Netflixで『呪怨』シリーズ初ドラマ化! ドス黒い日本犯罪史とシンクロする恐怖『呪怨:呪いの家』

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ライター:市川力夫
Netflixで『呪怨』シリーズ初ドラマ化! ドス黒い日本犯罪史とシンクロする恐怖『呪怨:呪いの家』
『呪怨:呪いの家』

90年代に生まれたJホラーといえば、日本が世界に誇る一大ジャンル。そのなかでも清水崇監督が1999年に発表した『呪怨』シリーズは、サム・ライミがプロデュースしたリブート版『ザ・グラッジ(原題)』が2020年1月に全米公開されるなど、20年経ってもいまだ絶好調。そしてこの度、Netflixオリジナルドラマとしてシリーズ初の全6話から成る連続ドラマ『呪怨:呪いの家』が誕生した。

『呪怨:呪いの家』

呪いの“起源”をドラマシリーズでじっくり描く!

映画は1988年からスタート。ある日、心霊研究家の小田島(荒川良々)のもとに1本のテープが届くが、それは心霊番組(夏木ゆたか司会!)で共演したタレントの本庄はるか(黒島結菜)から送られたものだった。はるかの自宅で録音されたというそのテープを再生すると、そこには判別不能の不気味な音声が収録されていた。

『呪怨:呪いの家』

いっぽう、女子高生の聖美(里々佳)は転校早々、まだ馴染めないまま級友たちの誘いに乗り、よせばいいのに“猫屋敷”と呼ばれる空き家へ肝試しに行ってしまう。

『呪怨:呪いの家』

そこから時間は飛び、映画は90年代に突入。小田島、はるか、聖美に加え、虐待されている子どもを気にかけるソーシャルワーカーの有安(倉科カナ)、連続幼女誘拐殺人事件の犯人「M」(柄本時生)なる男らも物語に絡み……。

『呪怨:呪いの家』

これまでのシリーズでは禍の元凶である佐伯伽椰子の呪いに触れてしまった人々の顛末がオムニバス形式で描かれていたわけだが、今回はオムニバス形式ではないというところがひとつのポイント。しかし、一見関係のないような人々が、“呪い”に導かれるように絡み合うという構造は踏襲されており、英題の『JU-ON:Origins』というところからもわかる通り、呪いのオリジン=起源が描かれていく。

『呪怨:呪いの家』

ドス黒い日本犯罪史がじわじわと物語に編み込まれていく恐怖!

そんな本作で重要なのは、劇中に度々挿入されるテレビのニュース映像が映り込む場面。そこでは1988年の女子高生コンクリート詰め殺人事件をはじめ、宮崎勤による東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件、1997年の神戸連続児童殺傷事件、オウム真理教による数々の事件などなど、昭和の終わりから平成までに起きた数々の大事件の報道番組が映し出される。そして、世間を騒がす大事件の裏でじわじわと進行する本作の物語には、名古屋妊婦切り裂き殺人事件や東電OL殺人事件など、実際の未解決事件を彷彿させる展開も乱入。

『呪怨:呪いの家』

さらには小田島とMの関係性が、まるで稲川淳二とそのファンであったといわれる宮崎勤の関係性のようだったりと、実際の出来事とシンクロしながら突き進んでいき、シリーズ屈指のノワール度で、すさまじくドス黒い日本犯罪史が編まれてゆく。脚本は『女優霊』(1995年)や『リング』(1998年)の脚本を担当した高橋洋と、これまでの『呪怨』シリーズのプロデューサーである一瀬隆重のタッグだ。

『呪怨:呪いの家』

監督は、『きみの鳥はうたえる』(2018年)などで知られる三宅唱。これまでの作品でも、若者たちの何気ない日常や、こちらが観ていて気恥ずかしくならないクラブ(踊るほう)のシーンをちゃんと撮れる、という演出力を本作でも遺憾なく発揮。三宅作品では常連の撮影監督・四宮秀俊の叙情的でありながら緊張感のあるたしかな仕事も相まって、ホラー初監督でありながらしっかり三宅監督らしさを残している。

『呪怨:呪いの家』

『呪怨:呪いの家』はNetflixで2020年7月3日(金)より独占配信

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『呪怨:呪いの家』

40年間にわたる実際の出来事を基に制作され大ヒットしたJホラー『呪怨』シリーズ。フィクションよりおぞましいその現実の衝撃を今、余すことなく描き出す。

制作年: 2020
監督:
出演:
  • BANGER!!!
  • ドラマ
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