漫画「キングダム」ファンも必見の中国ドラマ『キングダム~戦国の七雄』『コウラン伝 始皇帝の母』テレビ初放送! お馴染みの英雄たち多数登場

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ライター:上永哲矢
漫画「キングダム」ファンも必見の中国ドラマ『キングダム~戦国の七雄』『コウラン伝 始皇帝の母』テレビ初放送! お馴染みの英雄たち多数登場
『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited/『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

「戦国七雄」「始皇帝」テーマの中国ドラマ

人気漫画「キングダム」ファン必見の中国ドラマ、“戦国七雄 ”の興亡を再現した『キングダム~戦国の七雄』。そして始皇帝の生母の生涯を描く『コウラン伝 始皇帝の母』の2作が、CS放送「チャンネル銀河」でテレビ初放送される。

『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

日本の大河ドラマなどでも、よく見聞きする「戦国時代」。これ、実は古代中国から来た言葉なのはご存じだろうか? 今から2000年以上も前、中国大陸では七つの国々「戦国七雄」が争う戦乱がおよそ200年、続いた時代があった。

そう、映画化もされた人気漫画「キングダム」(作・原泰久/集英社)で描かれる、あの戦国時代のこと。その前の春秋(しゅんじゅう)時代と合わせて「春秋戦国時代」とも呼ばれる。ちなみに、日本でも人気の<三国志>の時代より、ざっと数百年以上も前のことだ。

やっぱり「中華統一」は簡単じゃない

漫画「キングダム」といえば、のちの始皇帝=嬴政(えいせい)と、「天下の大将軍」を目指す信(李信)の活躍を描く物語。いわば、始皇帝が「中華統一」をめざし、敵国である六つの国々(六国)を平定していくストーリーだ。ひと言でいうのは楽だが、実際にそう簡単にはいかない。

嬴政が13歳で秦の王位についた紀元前247年から、39歳で中国統一して「始皇帝」を名乗るまでは26年。四半世紀以上もかかっている。2006年に連載を開始した漫画「キングダム」の単行本が、現在67巻を数えるのも理解できるというものだ。

「キングダム」(作・原泰久/集英社)※編集部私物

あの王翦や李牧も登場!『キングダム~戦国の七雄』

さて、その人気漫画で描かれる長大な戦国時代の世界を、実写のドキュメンタリータッチで描いたのが、中国の本格派歴史ドラマ『キングダム~戦国の七雄』だ。燕・趙・楚・韓・魏・斉・秦の七国を、それぞれ1話約70分ずつで描くドキュメンタリー要素を含むドラマ(全7話)である。

【戦国七雄とは?】
燕 えん(紀元前1100年ごろ ~ 紀元前222年)
趙 ちょう(紀元前403年 ~ 紀元前228年)
楚 そ(? ~ 紀元前223年)
韓 かん(紀元前403年 ~ 紀元前230年)
魏 ぎ(紀元前403年 ~ 紀元前225年)
斉 せい(紀元前386年 ~ 紀元前221年)
秦 しん(? ~ 紀元前206年)

戦国時代マップ

これまで始皇帝の秦を中心とした作品や、一国の興亡を描いた作品は数多く作られたが、七雄の歴史を網羅して描く作品はなかった。

第1話目は、現在の北京付近を中心に栄えていた「燕」の物語。紀元前315年、38代目・噲王(かいおう)が、息子をさしおいて宰相の子之(しし)に王位を譲るところから始まる。これで国内は大混乱に陥り、隣国の斉(せい)の侵攻をゆるしてしまう。

『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

からくも滅亡は免れ、次の昭王(しょうおう)は「まずは私を優遇してください。私のような愚人でも優遇されると分かれば、優れた者が集まるでしょう」という郭隗(かくかい)の言葉を受け入れ、燕の再興に乗り出す。いわゆる「まず隗(かい)より始めよ」の故事である。

すると、他国から様々な人士が集まってきた。そのひとりが、のちに名将として名を馳せる楽毅(がくき)である。燕は彼の活躍で勢いを取り戻していく。さらにドラマ後半では、秦王(始皇帝)暗殺に赴く荊軻(けいか)も登場する。

『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

続く第2話の「趙」編では、冒頭に武霊王(ぶれいおう)が登場。当時の中華人が着用していた衣服では騎馬民族に勝てないため、みずから「胡服」(こふく)を着て馬を乗りこなし、軍制を一変。戦争に革命をもたらす(胡服騎射)。また「完璧」の故事で名高い和氏の壁(へき)を藺相如(りんそうじょ)が秦王に献上を持ちかける場面もある。

以降も「楚」編では、歴史的にも有名な呉起(ごき)や屈原(くつげん)が活躍し、「韓」編では韓非子(かんぴし)も登場。さらには王翦(おうせん)、白起(はくき)、廉頗(れんぱ)、李牧(りぼく)など漫画「キングダム」でおなじみのキャラクターも多数登場するので目が離せない。

『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

中華統一の瞬間までテンポよく描く、硬派で骨太な群像劇

とまあ、こんな感じで、一つひとつの国の興亡史が1話完結でまとめられている。トリを飾るのは、もちろん第7話「秦」編である。公孫鞅(こうそんおう)の改革で富国強兵がはかられるシーンから、秦王・政による楚の打倒、つまり中華統一の瞬間までがテンポよく描かれるのだ。

大規模な合戦シーンや派手な立ち回りはほとんどなく、ドキュメンタリータッチでの「王」を中心とした政争劇。「ここ、もうちょっと観たかったな」と思うところもあるが、戦国の七雄と国々の歴史を追いながら、秦の始皇帝誕生にいたる大略の理解を深めてくれる。

『キングダム~戦国の七雄』© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

原題は『風雲戦国之列国』という、硬派で骨太な「男の群像劇」は昨今の日本のドラマではあまり味わえない渋みを十二分に感じとれる。かつて三国志の長編ドラマ(『三国志 Three Kingdoms』[2010年])で関羽を演じた于榮光(ユー・ロングァン)が、今作で武霊王を演じているのは、その象徴といえようか。

趙姫はどんな人だった?『コウラン伝 始皇帝の母』は戦国七雄の外伝としても楽しめる

「もう少し、戦国ドラマを観たい!」という方にうってつけなのが『コウラン伝 始皇帝の母』という、同じく中国の連続ドラマ(全62話)だ。

タイトルのとおり秦の始皇帝(嬴政)の母親・趙姫(ちょうき)の物語である(※史実では、始皇帝の母は姓も名も不明だが、歴史書では趙姫、このドラマでは李皓鑭[り こうらん]という名で登場し、タイトルにもそれが使われている)。

『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

歴史書「史記」(呂不韋列伝)でも、趙姫は名前のとおり、もともと趙の国に住む女性で、大商人・呂不韋(りょふい)に妾として養われていた。彼女は、やがて秦の王子であった子楚(しそ)に気に入られ、その妻になり嬴政を生んだ。さらにいえば、子楚の妻になる以前、呂不韋との間に既に子を宿しており、政の本当の父親は呂不韋であったということが仄めかされている。

さらに「史記」などによると、その後、太后(王の母親)となった趙姫は、呂不韋や偽宦官の嫪毐(ろうあい)と密通するなど、貞操観念のない“悪女”として描かれている。漫画「キングダム」でもそれが踏襲されているので、あまり趙姫をよく思わない方もおられるだろう。

『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

だが、このドラマ『コウラン伝 始皇帝の母』で描かれる主人公は、これまで描かれてきた趙姫とは、まったく異なる。もちろん呂不韋や、嬴異人(子楚)との出会いから、やがて秦へ移り住んで嬴政の母になるという史実には基づくが、歴史書にない、彼女の強い「意思」や生き様がくっきりと描かれる。

趙の豪族の家に生まれながら、奴隷のような身分に落ちぶれるという境遇。趙王の正室(おば)との確執、呂不韋や子楚との三角関係など、史実の隙間を埋めるような濃密な人間ドラマが展開。趙や秦の後宮をめぐる人々の熱い生きざまには、観る側も感情移入してしまう。

『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

やがて登場する政が、どのようにして王へと成長し、李皓鑭(趙姫)は彼をどのように見守るのか……。先の『キングダム~戦国の七雄』とも連動した外伝としても楽しんで鑑賞できるドラマといえよう。

テレビ初放送! 見どころ盛りだくさんの両作

女性があまり目立たない『キングダム~戦国の七雄』に対し、『コウラン伝 始皇帝の母』は女性が主人公の長編ドラマ。なにより李皓鑭を演じる呉謹言(ウー・ジンイエン)が本当に美しい。

『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

また、相手役の呂不韋を演じる聶遠(ニエ・ユエン)は過去に三国志の趙雲(ちょううん)、西遊記の玄奘三蔵なども演じた名優。後宮における人間たちの醜くも必死な争いも面白いが、この二人の演技だけでも長々と見ていたくなる。

『コウラン伝 始皇帝の母』©DONGYANGHUANYU FILM&TELEVISION CULTURE CO.,LTD

いずれも注目の2作はCS放送「チャンネル銀河」でテレビ初放送。『キングダム~戦国の七雄』は2023年1月26日(木)13時より(スカパー!1話無料放送)、『コウラン伝 始皇帝の母』は2月6日(月)13時より放送される(スカパー!1、2話無料放送あり)。『コウラン伝』は過去、NHKBSプレミアムでの放送時は吹替・短縮版だったが、今回は<全62話・ノーカット字幕版>の完全版だ。まずはご鑑賞あれ。

文・上永哲矢(うえながてつや)

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