【東京の穴場編】「グルメ×名建築」池田エライザ&田口トモロヲのほっこりドラマ『名建築で昼食を』

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ライター:中山治美
【東京の穴場編】「グルメ×名建築」池田エライザ&田口トモロヲのほっこりドラマ『名建築で昼食を』
『名建築で昼食を』©「名建築で昼食を」製作委員会

建築マニアのブラッド・ピットは来日すると、建築家フランク・ロイド・ライトらの意匠が残る街を自らカメラに収め、ミシェル・ゴンドリー監督は、黒川紀章設計のメタポリズム建築「中銀カプセルタワービル」をはじめとする個性的な建物が立ち並ぶ街に興味を抱き、オムニバス映画『TOKYO!』(2008年)内の自作「インテリア・デザイン」に取り入れた。

世界も注目する日本の名建築。それらを愛でながら施設内に併設されたカフェやレストランで昼食を味わうという、贅沢なひと時を提案する真夜中ドラマ『名建築で昼食を』がテレビ大阪・BSテレ東などで放送中だ。建築×グルメの一挙両得の東京旅はいかが?

『名建築で昼食を』©「名建築で昼食を」製作委員会

エライザ&トモロヲのコンビが日本の隠れた名建築とグルメを堪能!

ドラマは、カフェ開業を夢見る主人公のOL・春野藤(池田エライザ)が、SNSで出会った“乙女建築巡り”を趣味とする建築模型士・植草千明(田口トモロヲ)と名建築を巡りながら、人生や仕事のヒントを得て成長していく物語。原案は、文筆家・甲斐みのりのガイド本「歩いて、食べる、東京のおいしい名建築さんぽ」(エクスナレッジ刊)で、名建築を見学するシーンはアドリブというドキュメンタリー要素が盛り込まれたハイブリッド型ドラマ。ところで、何やら想像を駆り立てる“乙女建築”って?

2020年8月15日放送の第1話で紹介されたのが、東京・飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)。1952年に創設されたフランス政府公式の語学学校・文化センターで、ホール<エスパス・イマージュ>でのフランス映画の上映イベントでもお馴染みの場所だ。都会のど真ん中にありながら、幹線道路からちょっと坂を上がった高台に広がる緑に溢れ、フランス関連書籍の書店もある突然のおフランスな空間に、ドラマの主人公ならずともテンションアップすることウケアイ。

『名建築で昼食を』フランセ東京

鉄筋コンクリート造りの3階建ての旧館を設計したのは、モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに師事した坂倉準三。白を基調にした一見シンプルな外観ながら、建物を支える柱が“シャンピニオン”の言葉通りきのこ型だったり、内装はフランス国旗のトリコロールカラーが絶妙に施されている。ノスタルジックで可愛い。それがまさに“乙女建築”なのだという。同所で味わう昼食は、1階にあるル・カフェのハムとチーズのパリジャンサンドとパテ・ド・カンパニューサンド。

『名建築で昼食を』©「名建築で昼食を」製作委員会

ここで2人は、名建築を愛でつつ、文学部出身ながらどうしても建築家になりたくて単身パリに渡った坂倉の人生に想いを馳せる。これぞまさに建築×グルメを堪能する至福のひととき。

池田と田口は、もともと建築に興味があったという。特に田口はル・コルビュジェに一時期ハマっていたそうで、写真集を眺めてはうっとりしていたそうだ。

『名建築で昼食を』山の上ホテル

2020年8月13日に、ドラマにも登場する山の上ホテル(東京・御茶ノ水)からリモート会見を行った田口は、「今回こういう形でやらせていただいて、コルビジェの名前はやはり名匠として数々出てくるので、自分がハマっていた時代を思い出します。その部分を今、いろいろくすぐられています」という。その最たる場所であるアンスティチュ・フランセ東京を訪問し、心がくすぐられている様子が表情からも読み取れるかも。

今後も都会の穴場建築が目白押し! エライザ&トモロヲのお気に入り建築は?

今後登場するのは、あの近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが手掛けた自由学園明日館(東京・池袋)、元皇族・朝香宮家の住居だった東京都庭園美術館(東京・白金台)、旧・千代田生命本社ビルを改修した目黒区総合庁舎(東京・中目黒)、サラリーマンに愛され続けているビヤホールライオン銀座7丁目店(東京・銀座)。

『名建築で昼食を』銀座ライオン

そして池波正太郎ら文豪に愛された山の上ホテル、多度津藩藩主跡地に建つ国際文化会館(東京・六本木)、独自の審美眼を持ち衣食住へのこだわりも半端じゃなかった実業家・白洲次郎と随筆家・白洲正子夫妻が戦時中に移り住んだ元農家・武相荘(東京・町田)、安藤忠雄が改修に参画した国立国会図書館・国際子ども図書館(東京・上野)の計10箇所。いずれも、東京にこんな場所があったのか! と驚かずにはいられない都会の穴場ばかりだ。

『名建築で昼食を』武相荘

2人に特に印象に残った建築を尋ねると、田口が挙げたのが東京都庭園美術館。

『名建築で昼食を』庭園美術館

「本当は皆さんにも全部行っていただきたいのですが、すごく圧倒されたのが東京都庭園美術館。サイズ感も良くて、キング・オブ・乙女建築……あっ! クイーン・オブ・乙女建築って感じでした」

続けて池田は「あくまで家族が過ごす場所として作られていて、そういう優しさが見えたりします」という。そんな池田が挙げたのは、学校法人・自由学園(東京・久留米市)が、1921年に東京・目白に創設した校舎を保存した明日館。国の重要文化財だ。

『名建築で昼食を』自由学園明日館 ©自由学園明日館

「ここでこういう子たちがこういう生活をするのだろう、ということを考えに考え抜いた先に造られた建物なんだろうなという瞬間が多くて、建築の成り立ちみたいなことを知ることによって、すごく身近に感じることができました。壮大なものと感じていた建築が、ここで女の子たちが恋の話をしたのかな? とか“勉強難しいね”とか話していたのかなと想像しました」

『名建築で昼食を』©「名建築で昼食を」製作委員会

また劇中では、池田演じる藤がレトロでクラシックなものが好きで綺麗な包装紙なども集めているという設定で、第1話には東京・神田の近江屋洋菓子店が登場。美大生が描いた包装紙と共に、千明への手土産としてドライケーキが紹介される。

今後も、東京みやげ情報なども盛り込まれるのかも? 1話30分のドラマだが、情報量たっぷり。

そうそう、千明はおっさん……もとい、男性。なのに乙女って何? と疑問に思われる人もいるだろう。劇中、千明のこんな台詞がある。

「乙女心って、女性だけのものじゃないでしょ。ロマンチックに物事を救いとる乙女心って、男女問わず、誰の心の中にもある。その乙女心を刺激される建築だから、乙女建築と呼ぶ」

『名建築で昼食を』リモート記者会見の様子 ©「名建築で昼食を」製作委員会

本作で、そして実際に巡って、あなたの中にも眠っているであろう乙女心を揺り起こしちゃってください。

文:中山治美

真夜中ドラマ『名建築で昼食を』はテレビ大阪にて毎週土曜 深夜0時56分から、BSテレ東ほかにて毎週土曜 深夜0時から放送

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『名建築で昼食を』

カフェ開業を夢見る主人公のOL春野藤は、「乙女建築」巡りを趣味とする中年の建築模型士、植草千明とSNSで出会う。名建築巡りをしていく中で、千明の独特の価値観に興味がわきはじめる藤。仕事に恋に悩み多き藤は、人生経験豊かな千明から発せられる一風変わった視点の何気ない言葉に心動かされ、勇気づけられ、前に進んで行く。

制作年: 2020
監督:
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