「気持ちよく死ぬことができました(笑)」
―間違っていたら申し訳ないんですけど、 大阪・コンチネンタルホテルの戦いの序盤、マルコ・サロールがホテルのロビーで兵隊たちと戦い出した時、彼と1対1で戦う黒髪ショートヘアで着物姿の日本人女性がいましたよね。あの女性は伊澤さんですか?
伊澤:私です(笑)。
―あのシーン、カッコ良かったです! この映画、ドニー・イェンVS真田広之、キアヌ・リーブスVSドニー・イェンなど名勝負だらけですが、さらに伊澤さんVSマルコ・サロールという夢のカードが観ることができるなんて贅沢な映画ですよ!
伊澤:短いんですけどね(笑)。
川本:あのファイトも本当はもっと尺があったんです。
―伊澤さんとマルコ・サロールとの対決が決まった経緯を教えてもらえませんか?
川本:ホテルのロビーで乱戦がはじまった時に、誰がマルコさんと戦うか? と考えたたら、僕としてはマルコさんに女性を惨殺……って言い方は良くないかな。マルコさんに女性を倒してほしかったんです。
―今の丁寧な言い方、そのまま文章にしておきます。人柄が伝わってくるので(笑)。
川本:それで、伊澤さんに戦いに入ってもらったんです。
―マルコ・サロールとのアクションはいかがでしたか?
伊澤:マルコさんとは、撮影前に練習をしない状態で本番だったんです。カメラテストをしながら動きの練習をして、という感じで。
川本:マルコさんは撮影前にファイトの練習はしているんですが、実際に本人同士が手を合わせるのは撮影現場だったんです。
伊澤:かなり短い時間にぎゅっと詰め込まれていたので緊張していたんですが、マルコさんはすごくアクションが上手い方なので、気持ちよく死ぬことができました(笑)。
―いい言葉をいただきました。なかなか聞ける言葉じゃないですよね(笑)。
「リナさんは演技もアクションも初めてで緊張されていたけれど、すごくエネルギッシュな方」
―伊澤さんはシマヅ・コウジの娘アキラのスタントダブルもやられていますよね。アキラの弓矢やナイフを使った戦闘スタイルがカッコ良かったんですが、どのように決まったんですか?
川本:ファイトスタイルに関しては、真田さん演じる父コウジが“侍”のイメージだったことと、アキラと対峙する敵は身体が大きい人や甲冑を着ている人たちだったので、 正面からぶつかっても勝てないかな、と思ったんです。それに正面からぶつかって戦ったら、ただカッコいいだけのアクションになっちゃうな、とも思ったので、相手の上からも下からも攻めて、身体の末端部分を狙って、そこを崩して倒してからトドメを刺すようにできたら良いな、と思って作りました。
―それで相手に飛びかかりながら弓を射る、ナイフで相手の脚を刺して動きを封じてから滅多刺しにして殺す戦闘スタイルになったんですね。
川本:あとは、刀は長いのでテクニックがないと、相手を制圧することが難しいと思ったんです。自分の手先に近い武器を使った方がスピードも上がるし、相手の下を潜ったりジャンプしたりするにしても、そっちの方が説得力は増すかな、と。それでナイフと折れた矢の二刀流で戦うスタイルをチャドさんに提案して作っていきました。
―伊澤さんは、リナ・サワヤマさんと一緒にアクションの訓練もされたんですか?
伊澤:そうですね。リナさんが練習に入る前に、耕史さんが考えたアキラのアクションのビデオコンテを撮っていたので、そのビデオコンテの動きができるように基礎練習から少しずつ難しくしていって、何回も何回も練習をさせていただきました。
川本:リナさんは「映画に出て、演技をすることが初めて」だとおっしゃっていて、アクションも初めてだったので緊張はされていましたね。ただ、ものすごくエネルギッシュな方で、ご自分が良いと感じたものは「自分でやりたい!」と思ってくださる方でした。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた……。
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:シェイ・ハッテン マイケル・フィンチ
出演:キアヌ・リーブス
ドニー・イェン 真田広之
ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン
シャミア・アンダーソン ランス・レディック リナ・サワヤマ
スコット・アドキンス イアン・マクシェーン
制作年: | 2023 |
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2023年9月22日(金)より全国公開
CS映画専門チャンネル ムービープラス 新作映画情報番組「映画館へ行こう9月号」
キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクションの第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を映画ライターのギンティ小林が徹底解説!川本耕史、伊澤彩織のインタビューなど盛りだくさんでお届け!
MC:小林麗菜 ゲスト解説:ギンティ小林
出演:川本耕史、伊澤彩織