

新たな企画を探していたキアヌは『ジョン・ウィック』に興味を抱いた。この時点で、まだ監督は決まっていなかったが、キアヌは監督にふさわしい人物を知っていた。

チャド・スタエルスキ――キアヌと彼の出会いは『マトリックス』(1999年)。当時、スタントマンだったチャドは、この映画でキアヌのスタントダブルを務め、撮影だけでなくトレーニングも共に行い、絆を深めた。そして2作目『マトリックス リローデッド』(2003年)からはキアヌのスタントだけでなく、格闘スタントコーディネーターも兼任。3作目『マトリックス レボリューションズ』(2003年)では、飛行能力のオーナーとなったネオ(キアヌ)とエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)の“空中カンフー・ファイト”を撮影するために、ツイストベルトというワイヤーワークでは不可能な動きができる装置まで開発している。

海よりも深い義理人情のオーナーであるキアヌは、『マトリックス』シリーズの撮影で自分を支えてくれたチャドに恩義を感じ、その後、『コンスタンティン』(2005年)などのアクションが必要とされる映画に主演する際には、自分のスタント&ファイト・コーディネーターはチャドにお願いするようになる。キアヌはチャドのことを、こう語っている

「僕の映画が成功したのはチャドのおかげ。僕のアクションは彼との二人三脚だ」

 

チャドにはデヴィッド・リーチという、スタントチーム<87イレブン>を共同経営する相棒がいた。当時のチャドは『ニンジャ・アサシン』(2009年)、『エクスペンダブルズ』(2010年)、『エクスペンダブルズ2』(2012年)などの作品のアクション監督を、相棒デヴィッドも『ニンジャ・アサシン』(チャドと共同)、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)、『コナン・ザ・バーバリアン』(2011年)などのアクション監督を務め、ハリウッドのアクション映画にはなくてはならない存在になっていた。そんな二人にキアヌは、『ジョン・ウィック』の脚本を送った。

「アクション満載の作品だから、気に入るだろう!」

そう自信満々に脚本を送ったキアヌだが、実は「もしも引き受けてくれなかったら、どうしよう……」とちょっぴり心配だったという。しかし、チャドとデヴィッドは脚本を気に入り、2人はこの映画で監督デビューすることになった。

次ページ:『スピード』以来20年ぶりのSWAT訓練!
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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた……。

監督:チャド・スタエルスキ
脚本:シェイ・ハッテン マイケル・フィンチ

出演:キアヌ・リーブス
    ドニー・イェン 真田広之
    ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン
    シャミア・アンダーソン ランス・レディック リナ・サワヤマ
    スコット・アドキンス イアン・マクシェーン

制作年: 2023