スタンダップ3作でギャラ65億円!? 表舞台に帰ってきたコメディ界の帝王デイヴ・シャペルがNetflixで言いたい放題!

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ライター:久保憲司
スタンダップ3作でギャラ65億円!? 表舞台に帰ってきたコメディ界の帝王デイヴ・シャペルがNetflixで言いたい放題!
Netflixオリジナル作品「デイヴ・シャペルのどこ吹く風」独占配信中

ギリギリアウト!? な過激ネタがウリのスタンダップ・コメディ界の帝王

今世紀最大のスタンダップ・コメディアンはデイヴ・シャペルでしょう。リチャード・プライヤー、レニー・ブルースを抜いて断トツのヤバさです。面白いかどうかは人によって違いますが、ヤバさが一番なのは間違いないです。

Netflixオリジナル作品「デイヴ・シャペルのどこ吹く風」独占配信中

ネットフリックスの復帰三部作『デイヴ・シャペルのデタラメだらけの時代/テキサスと言えば』『デイヴ・シャペルの冷静沈着&汚れた鳥』『デイヴ・シャペルのどこ吹く風』を見ていて、客席からピストルで撃たれないかとハラハラしていました。それくらい人を傷つけるネタをやってます。もうちょっとリベラルさがあったほうがいいんじゃないかと思うんですけど、でも、お笑いだから。

ポリティカル・コレクトネス(民族・宗教・性などによる差別を含まない、中立的な表現を用いること)の時代から言うと、「ディヴ・シャペル、アウト!」なコメディアンでしょう。でも賢い人だと思いますよ。ご両親は大学教授らしいですし、頭の賢さはとんでもないと思います。ちゃんとアウトにならないような気配りはしています。でも、頭の固い人からは「アウト!」と言われてしまうんでしょうね。

配信サービスの時代が到来! スタンダップ3作で65億円の契約で現場復帰したデイヴ・シャペル

だからこそ10年近く雲隠れしていたのだろうという気がします。原因は父の死をきっかけに、自分が作るステレオ・タイプなキャラクターに嫌気がさした、とのことだそうですが。

今回の新作ネタでは雲隠れの理由について、黒人小説の傑作『ピンプ』に出てくる“娼婦というのは壊れるもんなんだ。売春を500回やったら壊れてしまうんだ”という話と絡めていました。自分のネタは、自分の身を切っているようなもので、それを498回までやったから一度辞めてみた、ということだったのでしょう。子供もいて、あのネタをやっていたら、脅迫とかもすごかったと思います。それへの回答として、一度パッと引いてみたのは賢い選択だなと思います。

Netflixオリジナル作品「デイヴ・シャペルのどこ吹く風」独占配信中

そんなシャペルを今回、Netflixが番組3本に6000万ドル(約65億円:2019年9月時点)を支払って復帰させたというわけです。公共放送では復帰できなかったでしょうね。ストリーミングの時代が来て、「好きなこと言わせてもらうよ」と確約をとって、戻ってくることができたのです。

2018年のグラミー賞で、ケンドリック・ラマーのステージに突然絡んだのも衝撃でした。衝撃ってほどでもなかったか。人がどんどん撃たれて殺されていくショーを、緩和させる役をやっていました。あのケンドリック・ラマーのショーはTVでは重すぎました。それを緩和させる役だったんですが、そういうこともできる人なのです。

シャペルにNGネタなし!? ギリギリの人種イジりから自身への差別行為もしっかりネタに

ディブ・シャペルの面白さは、黒人、白人、メキシカン、アジア人もバッタバッタと切っていくところです。ネタを書いていいのかどうなのか分からないですけど(これぞネタバレですね)、

「俺たち黒人より下の奴らがいるんだよ。貧乏な白人だ。そいつらがトランプに(票を)入れたんだ」

……すごいでしょう? よく撃たれないなと思います。ただし、バナナは投げられました。投げた奴は警察に捕まったそうで、“スタンダップ・コメディ中にバナナを投げたらダメ”ということを初めて知りました。抗議のような気もするのですが、ヘイトクライムになるんですね。白人が黒人に投げたからでしょうか。

白人が「ニガー」と言うのも逮捕されるくらい重い罪みたいで、これもネタに出てきました。かつてデイヴ・シャペルは白人青年4人に2度も雪玉を投げつけられたそうですが、2度目の時に「ニガー」と呼ばれ、その青年たちは逮捕されました。雪玉を投げつけるのは大した罪にならないんですが、黒人に白人が「ニガー」と呼ぶのはヘイトクライムになるそうです。

青年のお母さんが「息子が大変なことを言ってしまいました。でも、どうかお願いです起訴しないでください」と泣いているのを、すごくネタにしていました。書きたいけど、ネタバレになるのでNetflixで本編を見てください。

デイヴ・シャペルと一番似ている日本のコメディアンはダウンタウン・松本人志?

デイヴ・シャペルと一番似ている日本のコメディアンといえば、ダウンタウンの松本人志さんかなと思います。奥さんも子供もいるのに、自分のオナニー・ネタなどをちゃん喋っていく感じが似てるなと。松本さんの場合は風俗ですが。二人とも平気で喋っている感じではなく、家族に遠慮しながらも、正直に自分の気持ちを喋りながら、笑いに持っていってます。

松本さんもデイヴもそうなんですけど、“どれだけ正直に喋るか”、そこにしか本当のお笑いがないと言うのをよく分かっているなと。多分、二人が頂点を極めたのはこれですよね。デイヴはまた疲れて雲隠れとかするかもしれないですけど、それまでにはもうちょっとリベラルに持っていけないかなと思いつつも、楽しく笑って見ていきたいです。

Netflixオリジナル作品「デイヴ・シャペルのどこ吹く風」独占配信中

文:久保憲司

『デイヴ・シャペルのどこ吹く風』『デイヴ・シャペルのデタラメだらけの時代/テキサスと言えば』『デイヴ・シャペルの冷静沈着&汚れた鳥』はNetflixで独占配信中

 

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『デイヴ・シャペルのどこ吹く風』『デイヴ・シャペルのデタラメだらけの時代/テキサスと言えば』『デイヴ・シャペルの冷静沈着&汚れた鳥』

制作年: 2019
監督:
出演:
  • BANGER!!!
  • ドラマ
  • スタンダップ3作でギャラ65億円!? 表舞台に帰ってきたコメディ界の帝王デイヴ・シャペルがNetflixで言いたい放題!