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Netflix『ラブ、デス&ロボット』はCGアニメの可能性を極限まで引き出した捨て作ナシ傑作揃いの短編アンソロジー!!

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ライター:#BANGER!!! 編集部
Netflix『ラブ、デス&ロボット』はCGアニメの可能性を極限まで引き出した捨て作ナシ傑作揃いの短編アンソロジー!!
Netflixオリジナルシリーズ『ラブ、デス&ロボット』独占配信中
ご存知デヴィッド・フィンチャーが製作総指揮を、そして『デッドプール』のティム・ミラー監督がディレクションを務め、Netflixユーザーの間でにわかに話題を呼んでいるアンソロジー作品『ラブ、デス&ロボット』。タイトルどおり愛と死、そしてロボットをテーマにした全18話の中でも特にオススメの作品と簡単なストーリーを、ざっくりガイド的にご紹介します!!

どポップ風刺ものからエログロSFまで、理想的な“ごった煮”アニメ短編集!

Netflixオリジナルシリーズ『ラブ、デス&ロボット』独占配信中

10分前後のショートアニメで構成される『ラブ、デス&ロボット』、ます紹介したいのは「ソニーの切り札」。弱肉強食のディストピア世界を舞台に、ド迫力のビジュアルと美醜を超越したモンスターバトルが繰り広げられる。さらに現代資本主義の縮図や同性愛者の主人公・ソニーが遭ったレイプのメタファーなど、限られた尺の中に様々な要素が込められたSF作品。

ややグロ耐性は必要なものの“エヴァンゲリオン”的なびっくり展開でも楽しませてくれるし、モンスターバトル系のアニメやゲームが好きな人も必見だ。

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同じくディストピアものではあるのだが、「ロボット・トリオ」は妙に人間くさいロボットたちが環境汚染によって人類が滅亡した未来の地球をノンビリ彷徨う……という変わりダネ。終末世界を舞台にしたマンブルコア作品といった趣で、ロボットだけに現状を悲観するわけでもなく人類の遺物をいじくりまわしながら人工知能で妄想トークを繰り広げるという、ハードSFボンクラ脱力ドラマだ。

ちなみに終始ネコが登場してオチにも関わってくるので、ネコ好きの人にもオススメ。

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タイトルだけ聞くと意味不明な「ヨーグルトの世界征服」は、ユル~い絵柄とはミスマッチなほどのブラックジョークが炸裂している風刺アニメ。研究中のハプニングで超高度な知能を持ったヨーグルトが生まれてしまい、やがて人間社会がじわじわ支配されていく……という5分弱のショートストーリーで、大マジメなトーンのナレーションと最低限のセリフ(ほぼ全てヨーグルトが発する)で構成されている。

雑なぬいぐるみ風のキャラデザインとは裏腹に強烈な描写もあったりして、最後には宇宙規模の話に発展しつつ唐突に終わるという不親切……もとい潔さ。

究極の美と狂気、その先にある哀しみをアニメーションで綴る

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かつてアカデミー短編アニメ賞にもノミネートされたアニメーター、ロバート・ヴァレー監督による特徴的なキャラクターデザインとセルアニメ風の乾いたビジュアルが独特のコクを生み出している「ジーマ・ブルー」は、シーズン1の中で特に推したい作品。世界的な名声を手にしながらも謎に包まれた天才芸術家ジーマの半生と、それを根本からひっくり返す告白が衝撃的かつ感動的だ。

前半の語り部となるのはジャーナリストのクレア。彼女は最後の作品を発表するというジーマに初めて取材を許可され、ジーマの正体と彼のシンボルカラー“ジーマ・ブルー”の本当の意味を知ることになる。件の“最後の作品”のシーンは哀しくも示唆に富んでいて、人類が行き着く先を予見しているかのよう。

Netflixオリジナルシリーズ『ラブ、デス&ロボット』独占配信中

そして唯一の実写作品「氷河時代」は、メアリー・エリザベス・ウィンステッド&トファー・グレイスという豪華キャスト。引っ越し先の前住人の残置品だった冷蔵庫の中に小さな文明がすっぽり入っていて、人類の栄枯盛衰のループが繰り広げられていた……というストーリー。トンデモながらシリーズ中もっとも平和なトーンでほっこりできる。

他にも、ゴミ捨て場に住む老人と奇妙な相棒の馴れ初めを独白スタイルで描いた「ゴミ捨て場」、いわゆる“人狼モノ”と戦場の友情物語をミックスしたエモ度MAXの「シェイプ・シフター」、だだっ広い砂漠地帯で立往生したセールスマンたちが遭遇した一晩の奇妙な物語「フィッシュ・ナイト」、不吉な数字“13”を冠した軍用機を駆る若き女性兵士の物語「ラッキー・サーティーン」、あのヒトラーをモチーフにしたポップかつブラックな“もしも”物語「歴史改変」、旧ソ連軍VSモンスター軍団の苛烈な戦いを超リアルなCGで描く「秘密戦争」などなど、捨て作は一切ナシ!

Netflixオリジナルシリーズ『ラブ、デス&ロボット』独占配信中

どれも潤沢な予算ありきの贅沢なクオリティだが、世界中のユーザーから長編を制作してほしいという声も挙がっているだろうから、こういったアンソロジーものがNetflixの新たな潮流になる可能性も……? とにかくサクサク観られるので、少しでも気になったら今すぐチェックしておこう!

『ラブ、デス&ロボット』はNetflixで独占配信中

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『ラブ、デス&ロボット』

不気味な魔物、度肝を抜く展開、ダークな笑いなどデヴィッド・フィンチャーとティム・ミラーの世界観がさく裂。職場で視聴厳禁な大人のアニメを集めたアンソロジー。

制作年: 2019