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放送一時中止! 大河ドラマ『麒麟が来る』を予習・復習! 意外と知らない明智光秀と“銃”のウンチク

放送一時中止! 大河ドラマ『麒麟が来る』を予習・復習! 意外と知らない明智光秀と“銃”のウンチク
NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

ついに大河ドラマも休止……戦国馬鹿のルーティーンに緊急事態発生

全国で緊急事態宣言も解除されつつ、東京ではステップ2からの東京アラートなるものが発令され、都庁やレインボーブリッジが赤く照らされる中、ついに! 2020年6月第1週目の日曜日から、わたくしが毎週欠かさず観ている大河ドラマ『麒麟がくる』がストップした。

これは3月末あたりから予想されていたことなので、ある程度は覚悟もできていたが、やっぱりなんだか寂しい。撮影ができないのだから仕方ないことなのだが、戦国馬鹿のわたくしにとって、大河ドラマは毎週のルーティーンであり1週間の楽しみでもあるので、無いとなると、なんだか身体のリズムもおかしくなる。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

とにかく私は大河ドラマが大好きで、今まで数々の大河ドラマを毎週欠かさず観てきた。特に戦国時代を扱った年は、日曜夜8時にオンタイムで観て、録画したものを後で観て、と最低2回は観るのだ。時には土曜の再放送も観る時があるので、そうなると都合3回も……大河ドラマは戦国馬鹿の生活の一部とも言える。

とはいえこんな時だからこそ今一度、大河ドラマ『麒麟がくる』の上半期を、戦国馬鹿なりに振り返ってみようと思う。

豪華キャスト集結! あの有名武将の意外性のあるキャラクター描写も見どころ

主演は長谷川博己さん演じる、明智光秀。誰もが知っている<本能寺の変>(天正10年)で、主君・織田信長を殺した有名人だ。明智光秀は過去にもいくつかの大河ドラマで脇役として登場しているが、明智光秀を軸に描かれるのは今回が初めて。戦国馬鹿としては、NHKの制作発表を聞いた時から「いよいよ来たか」と待ちわびた作品だ。ただし、明智光秀なる人物が戦国時代の書物や文献に出てくるのは、光秀が40歳を過ぎた頃からで、人生の前半は謎に包まれている。その謎の部分を今回のドラマではどう描くのかも、戦国馬鹿にとっては楽しみの一つなのだ。

そんな『麒麟がくる』で光秀は最初、美濃(現在の岐阜県)の武将で、本木雅弘さん演じる斎藤道三の家臣から始まる。“マムシ”と呼ばれた道三からの信頼も厚く、伊藤英明さん演じる道三の息子、斎藤義龍とは子供の頃からの親友として描かれている。また、斎藤道三・義龍の家督争いに巻き込まれた光秀が城を追われて浪人となる説が採用されており、戦国馬鹿から観ても納得の演出になっている。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

他にも、川口春奈さん演じる道三の娘で織田信長に嫁ぐ姫、帰蝶が美濃の斎藤家や尾張の織田家で活躍する演出も非常に面白い。これまた戦国時代の文献には帰蝶の名前がほとんど出てこないので、ドラマチックに演出できるのもこのドラマの面白いところだろう。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

さらに、染谷将太さん演じる織田信長が非常に興味深い。今までのドラマや映画では、幼い頃からヤンチャな悪ガキで不良性のある怖さが前面に出た信長像が多かったが、今回の信長はどこか頼りなさや人間の弱さも感じる。だが、革新的な発想はしっかりと持っている上、両親から愛されないことへのコンプレックスから、サイコ的な怖さも垣間見える。この演出に初めは違和感を覚えたが、回を重ねるごとに、実は本当の信長はこんな人物だったのではないかと思える様になってきた。今後、この信長がどの様に成長していくのかも見どころの一つだろう。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

諸説ある<本能寺の変>で明智が信長を討った理由、本ドラマでは?

明智光秀に話を戻すと、浪人となった光秀は越前(現在の福井県)の朝倉家で過ごしていて、京都の将軍家にもパイプを持ち始めている。この辺りは史実に基づいた展開となっており、ここから将軍家の家臣となり、光秀自身が使者として信長に近づいていくのが予想できる。この光秀と信長ががっつりタッグを組み、戦国の世で織田家が躍進していくところも楽しみのなのだが、やっぱり最大の楽しみは、光秀がどんな理由で本能寺の変を起こすのか? そのことを考えるだけで戦国馬鹿はワクワクしてくる! なぜなら戦国時代最大のミステリーが<本能寺の変>なのだ。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

あれだけ信長に取り立てられて、織田家家臣団の中で一番出世していった光秀が、なぜ信長を討つのか!? これには怨恨説や黒幕説など様々あるが、今回の大河ドラマではどの説を使うのか? はたまた新たな説で、光秀が信長を討つ決断をするのか?? もう今から楽しみで仕方がない。

まさに百発百中! 明智光秀は戦国随一の射撃の名手でもあった!?

ちなみに今回の戦国馬鹿からの雑学。ドラマでも何度か光秀が鉄砲を撃つ場面があったが、光秀は鉄砲の名手だったと「明智軍記」という江戸時代の書物に残されている。その中で、朝倉家の当主、朝倉義景の要請で鉄砲の腕前を披露することになった光秀は、30センチ四方の的に、約45メートル離れたとこから、100発中68発を的の中心の黒い部分に当て、残りの32発も的自体に当てたと書かれている。光秀は本当の100発100中をやってのけるほど、狙撃の名手だったそうなのだ。

しかし、当時の鉄砲(火縄銃)は非常に命中率が悪かった。なぜなら、今のライフル銃は銃身の中(銃の筒の内側)にスパイラルの溝を切って、弾をラグビーボールのように横回転させながら直進性を生み出し命中率を上げるのだが、火縄銃にはこの溝が無い。そのため弾が思うように真っ直ぐ飛ばないのである。その中でのこの命中率は、多少話を盛ってあるとしても、光秀の腕前は確かな物だったということだろう。

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

戦国馬鹿芸人が語る! 意外と知らない“火縄銃”にまつわるウンチク

もう一つ鉄砲にまつわる雑学を挙げると、現在のスポーツ実況などで、アナウンサーが試合開始の時に「さあ今、戦いの火蓋が切って落とされました!」と実況する場面があるが、この“火蓋”とはまさに火縄銃のある部分のことなのだ。ここからの説明は少しややこしいが、ご勘弁を。

当時の火縄銃は筒先から火薬を入れて、その次に鉛の弾を入れ、棒で奥に押し込む。次に、引金のやや上にある火皿に火薬をのせ、そこに火ばさみに挟まれた火のついた縄が、引き金を引くことで落とされ、火皿の火薬に引火して、筒の中の火薬が爆発し弾が飛んでいく、という仕組みになっている。この火薬を乗せる火皿の火薬が間違って引火しない様に蓋をする、その部品こそが火蓋なのだ。

戦国時代、戦いの最初は距離を取っての鉄砲や弓矢などの打ち合いから始まったと言われており、つまり鉄砲がスタートの合図だったのだ。鉄砲を撃つということは当然、火皿に火薬が乗っていて、火蓋を開け、火縄が落されるわけだ。そこからスポーツでも始まりを表現するのに「火蓋が切って落とされた」を使っているのである。

戦国時代の言葉が今でも使われているなんて、戦国馬鹿はこんなことにも浪漫を感じてしまう。他にも“刀”の用語が現代でも使われており、例えば刀の……また長くなりそうなので、この話しはまたの機会に。

とにかく大河ドラマは一旦止まったが、まだ観ていない人や観るのを途中でやめた人も、もう一度観直すチャンスの期間だと思うので、大河ドラマ『麒麟がくる』で戦国馬鹿のようにワクワクや浪漫を感じてみてはいかがでしょうか。

文:桐畑トール(ほたるゲンジ)

『麒麟がくる』はNHKにて2020年1月19日(日)から放送、6月7日(日)<第21回>の放送をもって一時休止中

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『麒麟がくる』

若きころ、下剋上の代名詞・美濃の斎藤道三を主君として勇猛果敢に戦場をかけぬけ、その教えを胸に、やがて織田信長の盟友となり、多くの群雄と天下をめぐって争う智将・明智光秀。謎めいた光秀の前半生に光を当て、彼の生涯を中心に、戦国の英傑たちの運命の行く末を描く。

制作年: 2020
出演: