「ウッディがおもちゃの心構えを新しいおもちゃに指導するシーンは感動的だよ」『トイ・ストーリー4』監督&プロデューサーが語る

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ライター:小西未来
「ウッディがおもちゃの心構えを新しいおもちゃに指導するシーンは感動的だよ」『トイ・ストーリー4』監督&プロデューサーが語る
©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 

『トイ・ストーリー4』は、ピクサーを代表する人気シリーズの最新作であるだけでなく、新機軸を打ち出した野心作だ。これまでにない斬新な設定のおもちゃの登場から、新たな可能性を押し広げるストーリー展開など、『トイ・ストーリー3』がフィナーレだとすれば、新たなスタートを切った作品といえよう。

今回、監督に抜擢されたジョシュ・クーリー(短編『ライリーの初デート?』)、そしてプロデューサーのジョナス・リヴェラとマーク・ニールセンを米フロリダのディズニーワールドで直撃。シリーズ史上もっとも異色な作品が生まれた経緯から、ピクサーを志す若者へのアドバイスまで語ってくれた。

『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督、ジョナス・リヴェラ(プロデューサー)、マーク・ニールセン(プロデューサー)

「子どもたちにとっては“あらゆるものがおもちゃ”だということに気づいたんだ」

―クーリー監督は、もともと『トイ・ストーリー』の大ファンだったそうですね。

ジョシュ・クーリー:うん。監督を依頼されたときは、耳が聞こえなくなって、視野がぎゅっと狭くなったような感じだった。あまりにも非現実的で。キャラクターたちを愛しているし、自分の子どもたちも『トイ・ストーリー』シリーズで育っているからね。その次のステップを生み出す手助けをするなんて、責任重大だ。とてつもなく光栄なことだと思ったよ。

―前作で『トイ・ストーリー』は完結したものだと思っていました。

ジョシュ「実は、ぼくらもそう思っていたんだ。『トイ・ストーリー3』は完璧なフィナーレだったのに、その続きってどういうことだ、とね。でも『トイ・ストーリー3』は、ウッディとアンディとの関係の結末を描いただけに過ぎないと気づいたんだ。それで、ウッディにはまだ物語が残されているんじゃないかと考えるようになった。ウッディはおもちゃとしての任務を全うして、新たな人生をスタートさせたばかりだ。言ってみれば、子育てを終えた親のような状態だね。子どもが独立して、残された人生になにが待ち受けているのかまったく分からない、という。

―『1』と『2』に登場していたヒロインのボー・ピープが復帰しますね。

ジョシュ:うん、それは『トイ・ストーリー4』の企画が立ち上がったときからあったアイデアなんだ。『3』において、ボーは他のおもちゃと一緒に処分されてしまったという設定だったから、今作では彼女がいまどこにいるのか、その疑問に答えなければいけない、とね。ボーが復帰することに関しては最初から決まっていたんだけど、どうやって登場するのか、どんな姿をしているのか、どんな仲間と一緒なのか、といったことについては長い時間をかけて練っていったんだ。いったん、彼女を紛失したおもちゃにしようと決めたら、ウッディの価値観と対立して面白くなることに気がついたよ。

©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

―その一方でフォーキーという、ゴミから作られた“おもちゃ”も登場します。彼のおかげで物語が動き出すわけですが、どうやって思いついたのですか?

ジョナス・リヴェラ:この映画に取りかかるにあたり、ぼくらは改めて『トイ・ストーリー』の基本に立ち返ったんだ。おもちゃにとっての現実とはどういうものだろう? 子どもはどうやっておもちゃで遊ぶのか? そういう基本的なところから改めて問い直すことになった。ぼくらにはそれぞれ子どもがいて、上は高校生から下は小学1年生までいるから、リサーチ対象には困らない。それで気づいたのは、子どもたちにとっては、ありとあらゆるものがおもちゃであるという点だ。なかには、「そんなので遊んで楽しいの?」と疑問に思うものもあって(笑)。

―そんな洞察から生まれたんですね(笑)。

ジョナス:うん。それにウッディに対する絶好の試練になると考えたんだ。ウッディの使命は、子どもが必要とするときに常にそばにいてあげること。でも新たなオーナーのもとで、その信念がぐらつきはじめている。そんなとき、オーナーのボニーはウッディではなく、文字通りのゴミを愛するようになってしまう。

ジョシュ:もう一点、フォーキーはゼロから作られたから、おもちゃがなんたるものか、まったく知らない。だから、ウッディがおもちゃの心構えを指導してあげなくてならなくなる。アンディとの出会いと別れを説明する場面は、とても感動的になっていると思う。

「常に目の前の仕事にベストを尽くせば、結果的に次につながるものなんだ」

©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

―今回は、ジョン・ラセターが絡んでいない初めての『トイ・ストーリー』になりますが、統一感の維持に苦労はありませんでしたか?

マーク・ニールセン:この作品は過去3作を踏襲したものであり、その3作においてジョンは確かに重要な役割を果たしているよ。同時に『トイ・ストーリー』シリーズには、他にも主要メンバーが存在する。アンドリュー・スタントン(『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』監督・脚本)、ピート・ドクター(『モンスターズ・インク』監督)、リー・アンクリッチ(『トイ・ストーリー3』監督)の3名だ。彼らはゴッドファーザーとも呼ぶべき存在で、本作では揃って製作総指揮を務めてくれた。ストーリー作りで大きな助けとなってくれたよ。

―ちなみにジョン・ラセターはセクハラ騒動の責任を取ってピクサーを退社しましたが、最後に連絡を取ったのはいつですか?

マーク:1年半前かな。退社してからは連絡はないよ。

―『トイ・ストーリー4』にはいつまで関わっていたんですか?

ジョナス:ちょうど、アンドリュー・スタントンがよくできた草稿をまとめあげて、アニメーション作業を始めようというときだったね。

―最後に、ピクサーに入りたいと思っている若者にアドバイスをお願いします。

ジョシュ:ぼくは幼い頃からアニメーションの仕事に就きたいと思っていたんだ。ワーナー・ブラザースのアニメやディズニー映画が大好きで、とにかくこの業界に入りたくて。だからピクサーにインターンとして受け入れられたとき、ぜったいに手放したくないと思われるような存在になってやろうと心に決めた。一番早く出勤して、最後まで居残ってやる、と。幸い、いまだにクビになっていない。ぼくが助言できるとすれば、与えられた以上の仕事をこなしたほうがいい、ということかな。

ジョナス:同感。私は94年にインターンになって、当時はまだ明確な目標はなかったんだけれど、その経験を通じて、これこそがぼくがやりたいことだと悟った。それで、ピクサーに自分のありったけを注いだら、どんな見返りがあるのだろう、と考えた。ぼくもジョシュのように、常にベストを尽くしてきたつもりさ。

マーク:目の前の仕事にベストを尽くすことにつきるよね。次の仕事のことを考えたり、次のチャンスを待つのではなく、いま出来ることにありったけを注ぐ。そうすると、結果的に次に繋がるものなんだ。

取材・文:小西未来

『トイ・ストーリー4』は2019年7月12日(金) より全国ロードショー

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『トイ・ストーリー4』

おもちゃにとって大切なことは子供のそばにいること。 新たな持ち主ボニーの一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキーは、自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会いを果たす。そしてたどり着いたのは見たことのない新しい世界。最後にウッディが選んだ“驚くべき決断”とは…?

制作年: 2019
監督:
音楽:
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吹替:
  • BANGER!!!
  • アニメ
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