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音楽フェス史から社会問題までスチャダラANIもナルホド連発『This Is Pop:ポップスの進化』Netflixドキュメンタリー

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音楽フェス史から社会問題までスチャダラANIもナルホド連発『This Is Pop:ポップスの進化』Netflixドキュメンタリー
Netflixオリジナルシリーズ『THIS IS POP:ポップスの進化』独占配信中

自分が聴いてきた音楽は全然ポップスじゃなかった

どうも、アニです。Netflixオリジナルシリーズ『This Is Pop:ポップスの進化』を観ました。

ポップミュージックが(主にアメリカで)どういう風に進化していったのかを探る音楽ドキュメンタリー。全8エピソードで、現在のアメリカのポップミュージックで起きている現象はどういうところから始まっているのか、というのを解き明かしていくドキュメンタリーです。

どのエピソードも興味深くて面白かったんですが、このシリーズを観て思ったのは、自分の聴いてきた音楽がすごく偏っていて、全然ポップスじゃなかったという事実。このシリーズで語られていることのほとんどは知らない話ばかりで、それにはちょっとビックリしました。

どれも当時スゴい話題になってたみたいなんだけど、全く自分の耳に入ってきていなかったというのは、その時に特に興味なかったんだろうな、ということでした。結構イロイロ音楽聴いてるつもりなんだけど、自分の興味ある音楽というのは全くポップスとは遠いモノだったんだなぁ、としみじみ思ったり。

そういえば昔、とあるイベントに出た時に90年代のJ-POPのイントロクイズみたいなのがあったんだけど、ほとんど何の曲か判らなかったということがあったなぁ、とか思い出してました。なので、どれも新鮮な話で面白かったです。

ボーイズⅡメン、オートチューン、ヤンテラーゲン!

エピソード1で紹介される、ボーイズⅡメンがものすごいブームになってたというのも、ほとんど知らなかった。うっすら「流行ってるなぁ」と感じてたような気もするけど、レコードを買ったり、自分から進んで聴くようなことはなかったので、こんなにブームになってたんだということを知ってビックリしました。後のボーイズグループ(バックストリート・ボーイズとかイン・シンク等)に影響を与えてるのとかを初めて知りました。

エピソード2では歌声を補正するソフト、オートチューンも当時スゴい流行ったのは知ってるけど、どう開発されたのかとか、最初のヒット曲とか知らない話が満載で面白かった。オートチューンってものすごい流行って、一時期みんな使ってたんだけど、流行りすぎて廃れていったみたいです。新しいモノってみんなすぐ飛びつくけど飽きるのも早いのね、みたいな話もあったりして。

Netflixオリジナルシリーズ『THIS IS POP:ポップスの進化』独占配信中

エピソード3はスウェーデンの音楽事情の話で、観る前はアバとかカーディガンズとかの話なのかな、と思って見始めたら全然違って、アメリカのポップスにスゴいスウェーデン人プロデューサーたちが関わってるという話でした。何人も関わってるのになんでそんな話をあまり聞かないのかというと、スウェーデン人の気質というかスウェーデン流の生き方に“ヤンテラーゲン”(ヤンテの掟)というのがあるらしく、「自分を人より上だと思うべからず」みたいな考え方を普通にする為らしいです。それがとても新鮮で面白かった。

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カントリー、ブリットポップ、音楽フェス!

エピソード4はカントリーミュージックの話で、正直カントリーには興味がなくて、グラミー賞にカントリー部門があるのはなんでだろうと思ってたけど、このエピソードを観てちょっとだけわかったような気がしました。

エピソード5はブリットポップの話で、主にブラーとオアシスの話。当時だいぶ話題になってたらしいんだけど、恥ずかしながら全く知らなかったです。ヒップホップばかりに夢中になってて、たぶん他のことに興味がなかったんでしょう、初めて知る話だらけで面白かったです。

Netflixオリジナルシリーズ『THIS IS POP:ポップスの進化』独占配信中

エピソード6は音楽フェスティバルの話。今や音楽産業にとってとても重要な位置付けの音楽フェスは、ストレスが多い現代社会において息抜きとして重要な位置になってる。人が大勢で集まりたいのはDNAに刻み込まれた習性だそうで、友好的な熱狂を求めて集まる為に音楽フェスが存在してるらしいですよ。

アメリカのフェスの歴史は1960年代のヒッピーカルチャーから生まれたりとか、イギリスの世界最大の音楽フェス「グラストンベリー」はどういう過程で巨大フェスに成長していったかとか。あと80年代にアップルの創業者が主催したフェスとかは当時にしたらすごく進んでたフェスだったんだけど(冷戦時代に衛星で米ソのロックファンの対話とか)大赤字になったりで、アメリカのフェスには損失がつきものだったりするんだそうです。

それが90年代に入ってツアー形式にしたことによってやっと成功し始めるんだけど、ウッドストック30周年でやったフェス「ウッドストック’99」は商業主義すぎて失敗したりとか、興味深い話が多かったです。

Netflixオリジナルシリーズ『THIS IS POP:ポップスの進化』独占配信中

やっと知ってる曲が!「音楽と社会運動」

エピソード7は「音楽で社会は変わるのか」という内容で、最近のBLMや#MeTooといった運動のなかで歌の持つ役割とは、といった内容でした。

エピソード8はニューヨークにあるブリル・ビルディングで作られた4曲にまつわるストーリーなんだけど、その中の1曲、ザ・シャングリラズの「黒いブーツでぶっとばせ」(原題「Leader Of The Pack」)は何故か昔から好きな1曲だったので、その生まれた経緯とか、当時の歌ってる映像とか観れて嬉しかった。曲の中にセリフとかSEが入ってるから好きなのかな、内容もドラマみたいだし。

といった感じで、アメリカのポップスを様々な角度から検証した『This Is Pop:ポップスの進化』は観てみたら知らないことだらけで、音楽業界の片隅にいる自分にはとても為になるドキュメンタリーでした。気になるエピソードがあったらゼヒ見てみてくださいませ。それでは、また。

文:ANI(スチャダラパー)

『This Is Pop:ポップスの進化』はNetflixで独占配信中

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『This Is Pop:ポップスの進化』

人々を魅了し、時代を彩ってきた名曲ポップスの数々。その誕生秘話やエピソードから、ボーイズグループ、フェスティバル、オートチューンなどの影響を映し出す。

制作年: 2021
出演: