今こそイッキ観!『ハウス・オブ・カード 野望の階段』ついに完結

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#BANGER!!! 編集部
今こそイッキ観!『ハウス・オブ・カード 野望の階段』ついに完結
Netflix『ハウス・オブ・カード 野望の階段』
皆さんお待ちかね、Netflix『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の最終シーズンが絶賛配信中! 6シーズンにわたってアメリカ政界の真っ黒な“裏側”を描いてきた同シリーズを、今こそイッキ観しちゃいましょう!!
※この記事はネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ケヴィン・スペイシー不在の最終シーズン、結局どうなる?

Netflix『ハウス・オブ・カード 野望の階段』

あのデヴィッド・フィンチャー監督と名優ケヴィン・スペイシーが手がける、アメリカ政界を舞台にした超大作ドラマシリーズ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』がNetflixで配信! と報じられたのは2013年のこと。そして本国に遅れること数年、2016年からNetflix Japanでも配信がスタートし、ついに2018年11月2日から最終シーズン(S6)が配信中だ。

そんな『ハウス・オブ・カード 野望の階段』はもちろん全ドラマファン必見の傑作なのだが、意外と「完全に乗り遅れた!」「なんか難しそう」「今から追いかけるのはちょっと……」なんてNetflixユーザーも少なくないようだ(注:周囲のNetflixユーザー10人くらい調べ)。しかしNetflixの隆盛を支えた代表シリーズとして観ているといないとでは、今後“海ドラ者”を名乗るうえで大きな差が出てくるのは確実。

とはいえ、主演のスペイシーは性的暴行事件の発覚によって降板が決定し、最終シーズンは主人公フランク不在のまま完結することも発表済み。ゆえに、多くの視聴者にとっては「で、どう終わらせるの?」というのが最も気になる部分だろう。ということで、この大作シリーズを今すぐ走破するべく、ここで全シーズンを振り返っておこう。

フランクの外道ぶりにドン引き! シーズン1~2

国務長官のポジションをチラつかされ大統領選に協力した民主党下院議員のフランク・アンダーウッドは、やり手の首席補佐官にまんまと約束を反故にされて静かにブチギレ。この出来事が起爆剤となり復讐鬼と化したフランクは、あの手この手を使ってウォーカー大統領の信頼を得ると、ついに副大統領の座をゲットする。

フランクによる主な犠牲者は、州知事選に出馬させられたアル中議員ルッソと、スッパ抜き情報と引き換えにセフレ関係となっていた記者のゾーイ。急速に足場を固めるべく自らの手を汚していくフランクだが、当然ながらこの黒歴史が後にじわじわと彼を追い詰めることになる。

多くの視聴者は、フランクが大統領に上り詰めることが同シリーズのピークだと思ったことだろう。しかし現職大統領の辞任を受けて、早々にフランク大統領が爆誕。しかも、妻のクレアはド渋なカメラマンと浮気するわ護衛のイケメンを交えて3Pするわ、随所で性的に奔放な一面を露呈する。

さらに裏では秘書ダグが痴話トラブルの果てに歪んだ人間性を露呈するなど、そのドロドロ具合はまるでホワイトハウスを舞台に繰り広げられる昼ドラ。歴代大統領(クリントンとか)もホワイトハウスでSEXしていたと思うと胸熱だ。

ちなみにシーズン1ではフィンチャーの他ジョエル・シュマッカーなど大物が監督を務めるエピソードがあったが、シーズン2のエピソード22を監督したのは女優のジョディ・フォスター。クレアを演じるロビン・ライトも続くエピソード23を監督しており、その豪華な布陣だけでもため息ものである。

雇用計画の難航にロシアとの外交……めっちゃ重い! シーズン3~4

まんまと合衆国大統領の座を手に入れたフランクだが、ごっつぁん的な就任だったこともあり足場は不安定。失業者救済を謳う大規模な雇用計画“アメリカ・ワークス”を推し進めるも風当たりは強く、支持率は低下するいっぽう……。

ファーストレディとなったクレアも上昇志向を発揮して国連大使の座をゲットするが、すったもんだの末にフランクと大ゲンカ。内政描写が増えたことで集中力が切れそうになる視聴者もいるだろう。しかし、この愛より実を取る関係が後々の展開に響いてくるので、乞うご期待。

また、主な“外交モメ”の相手としてロシア大統領のヴィクトル・ペトロフが登場。プーチン大統領を意識しまくったキャラクターをちょいワルな雰囲気で好演するラース・ミケルセン(マッツのお兄さん!)と、ワルさでは負けないフランク&クレアとのつばぜり合いは見ものだ。

そんなシーズン3だけに、あのプッシー・ライオットのカメオ出演は嬉しいサプライズ。プーチンを公然と批判し逮捕された彼女たちの出演は、全シーズン通して最もスカッとする瞬間かもしれない。プッシー・ライオット×ル・ティグラの「Don’t Cry Genocide」をフィーチャーした、まるでミュージックビデオのようなエンドロールは鳥肌モノのカッコよさ!

シーズン4では、フランクが悪行のツケを払わされる=銃撃されて生死の境をさまようも、その間にクレアの存在の大きさに気づいて仲直り。首席補佐官となったダグもここぞとばかりに暗躍するが、ヘラルド紙のハマーシュミット記者はフランクのダークサイドを暴露しようと周囲を嗅ぎまわっている。

一方、新たなライバルである共和党大統領候補のコンウェイは大躍進。演じるジョエル・キナマンは、思わず「こんな大統領候補がいるか!」とツッコみたくなるほどのマッチョなイケメンだが、フランクがベッドの上で幻覚を見てトリップしている間に、従軍経験や庶民派アピールで着々と地盤を固めていく。

全シリーズ中で最高傑作と名高いシーズン3~4は、アメリカが抱える様々な社会問題をNetflixならではの過激かつ丁寧な描写であぶり出す。そのリアルさゆえ没入感も高いので、ぜひ時間をかけてじっくり咀嚼しつつ鑑賞することをオススメする。

テロの脅威……? に乗じて大統領選でやりたい放題のシーズン5

前シーズン中盤以降の大きなトピックだったテロ組織ICO。ラストでは人質が処刑される様子が世界中に配信されてしまうが、アンダーウッド夫妻は「テロには屈しない」という大義名分を掲げつつ、ICOを利用してカオス状態を作り出そうとしていた。さらにフランクはテロ行為と見せかけて通信障害を起こし、米2州での投票を妨害。大統領選が混迷する間に暫定ながら初の女性大統領となったクレアが、夜な夜な“核のボタン”の前でタバコをふかす姿が怖すぎ。

コンウェイは選挙で優勢だっただけに、なんだかよく分からないドタバタのうちに振り出しに戻されてしまいブチギレ。素行の悪さが露呈し、最終的に自身の足を引っ張る最悪のネタを提供することになってしまう。ただし、フランクのほうもテロのねつ造をウィキリークスに嗅ぎつけられ、それをネタにロシア政府から圧力をかけられる事態に発展する。

最終的にはコンウェイの致命的な“暴言テープ”を入手したフランクが再選を果たすが、下院議員のロメロが調査委員会を立ち上げて選挙での不正を追及し、辞任を要求する。するとフランクはまさかの辞任を選び、繰り上げで大統領となったクレアから恩赦を受け、ホワイトハウスを裏で操ろうともくろむ。ところがクレアはフランクをガン無視しつつ「私の番よ」という意味深な言葉を残し、そのまま問題のシーズン6へ……。

終始“ながら観”できない密度の高いエピソードばかりで、視聴者の「なんか難しい」が爆発するのがシーズン5だろう。しかし、突拍子ないように思える展開もアメリカの法律的に不可能ではない=実際に起こっても不思議ではない。また、ひょんなことからゲイ疑惑が浮上するフランクや、スピーチライターと場所を問わず不倫しまくるクレアなど、昼ドラ目線でも見どころは多い。

とはいえ、どんなにキツい状況でも性欲だけは衰え知らずの登場人物たちに、災いのもとはそれだろ!? とダメ出ししたくなること必至だ。

で、フランクどうなったの!? クレア劇場が開幕するシーズン6

スペイシーの降板や全8話というコンパクトさから惰性の最終シーズンになるかと思いきや、しょっぱなからヒリヒリした緊張感に包まれている。クレアのトラウマ的回想シーンも挿入され、ややサスペンス要素が強めに。当然ながら女性差別を意識した演出がところどころに散りばめられ、フランクの呪縛から解放されたクレアが大暴れする。

なお、フランクよりは善人だった(ように見えた)クレアだから、少しは良心に配慮した展開になるのでは……という予想は大いに裏切られるのでご安心を。フランクは文字通り“一切”登場しないが、ダイアン・レインとグレッグ・キニアという超ベテラン勢が兄妹役で登場し、孤立するクレアを大いに苦しめる。

アクセル全開のクレアは、自身の解任工作を退けるために人事を一掃し女性だけの内閣を発足させたりと、まさにやりたい放題。暴走気味のクレアに対して、ごく普通のミーティングみたいなノリで暗殺計画まで企てられるが、フランクというブレーキがなくなった彼女に怖いものなし。結局フランクと同じダークサイドに堕ちた自分を揶揄するようなセリフもあるのだが、今さら後戻りできないことは我々視聴者が一番よく知っている。

ちなみに、フランクの死の真相は最後の最後で明かされる。が、それはシーズンを完走した者に与えられるご褒美みたいなもの。とにかく、Netflixユーザーの必修科目である『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の完結を、いち早く見届けようではないか。

Netflix『ハウス・オブ・カード 野望の階段』

『ハウス・オブ・カード 野望の階段』

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook