昭和のAV黎明期に18歳だったスチャダラANIがノスタルジー全開で観る『全裸監督』

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
昭和のAV黎明期に18歳だったスチャダラANIがノスタルジー全開で観る『全裸監督』
Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」独占配信中

 

当時18歳のANI、原付に乗って隣町までアダルトビデオを借りに行く

どうも、ANIです。今回はやっぱり『全裸監督』です。Netflixで絶賛配信中です。

ドラマの舞台である80年代当時は今と違ってエロがそんなに身近じゃなく、まだまだ遠くにある時代でした。動いてるおっぱいをじっくりと家で見られるようになるなんて夢のまた夢。わざわざポルノを上映している映画館とか(当時は街に一つくらいはまだあった)に行かないとなかなか拝めない、そんな時代です。

Netflix『全裸監督』

そしてまだまだエロ本などの紙媒体が主流でした。たまにテレビで女性の裸体が出てくること(入浴シーンとか)が、今よりはあったりするくらい。そしてビデオデッキの普及により、エロも映画からビデオの時代になっていく。『全裸監督』でも、その辺の描写がありましたね。

そんな頃に「オールナイトフジ」なんかの深夜番組が流行り始めて、その中にビデオソフト情報のコーナーがあって、初期のアダルトビデオが紹介されてたんです。それが唯一の情報源だったりして、とても貴重でした。その後も「ミッドナイトin六本木」や「TV海賊チャンネル」など、裏番組が過激なエロ(ティッシュタイムや性感マッサージ等)で凌ぎを削ってましたが、やりすぎで注意されただかなんかで、大人しくなっていったんじゃないかな。

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」独占配信中

そんで18歳になった頃には街にレンタルビデオショップが次々に開店しだして、近所にもできはじめて、といっても隣の駅とかくらいの距離に。なので原付バイクに乗って、隣町のレンタルビデオショップに借りに行くという日々を送っていた者としては、今回のドラマ化にはなんとも言えないものがありますね。まさか、なんとなくお世話になっていたアダルトビデオ業界の内幕がドラマになるなんて。スゴい時代になったもんです。

どうせならビースティ・ボーイズと黒木香の共演もやってくれたらよかったのに

当時からAVメーカー「クリスタル映像(劇中ではサファイア映像)」のビデオもよく借りてたんですよ。ドラマの中でも出てくるけど、当時はイメージビデオっぽいのが流行っていて、ソフトな感じのが主流だったんで、イマイチ物足りなさを感じていた頃に、クリスタル映像の感じはなんか一風変わっていたんで、つい借りがちでした。

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」独占配信中

なので当時も見てます、黒木香のデビュー作『SMぽいの好き』。あの有名な笛を吹く演出は、あの頃のクリスタル映像でよくやってたんじゃないかな。最初に見たのは『SMぽいの好き』じゃなかったです、確か。

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」独占配信中

そんな直撃世代のワタクシですから、もちろん『全裸監督』は楽しめました。全8話という長さもよかった。海外モノでよくある“実話を基にした”というのも、知ってる時代の知ってる話だとこういう風になるのか、なるほど~というのもあって面白かった。どうせならビースティ・ボーイズが初来日の時に出たテレビ番組「11PM」で黒木香と共演してるところ(※「ビースティ・ボーイズ 11PM」でググると当時の動画が観られます)とかもあったらよかったのになぁ、とはちょっと思ったけど。190カ国で配信されてんだし。

でも、なかなかこういう話ってドラマ化されたりしないので画期的なことなんじゃないでしょうか。これからイロイロ増えていくのかな、楽しみ楽しみ。

あの頃の“昭和の風景”が好き! オススメは『大都会』シリーズ

『全裸監督』の時代は昭和から平成に変わる頃の話ですが、なんか昭和の風景が好きなんですよねぇ。だから、その頃の邦画とかドラマなんかをつい見がち。『女囚さそり』シリーズ(1972年~)とか、松本清張原作のとか。

その中でも見たら面白くてビックリしたのが、『大都会 -闘いの日々-』(1976年)です。派手なカーアクションとかは『大都会 PART II』(1977年~)からで、のちの『西部警察』(1979年~)につながっていくんですが、最初の『大都会』は暴力団絡みの渋い人間ドラマで面白いんですよ。

舞台も70年代の渋谷あたりで、まだおしゃれな雰囲気が全くない代官山とか中目黒あたりが出てきたりして。渡哲也演じる主人公・黒岩の妹が渋谷のパルコで働いてたりして。話も(渋谷区)桜ヶ丘のマンションの一室の麻薬密造工場が爆発して、その遺留品から……とか。

主人公の惚れた女が出てるブルーフィルム(ポルノ映画)を探して熱海に行くエピソードがあるんですけど、アダルトビデオが普及する前の温泉での娯楽ってこんななんだ、っていうのを知ることができて面白いですよ。ゲストも豪華だし、石原裕次郎は41歳なのにすごい貫禄だし。

ちなみに『大都会 -闘いの日々-』での裕次郎のあだ名は「バクさん(無類の博打好き)」って、今だったらイロイロ問題ありそうですが、これが普通に夜9時から放送されてたっていうんだからビックリしますけど、マジで面白いですよ。『大都会』はシリーズ1~3までhuluに入ってるんで、気が向いたら観てみて。

文:ANI(スチャダラパー)

『全裸監督』はNetflixで独占配信中。

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『全裸監督』

1980年代。黎明期のアダルトビデオの世界に殴り込み、日本の性意識に風穴を開けた風雲児、村西とおる。日本における“エロ”の概念をひっくり返し、伝説のAV女優・黒木香とともにお茶の間にも進出した村西が仲間たちと新たな時代を創り上げる実話に基づいた物語。

制作年: 2019
監督:
出演: