『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に起きている奇跡

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ライター:#川辺素(ミツメ)
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に起きている奇跡
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』
押井守監督の初期代表作にしてアニメ史に残る傑作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)が2019年2月、CS映画専門チャンネル ムービープラスにて放送決定! 巨匠・高橋留美子の「うる星やつら」を換骨奪胎した超・攻めのストーリーで後世に多大な影響を与えた『ビューティフル・ドリーマー』にまつわる思い出を、東京を拠点に活動する4人組バンド、ミツメの川辺素さんに聞いた。

大学のバンドサークル内で強めに勧められて

こんにちは。4人組バンド、ミツメをやっている川辺と申します。今回は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』という、1984年に公開されたアニメ映画を紹介します。

初めてこの映画を見たのは大学生の時で、ミツメを始めたかどうかぐらいの頃でした。自分が所属していたバンドサークルには映画や漫画やアニメを好きな人が多くいて、僕は良い作品をひたすら紹介されて沢山見ていた時期がありました。その中で「『ビューティフル・ドリーマー』は、のちのあらゆる作品に影響を与えた素晴らしい映画なので観るべき」という強めの紹介で鑑賞に至った記憶があります。

原作の「うる星やつら」は高橋留美子さんの作品で、言わずと知れた国民的なキャラクターのラムちゃんが出てくる、どちらかというとコメディ要素の強い漫画なのですが、テレビアニメはのちに『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995年)などで知られる押井守監督が手がけていました。

テレビアニメ版は漫画に忠実というより押井監督の解釈が多く加わっており、独自のギャグや、元からあるラムが宇宙人という設定を初めとしたキャラクターのユニークなポイントを活かしつつ、SF要素を強めた箇所がときおり顔を覗かせる作品になっていました。ですが本作は、SF要素を推し進めるどころか逆転してしまったような印象を受ける作品になっています。

ヌーベルバーグ映画からの影響

本作品は監督の思想や多くの引用を下敷きに作られていて、僕は観る前の情報としてヌーベルバーグの映画からの影響について聞いていました。ですが「うる星やつら」については可愛らしいイメージを漠然と持っているだけだったので、全然結びつかずにいました。観て本当に驚いたことを覚えています。

肝心の内容については、僕のように何も知らずに観て頂きたいなという気持ちがあるので書きませんが、感銘を受けて間違いなく僕のバンドでの楽曲制作における考え方に影響を与えた作品です。

映画は原作者だけでは出来ず、監督など関わるスタッフ全員で作り上げることで完成しますが、原作者の意図を超えたところで様々な要素が加わり、ほぼ奇跡的なバランスで着地した本作を目の当たりにして深く感動したので、自分はバンドでは意見を押し通すよりも、共同でそういう地点までみんなでジャンプできるようにやっていけるようなバンドにしたいな、と鑑賞後に妄想していました。ぜひ観てみてください。

文:川辺素(ミツメ)

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『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

高橋留美子原作、人気コメディ・アニメの劇場版第2作。学園祭を翌日に控え、あたるやラムたち友引高校の生徒は泊まり込みで最後の準備を進めていた。だが、次の日彼らは再び学園祭の準備に取り掛かろうとする。時間が進まず同じ一日を繰り返していることに気付いた養護教諭のサクラは、全員に帰宅を命じるも、すでに友引町は異常事態に陥っていた…。

制作年: 1981
監督:
出演: